同僚から聞いた話。
息子に誘われて慣れ親しんだ土地を離れて息子の住む街に越した老夫婦。奥さんの方が倒れ入院後に長期滞在型の施設への入所となる。奥さんの入所費用と旦那さんの家賃。両方払うとやりくりできない、と困っている旦那さんと奥さんの法的手続きを手伝った同僚(別々の居住していることで個人負担の額が変わる)。
息子さんとは連絡を取っているんですか?と聞くと、越してからも奥さんが入院してからも一度も会いにきてくれない、と。忙しいからだそうだ。
なんとも信じれない話。しかしよくある話でもある。
昔むかしは同じ土地で育ち一生を過ごした。今は学業や就業で都会へ行ったりする。交通は便利になった。昔のような距離感はない。しかしどちらかが病んだり、親が老いると話は違う。仕事を変わるわけにはいかない、と子が親を呼ぶ寄せる。こちらの構図の方が多い。
親しみ慣れた土地、ご近所、そしてプライマリーケアプロバイダー(家庭医)を離れて、新天地で上手く順応出来ない人は多い。私も両親から遠く離れた土地で暮らしている身。人ごとではない。
せめて呼び寄せたのなら、必要な時ぐらい力になるぐらいの心も時間も余裕があっていたいものだ。