行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

福は内、鬼も内

2020年06月09日 | 禅の心
中学校の理科で習う《酸化還元反応》は
「酸化と還元はセットで起こる」
ということが重要なところです。
例えば鉄が錆びるというのは、酸化と言われていますが、その時必ず何かが還元されているのです。(多くの場合、酸素が還元されています。)
酸化と還元が単独で起こらないのと同じく、苦楽は一つであって単独ではおこらないというのが東洋的な考え方です。
働くことは《苦》ですが、収入という《楽》がついてきます。
美味しいものを食べたり、楽しいことをすれば《楽》、支払いという《苦》がついてきます。
病気で死にそうになっても、死にそうになったことによる幸福感(言葉では説明できませんが)が得られることがあります。
何かの経典にある家に吉祥天(福の神)がやってくる話がありました。そこの家の人が喜んだのもつかの間、一緒に貧乏神も来ているのです。吉祥天が言うには
「これはアタシの妹よ、嫌なら一緒に帰るわよ」
というわけです。
絶対的な苦や楽はあるのかもしれませんが、多くの場合、絶望的な中の光明に気がつかないのかもしれません。子育てなどまさに苦と楽が一体になったものだと痛感しています。
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