みりんの徒然声

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みりんの徒然声 最大にして最悪の不義理 後編

2016-12-10 21:08:57 | 日記
こうして不義理の数々を尽くしたあたしにバチは当たる。まず距離を置き始めたあたしは待ち伏せされるようになった。いつの間にか家の前に車が止まっている。彼が仕事じゃない日も協力者がいたのかあたしの1日を知っている。あたしがその日どんなお客を、接客し何を売ったか知っている。怖くなってあたしは徹底的に彼を避けた。部屋にあまり帰らなくなった。最終的に彼がとった行動は会社の店長にあたしがタトゥーが入っていることをバラす事だった。ついでにあたしがお店の商品を、横流ししてるとかお客さんをたぶらかしてるとかありとあらゆる悪い嘘を流した。そんな馬鹿げたこと誰が信じるか?とたかをくくっていたが、あろうことか店長は10年近くサービス残業の文句も言わず働き続けたあたしより、お偉いさんの息子を信じた。あたしはだんだん会社に居ずらくなった。人の噂も七十五日、今思えば噂などいずれ消えるのだから辛抱して働き続ければよかったのだが、人間の悪意というものを本当に目の当たりにしあたしは恐怖で動けなくなった。タイミング悪く、前々から良くなかった子宮筋腫が再発してあたしは会社を休みがちになった。休むと言うことは数々の悪評を肯定する結果になったらしい。あたしのわがままなそれまでの振る舞いにまたバチが当たったのか、それまで仲が良いと思っていた人も誰もかばってはくれなかった。あたしは逃げるように会社を後にした。大好きだったあの人だけでなく大好きだった仕事も失った。あたしが仕事をやめる直前彼から調子に乗るんじゃねえぞ、ばばあ、死ね、というメールがきたがあたしはもう何も言えなかった。退職するあたしを見てさぞ気持ちよかったことだろう?因果応報、不義理を働いたのはあたし。仕方ない。それが地獄の始まりだとしても、憎むべきはいつも自分の内にあるのだ。ただひとつだけ解せないことがある。あたしが仕事を止めてすぐに彼は親の会社を継ぎ社長になりあたしより一回り以上若い子と結婚した。でき婚である。やっぱり若い子供の出来る女がいーんしゃないか、だからあたし最初に言ったよなあ、あたしはかなり年上だし、子供も産めないかもよって。と思う反面、あれ?計算おかしいぞ?出産まで少なくとも10ヶ月はかかる。あたしのストーカーまがいのことをして3ヶ月程度だ。いやいやあんたも浮気してたなら喧嘩両成敗じゃないのか?なにしてくれてんだよ、自分を棚にあげてあたしは本気で殺意を覚えた。まあそういう感情だけは両思いであることが常だから彼もあたしを殺したいくらいムカついたんであろう?だけどそれからの人生があまりに違いすぎないか?今更負け犬だけど。あたしは全て失った。あの人も仕事も1人で眠れる部屋も、安心も。男のせいで会社を辞めるなんて陳腐だ。物語にすらならない。ばかみたいな自業自得とすこしの苛立ち。母親の、結局運のない奴はなにやっても無駄なんだよ、という怒鳴り声がいつまでも反芻する。もっと戦えば会社に残れたのか?もはや分からないが分かったのは人の憎悪は恐ろしい。あたしはもう恋愛はしない。出来ない、か突きつけられる悪意や失望はあたしの手に到底追えるものではないし、もういたずらに傷を増やしたくない。懺悔をここでしても仕方ないが書きたくて、でも書いたら悲しみと苛立ちに襲われて爪をまた剥いだ。だらだらと指先から血が落ちた。これがあたしの汚い話。ショウもない話。ああなんだか具合が悪くなる、当時の悪意に囚われそうになる。不義理のバチはいつまで続くのか?春は来年は来るだろうか?そして彼は今も何事もなく幸せなんだろうか?ああ生きるって怖い。早く1人にならなきゃ。誰の悪意にも触れたくないし誰のことも憎みたくない。憎しみの連鎖は続くから。悲しくなった。涙がまた出る。やっぱり冬は寒い、寒い、寒い。春よ早く来て下さい。お願いだから。長々書いてしまいましたがこれがあたしの最大にして最悪の不義理でした。笑えますか?稚拙ですか?