劇場に入ってすぐ十七世・十八世中村勘三郎の写真、線香立て、花。
そして十八世の手のレプリカ。
30分の幕間の休憩中には、緞帳の披露。
紹介が終わると定式幕が引かれます。
30分の幕間の後は所作事なので、所作台が舞台、そして花道に敷かれます。
30分の幕間は食事の時間でもありまして、昼の部の幕間に食べた弁当。
昼の部と夜の部の間に、歌舞伎座近くの公園へ。
雀がいっぱいいて、しかも人懐っこい。
鞄にはいっていたパンのかけらを投げるとどんどん寄ってきます。
昼の部の「野崎村」。
なんだか辛気臭い話であまり好みではありません。
そもそも酷い話ですよね。
お光が哀れというか、久松が優柔不断というか・・・
お光の科白「嬉しかったは、たった半時・・・」がこころに残ります。
「伊勢音頭」
勘三郎の追善ですから、福岡貢を勘九郎なのでしょうが、
梅玉の福岡貢で観たかったな~。
それにしても玉三郎の仲居万野、もう凄すぎ!
中村歌右衛門のも凄かったけれどもね。
夜の部
「菅原伝授」
もう文楽でも歌舞伎でもなんど見たことだろう。
竹部源蔵の「せまじきものは宮仕え」という科白が有名ですね。
文楽での床本をみると、
互ひに顔を見合はせて、「弟子子といえばわが子も同然」「サア、今日に限って寺入りしたは、あの子が業か、母御の因果か」「報ひはこちが火の車」「追付け廻って、来ましょう」と、妻が嘆けば、夫も目をすり、「せまじきものは宮仕え」と、共に涙にくれゐたる
とあります。
先日NHKで文楽の寺子屋が放送されていましたね。
松王丸とその妻千代を仁左衛門と玉三郎。
竹部源蔵とその妻戸浪を勘九郎と七之助。
「寺入り」がないと、 ちょっとわかりにくいし、
突然松王丸が「桜丸が不憫でござる。桜丸、桜丸・・・」という科白、
菅原伝授の筋がわからないと何をいっているかわからないですね。
「吉野山」
藤十郎、かなり 境地に入ってきましたね。
「鰯売」
先代勘三郎と玉三郎での部隊が忘れられません。
今回は その息子勘九郎と七之助での初舞台。
観客にはコメディータッチの部分が多いので大うけで、拍手も大変なものでした。
しかしなんといっても今日は「伊勢音頭」と「寺子屋」に尽きますね。
芝居がはねたのが午後8時40分。
歩いて有楽町へ、そして東京駅から新幹線にのれそうです。