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moon

「歌集 まだまだです」カン・ハンナ 2020-27

「歌集 まだまだです」カン・ハンナ

謙虚で可愛く、優しく、そして野心家。
そんな面がチラチラと顔を出す、
「どやっ!」と顔を出す
素敵な歌集です。

カン・ハンナさんを初めて見たのは
NHKの「短歌DE胸キュン」
よい歌を心に灯りがともるような歌を詠む人でした。

良いなぁと思っていたら
次のシーズンではNHK短歌のレギュラーでした。
母国語でない言葉で彼女が紡ぐ短歌は
楽しい。

いやぁ、ほんとに良いのですよ。
いろんなことを飛び越えると思います。
文学は飛び越えます。
スポーツや音楽がそうであるように。
「空にいる古い木にいる川にいるニッポンの神 アンニョンハセヨ」
「「誰よりも優しく賢く産んだのに寂しくさせる子」母がまた言う」
「母の子は母が思うより母想う線路に伝いに咲く菜の花も」
「東京へまた戻る朝の病室で母と言葉を交わす 間が空く」
「わけもなく横断歩道の白線を踏みたい朝と避けたい夜更け」
「横に並び母と餃子を包みつつ何も聞かず何も聞かれず」
「匂いには匂いの想いが生きていて醬油の匂う成田空港」

 

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