行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

他人を裁く前に

2025年01月07日 | 仏の心
他人を批判するのも、マウントをとるのも、裁くのも、その前にまず、自分はどうなのかと振り返ってみなければ、成熟した大人とは言えません。
閻魔大王はお地蔵様の化身ですが、死者を裁く前後に熱く融けた鉄を呑むそうです。
世の中を正すという気持ちは必要かもしれませんが、その前に自分をきちんと育成していくことが必要だと思います。



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いつ死んでもおかしくないのに生きているのがめでたい

2025年01月03日 | 仏の心
門松は冥土の旅の一里塚 馬駕籠もなく 泊まりやもなし
頓知の一休さんのものだと言われていますがわかりません。
今はがんや老衰で亡くなる人が多いと言われていますが、昭和の終わり頃まで、虚血性心疾患や脳卒中で急死する人が多かったです。戦前や終戦直後は肺炎、気管支炎、結核であっけなく亡くなってしまうことが多かったです。40歳代や50歳代で急死することも珍しくはありませんでした。
今はみんな80歳くらいまでは生きることができると疑いなく思う時代ですが、かつてはある程度の年齢になるといつ死んでもおかしくなかったのです。
正月がなぜめでたいかといえば、いつ死んでもおかしくない自分がまた新しい年を迎えることができたからです。
明けましておめでとうは、生きて年が明けておめでとうなのです。



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真理を無理に求めない

2024年08月23日 | 仏の心
インターネットの中に真理はなかなか見つからないと思っていますが、禅は真理を無理に見つけようとしないで、棚上げしているところがあると思います。 
この世の真理や真実などないといえば危険なニヒリズムになるし、真理がわかったといえばたいてい陰謀論やおかしな宗教などに引っ掛かっていることになります。
若いときには人生の意味を求めて悩むことがあります。人生の意味はあるのかもしれませんが、神様だけが知っていることなのかもしれません。
キリスト教や仏教など本当の宗教は人生の意味や真理を考えることを神様や阿弥陀仏、大日如来などに預けてしまうことだと思います。わからないことはおまかせするのが宗教だと思います。
しかし、簡単に答えを出してしまうのは危ない宗教なのだと思います。オウム真理教に若い人が群がったのはまさにそうだったのではないでしょうか。
中国に南泉というお坊さんがいて、その弟子達がかわいいネコを奪い合っていました。南泉はそれをみて、ネコを奪って「何かコメントしないとネコを殺すぞ」と言いました。だれも何も言わなかったので、南泉はネコを斬り殺してしまいました。
そこへ趙州という弟子が来て頭に草履を載せて出て行きました。
ネコは死後の世界だとか、人生の意味だとか、答えがわかるはずのない問いや複数答えのある問いだと私は解釈しています。
南泉がネコを斬ったのはそういう問いをふりだしに戻した。趙州が頭に草履を載せたのは、問いの答えを棚上げしたということではないでしょうか。
わからないことを適当に言うのではなく、棚上げすることも必要だと思います。 
何でも知りたがり、答えを知りたがり、白黒つけなければ気の済まない人にはとても苦痛だと思いますが。

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現世の餓鬼道、畜生道から高齢者を救う

2024年08月21日 | 仏の心

盂蘭盆経は神通力で、親の死後の様子をみるところから始まります。
超高齢化社会にあって、高齢者が生きているうちに逆さ吊りされている苦しみを味わっていることは珍しくないと思います。
死の恐怖、孤独、闘病だけでなく、長い人生で自分本位の生き方をしてきたツケが一気に出てきてしまう場合があります。
子や孫から見捨てられ、孤独と不安に苦しみながら人生の最後を送ってしまう場合もあります。
いい人生だったと思いながら死んでいけるために、本人も子や孫、縁者が考えていくきっかけになるのが盂蘭盆経だと私は考えました。
供養は亡くなった人にだけするものではなく、若くても生き方に苦しんでいる人、人生の最後を迎えようとしている人にするものだとも思っています。

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極端な人にならないために

2024年08月20日 | 仏の心
私も含めて、世の中極端な人ばかりです。
写真の著書にある極端な人にならないための5項目は完全に同意します。
①情報の偏りを知る
②自分の「正義感」に敏感になる
③自分を客観的に見る
④情報から一度距離をとってみる
⑤他者を尊重する
世の中極論が大好きな人が多いです。
若い頃には学生運動など左翼活動をしていた人が高齢者になってネトウヨになるということも珍しくはありません。
インターネット社会は知らなくてもいいことも頭に入ってきてしまいます。インターネットは広い空間が広がっているようで、自分に都合のよい情報が次々に入ってくるようになっています。
そしてダニング・クルーガー効果でますます考え方が狭くなります。
気をつけておかないと偏狭な考え方になっていく危険性があります。
テレビが家庭に普及していった昭和40年代にはテレビの悪影響が指摘されましたが、インターネットの悪影響はテレビの比ではないかもしれません。
テレビでは自分と違う意見を叩く行為はできませんが、インターネットではそれが簡単にできてしまいます。
インターネットは使い方によっては人間を蝕んで壊していくものです。

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