「コンビニ人間」村田沙耶香
非常に読みやすかった。
喜怒哀楽のない主人公。
普通に見せたいとは
彼女自身は思ってないんだろうな。
普通風のほうが都合がいい、
家族を困らせるのは本意でないから。
ということだろう。
私は白羽は生理的に無理だけど、
白羽にさえ、、怒りという感情を持たない主人公。
二人の会話はちょっと面白いなぁと思った。
「普通」の定義はみんながそれぞれもっている。
なので、たくさんあると思う。
それぞれ、微妙に違うのだ。
なので、少しづつ違う人の端っこの人同士だと
全然違ったりする。
日本の社会の中では
月給と賞与がもらえる働き方で
保険加入する。
国保より社保のほうが負担額は少ない。
内縁関係より婚姻関係のほうが
税金も提出書類もスムーズ。
シングルマザーも婚姻歴なし、よりも
離婚歴があるほうが
優遇される。
いろいろと時代の流れで変化はしているものの
なにかと面倒な手続きが増えたり
どうしてそうなったのですか?と聞かれることなく
レールに乗っかっていけるのが
いわゆる「普通」という概念に近いのかな。
と、思います。
ただ繰り返される
「コンビニ店員」としての日常が彼女に戻ってきますように。
それが彼女にとっての普通。
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村田沙耶香 | |
文藝春秋 |