浄土真宗の勢力圏では古い墓が少ないです。周防大島の笠佐島では昔から散骨して墓が全くありません。青谷や泊では門徒の方が亡くなると一ヶ所に遺骨をまとめて(いわゆる納骨堂ではない)おくところもありました。また、鳥取などでは家の近くに墓はつくっても遺体は山奥に土葬するという両墓制が近年まで行われていました。土葬は遺体の腐敗とともに墓石が沈んだり傾いたりするのでそれを防ぐためです。(一旦土葬したものを3回忌(2年後)くらいに掘り返し、洗骨して骨壺に収めて墓に入れる場合もあります。)墓をつくる習慣は伝統というよりも、両墓制の前は庶民は山に土葬して目印を置くだけということが多かったようです。日本人には自然に還りたいという感性があり、西洋のカタコンベのような地下室に棺を置くというような習慣はあまりありません。(強いて言えば即身成仏のミイラくらいでしょうか)骨壺のまま墓石の下のコンクリートの部屋に入るよりは土に埋める方がいいという地域もあります。
樹木葬は決して新しいものではなく、自然に還りたいという埋葬法の一つなのです。
樹木葬は決して新しいものではなく、自然に還りたいという埋葬法の一つなのです。