出張先: 第12回全国科学教育ボランティア研究大会in愛知
日 時: 2012年12月8日(土)9日(日)
会 場: 名城大学
「科ボ研」、正式名称を「科学教育ボランティア研究大会」と言う。全国の科学教育ボランティア活動に参加している方々およびこれから参加しようと思っている方々に呼びかけて2001年から開かれている大会であり、昨年にひき続き参加した。
大会の概要
この大会は、実験教室等の科学教育ボランティア活動についてその目的や方法、思いや期待、理想と現状、成功や失敗の経験などを話し合い、今後の発展につなげていくとともに参加者同士互いの親睦を深めようという集まりである。本大会のキャッチフレーズは、「科学教育ボランティア活動を活性化するために交流を深めよう!教育ボランティア活動の全国ネットワークを創ろう!」である。
第1回大会以来、ボランティアによって企画運営され、毎年全国から百数十名という多数の参加がある。参加者の内訳は、小・中・高校教員を中心に、ボランティア活動されている学生、一般と様々な面々である。大学等の研究者、技術職員の参加も若干名あった。今年のテーマは、「見つけよう 育てよう ボランティアの芽 ~未来を担うボランティアを育てるには~」であり、科学館、大学、ボランティアグループからの活動紹介があった。分科会のテーマは次の通り。「学生ボランティアの今」、「楽しい実験ネタ」、「サイエンスショー」、「ネタをどうシナリオにするか?-物理的な実験を集めて」.ポスターセッションでは、様々な実験ネタの披露が行われた。詳しくは、科学教育ボランティア研究大会HPをご覧いただきたい。過去の大会記録も掲載されている。
http://www2.hamajima.co.jp/~sevrc/
大学技術職員の参加メリット
大学の社会貢献は、教育や研究と並んで大学に求められる重要な役割の一つである。本学技術支援センターでも、社会貢献WGを立ち上げ活動しているところである。そこで、全国的な科学教育活動の実態を把握しつつ、大学としての活動計画を策定することは重要である。研究者のアウトリーチ活動(研究成果公開活動)に関連したオリジナルなテーマで実験教室が開催出来たら良いのだが、力量不足で実現出来ていない。したがって、書籍、インターネットを使ってテーマ選定し、自分なりの工夫を加えて実施しているのが、実情である。この大会は、全国区で活躍されている方々が多く集まり、情報収集先としては好適である。多くの新しい実験ネタに出会え、実験教室を開催するにあたってのシナリオ作りなどのスキルアップが図れる。加えて、活発な活動を行っている方々と直接お会いしお話することで元気が貰え、モチベーションアップに繋がる。
学術研究機関に積極的なアウトリーチ活動が求められる昨今である。我々技術職員の「科学教育啓発活動」も大いに奨励される状況となってきた。この科ボ研は、科学教育活動を行っている方に是非お勧めする大会である。しかし、このような活動が評価されるためには技術職員として専門的な技術をもって、日頃の業務を怠りなく遂行することが大前提である。このことを肝に銘じつつ、継続的な活動を行っていきたいと考えている。
今回出会った、魅力的な実験ネタ
1.銅板のめっき 3枚の銅板から2枚を亜鉛めっき、亜鉛めっきされた1枚を熱処理し真鍮に。綺麗にめっきされており感心した。銀鏡反応による銀めっき、ニッケルの電気めっきの経験があるが、このめっきの法が易しそうで魅力的だ。是非、挑戦してみたい。
2.ペーパークロマトグラフィー
吸取紙をびょうぶ折りする方法は、操作が簡単で良い方法である。
花模様にするアート作品作りは、綺麗だ。黒色水性ペンをあてる、科学捜査官仕立てのデモ実験は、原理の解説に役立ちそうだ。
3.回転浮沈子
浮沈子の実験は広く行われていることから、避けてきたテーマである。
回転不沈子、初めて知ったので、一度試してみたい。
4.びっくりするほど大きな音がする笛
糸巻きの紙管、サランラップの芯、風船でつくる笛。とても大きな音が出ることにビックリした。
ベトナムの民族楽器を参考に考案されたそうである。