モジリア

74歳のブロガー。ギネスを目指す!(^^)!
おじさんが読む「赤毛のアン」

生命のメッセージ 恢復するって・・・

2012年01月19日 | 無財の七施
12・1・19



恢復する家族 
  
1995年ごろたまたま本屋で見かけた「恢復する家族」は
挿絵が素敵だったので半ば衝動的に買ってしまった。

大江健三郎さんが文を書き、奥さんの大江ゆかりさんが挿絵を描いている。

大江健三郎さんの難解な文章は敬遠、
ゆかりさんの挿絵を時々眺めていた。

眺めるついでに文章もチラチラッと見る。

その程度の見方、読み方で大江さんが書いた文章を読んでいた。

恢復するって元以上になること……」
と云う文言が目に飛び込んできた。

「元以上の……」の言葉が気になって仕方がなかった。

 フィレッチェーロというダンテ研究家が次のようなことを指摘している、と
大江さんは紹介している。

人が異郷で死のまぎわまで近づく。
医者や看護師、家族の励ましによって恢復し瘉された彼は

病気になる前のゼロの地点に戻っただけではない、

そこからプラスの方向へ上昇し、

なお上り続ける積極的なエネルギーも獲得している……

そして表現されたものは人々に

生命のメッセージを伝える。
 大江さんは生命のメッセージを恢復と捉え、
ゼロ地点へ戻るのではなく、

更にプラス方向へ上昇するエネルギーを獲得する、と捉えている。

 昨年暮れ
ワクチンも生命の同様の働きを活用している、と思った。

百日咳、インフルエンザワクチンは
病原菌を医学的に処理して接種する。

ワクチンによって一度罹患させることによって
病原菌にたいする抵抗力をつける。

文字通り元以上の強い力を獲得する。