五蘊盛苦（ごうんじょうく）

「生」・「老」・「病」・「死」の四苦に、、「怨憎会苦（怨み憎むものと縁することは苦）」・「求不得苦（求めたものが得られない苦）」・「愛別離苦（愛するもの、大切なものと別離する苦）」 、「五蘊盛苦」を合わせたものが、八苦です。
　このなかでよくわからないのが、「五蘊盛苦」です。そもそも、五蘊とは、「色」（肉体）と「受・想・行・識」（精神）のことです。般若心経にも、「五蘊皆空」とでてきます。
　五蘊盛苦は、簡単に言えば、生きているために出てくる様々な苦しみや悩みと言ってもいいでしょうか。特に若いときには血気盛んで、世の中に対する矛盾や、怒りを感じています。若者の若いが故にエネルギーに満ちあふれているために出てくる苦しみが、まさに「五蘊盛苦」なのです。
　若者のエネルギーを良い方に持って行くか、悪い方に持って行くかが問題なのです。かつての日本の若者は安保闘争のような形で、エネルギーを爆発させていました。現代は少し違った形でエネルギーを発散させています。あるいは、クレーマーと呼ばれる人々もそうです。このように暴力や、人を傷つけることによって、自分の欲求を満たすことがあってはなりません。
　冷静に考えることのできる年齢になってみて、自分は若かったなあと思うところに生長があるのだと思います。