行雲流水

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瀬戸内寂聴師が憲法について語る

2011年05月03日 | 禅の心
 戦争はもう絶対しちゃいけないと思います。仏教徒としても戦争はしてはいけない。お坊さんたちがもっと立ち上がらなくてはいけない。お坊さんの中に1人偉い人がいました。亡くなった大原実光院の天納傳中さんです。この人が私に話してくれました。戦争に行って捕虜を殺せと命令されたとき、「絶対に自分は(人を)殺せません」といったんですって。自分は仏教徒だから、殺人はできませんと。
 もしも、どうしても私がこの捕虜を殺さなければいけないなら、明日から誰が死んでもお経をあげてあげないといったんですって。そしたら、「お前はいい」って殺さないで済んだんですって。ですから自分は殺してはいけないということを守ることは命がけですよ。やはり命をかけないと戦争反対はできません。私は命をかけてやろうと思います。
 1つ思いだしたことがあります。東北のお寺、天台寺で法話をしています。多い時で1万人。少なくても5000人は見える。参加者に言いたいことを言ってもらう時間をつくっているんですが、ある日、小さい男の子が、ぱっと立ち上がって、「これから日本はどうなるんでしょう」と言うんです。
 私はびっくりして、なんでそんなこと言うの?と聞いたら、「これから憲法9条がなくなったら、戦争に行かなくてはいけない。ぼく、戦争に行きたくない。まだ、やりたいこといっぱいあるから死にたくない」っていうんです。そうしたらわーっと何千人か拍手が沸いたんです。だから私は、今の拍手はあなたを励ましている拍手よ。あなた嫌なら嫌ってがんばんなさい。
 僕は戦争にいきたくない、9条を守るってことをしょっちゅう、しょっちゅうしゃべりなさいっていったんです。そしたら「それでいいんですか。じゃあ、できます」って言いったんです。
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