詩の投稿者の集い覇気へ参加しました

１２・１・２３
昨日千葉日報読者文芸　
詩部門の投稿者の集まり覇気の会へ参加しました




私が書いた詩です

　有限会社松井クリーニング店
　　　　島根一郎　　
娘が小学校５年生の
父の日だった
どうしてクリーニング店
やっているの？

食うためだ！

後でわかったことだったが
父の日の宿題で
私に質問したらしい
乱暴過ぎたかなと
思ったが
少しでも気を緩めると
食えなくなる
危機感があった

娘が高校生のころ
お父さん
どうしてクリーニング店
やっているの？

小学校５年生の時も同じことを
娘は訊いた
娘はそのことを
すっかり忘れているらしい
私はそのことを
ハッキリ覚えている
「食うため」だけでよいのか？
疑問に思っていた
娘は
何のために高校へ行っているのか
疑問に感じていたらしい

娘は嫁ぎ
孫娘が生まれた

お父さん！
私、知らなかった！
難しい洗濯物は
マッチャンにたのめ！と
仲間から信頼されて
頼まれていたことを
それから……
ワイシャツのボタンがとれていると
黙ってボタンをつけて
納品していたことも……

ヨッチャンのおばさんが
教えてくれたの！
私
本当に知らなかった！