miyabuの雑記帳

ボケ老人の無責任なお話

300文字小説

2013-01-27 | Weblog

中日新聞サンデー版で、300文字小説を募集しています。第11回の最優秀作品は、三重県熊野市の82歳、波戸与七さんでした。創作の着眼がユニークで、ほのぼのとする作品でした。

大発見    波戸与七
 畑仕事しか知らない哲さんは、誘われて、ヨーロッパ旅行をしてきた。旅行から帰ると哲さんは、孫たちを集めて、土産話をした。
 外国人は男も女も、何をしゃべっとるのか、さっぱり解らんかった。だがなァ、イタリヤの猫も犬も、フランスの鶏も牛も、みんな日本語で啼いておった。なのに、どうして人間だけは、わけの解らん言葉を使うのやろか。
 すると女孫の一人が言った。そりゃあ、お爺ちゃん、大発見をしてきたがや! ヨーロッパ旅行をしてきてよかったな。ひょっとすると、世界中の鳥も動物も、みんな、日本語で啼いとるんかもしれんぞ。