凍りついた運命も・・・

１２・１・３１

一段落した平成２年正月早々４０度を超す高熱に冒された。

風邪だろう、とか扁桃腺炎だろう等々適当な病名で適当に薬を処方される。

解熱剤が効いている間だけ熱が下がり、切れるとぶり返す。

やがて東邦鎌ヶ谷病院を訪れ検査入院、
膠原病による発熱、と診断された。

副腎皮質ホルモンが処方され２０分ぐらいで熱が下がった。

病名も分かり、治療法も確定した。

間もなく退院できそうに思った。だが、
実際には更に５か月間入院、退院したのは６月初めだった。

２月の始めベッドで新聞を見ると、

「今日は啓蟄の日」とある。

冬の寒さを土中耐え忍んでいた虫たちも
春の気配を感じて蠢き出す。

「蠢き出す」に明るいものを感じた。

凍りついた私の運命も遠くの方から槌音が聞こえる気がした。

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