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村上春樹氏と聴く、シューマン:ピアノ協奏曲 Op54 

2023-09-20 10:32:00 | 音楽夜話(クラシック)
村上春樹氏と聴く、シューマン:ピアノ協奏曲 Op54 


村上春樹氏と聴くクラシック・レコード・リスニング。
所蔵するレコードとそのコメントを参考にしながら
同じ曲をNML(配信)で追体験するという企画。


幅広い音楽ジャンルの視聴経験を持ち、所蔵盤数も
多岐にわたるという。オーディオもリスニング向き
のものをそろえ歴史も長い。
そんな村上氏がBRUTUSに掲載した「続・古くて素敵な
クラシック・レコードたち」から、選んで、こちらは
配信(NML)を使い追体験する。
1ページに5枚程度所蔵盤が載せてある。そこから
NMLにあるものを、聴いていく。集中して同じものを
聴くのは限度があるので、1日1-2枚程度とする。
まとまったら記事に・・・できたらいいな。


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ウィルヘルム・ケンプ
 ロンドン交響楽団
 ヨーゼフ・クリップス(指揮)
 録音:1953年モノラル(セッション) DECCA音源
充実した演奏。落ち着いていて急くところもなく、行き方を知っている様なたたずまい。
優しく慈愛のあるもの。安心して聴いていられる。


村上)ピアノの音がことのほか美しい。クリップスの伴奏も滋養に溢れている。(BRUTUS)


ディヌ・リパッティ
フィルハーモニア管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
(録音;1947年モノラル(セッション)


カラヤンとの一期一会。この時期のカラヤンは後年の彼とは違い、さっぱりと
潔いところに好感が持てる。リパッティは「何も引かない何も足さない」CMでは
ないけれど、そういう感性をいつも感じてしまう。彼しかないものがあり、
そのエネルギーを使って作品を組み立ててるような感じがする。オンリー・ワン。


村上)演奏は決して古びない。(BRUTUS)




スヴャトスラフ・リヒテル
ワルシャワ国立響
スタ二スラフ・ヴィスロフスキー(指揮)
録音:1958年モノラル(セッション)
含みのあるアプローチ、リヒテル自身の解釈なのか、テンポ揺らしたり打弦も強かったり、
彼自身の工夫もみられる。表現者としてもがいてるところが聴ける。
内部に入り込むよりは、力強い硬質なアプローチで若いシューマン像を
作っている様なところがあるのではないかと思う。


村上)ストレートな情熱を僕としてはやはり評価したい。(BRUTUS)




ヴィルヘルム・バックハウス
ウィーンフィル
ギュンター・ヴァント(指揮)
1960年ステレオ(セッション)
バックハウスの演奏は品があり、聴きほれてしまうようなところがある。
それとシューマンの目指していたところと一致するかはわからないけれど、
考えられたもので、彼の意図が感じられる。


村上)この曲の風格が一段上がったように感じられる。(中略)
ただ、もしここに欠けたものがあるとすれば、それは「やむにやまれぬ
青春の息吹」みたいなものかもしれない。(BRUTUS)


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コメントがさすが作家さんだけあって、明瞭簡潔。何度も聴いた上での
コメントのような気がする。レコード演奏に対する愛情があり、
それを言語化できるセンスがあり、やはり売れる作家さんだけのことはある。




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