【糖質制限食:五穀断ちと糖尿病】
京都高雄病院の江部康二先生がすすめる「スーパー糖質制限食」と私の「五穀断ち」とはほぼ同じものだ。江部康二編『食品別糖質量ハンドブック』(洋泉社, 2012)の冒頭に3種の「糖質制限食」が紹介されている。
1. プチ糖質制限食=3食のうち夜だけ主食を抜く
2. スタンダード糖質制限食=3食のうち朝晩は主食を抜く
3. スーパー糖質制限食=3食とも主食を抜く。
「五穀断ち」は3に近い。ただし、私の場合は1日1食で、朝は食べず午後2時頃、主食抜きの食事をする。卵2個は必ず食う。夜は焼酎の肴に、肉・魚・卵・豆腐・カシューナッツなどを食う。
これで食後のグルコース・サージ(一過性の血糖値上昇)を押さえ込めば、HbA1cや空腹時血糖の上昇を防げるだろう、というのが「作業仮説」である。
「広辞苑」を見ると五穀とは「米・麦・粟・黍・豆」とあるが、「稗」ともある。しかし豆は穀類ではない。私の場合は「コメ、ムギ、キビ(トウモロコシ)、ソバ、コムギ」の五穀断ちだ。
五穀断ちは平安時代、僧侶が「即身成仏」する手段として利用された。「補陀落渡海」というのは、那智勝浦から五穀断ち・水断ちした即身成仏志願者が、小舟に自らを閉じこめて黒潮の反流に乗って一気に土佐沖に向けて西方浄土を目指したもので、その寺も新宮に残っている。
で、その「五穀断ち」の結果だが、血液検査の結果はこうだ:
7ヶ月の間をおいて、血糖値、HbA1cともに上限を少し上まわったところにある。
1/24:空腹時血糖(70-109mg/dL) 131
HbA1c(4.6-6.2%) 6.2
8/18:空腹時血糖 120
HbA1c 6.5
他方、インスリンとC-ペプチドの方は、
1/24:食前
インスリン(2.0-11.0) 2.8
C-ペプチド(0.74-3.74) 0.99
4/1:7食後2時間
血糖 217
HbA1c 6.3
インスリン 18.7
C-ペプチド 4.04
とあり、膵臓ラ氏島ベータ細胞からは十分にインスリンが出ていることがわかった。食後にある血糖値上昇は根菜類(サツマイモ、ジャガイモ)を食い過ぎたせいではないかと思う。「五穀断ち」しても血糖値が基準値を上まわるのは、肝機能がよくてブドウ糖(グルコース)を体内で新生しているからであろう。五穀断ちを3年も続けると、身体がもう慣れしてしまって、今ではご飯やパンを見ると嫌悪感が湧いてくる。身体とはよくできたものだ。
体重は45Kg、血圧の方は120/70、安静時脈拍60/分で安定している。
私の自験では「五穀断ち」は
1) 肥満の解消
2) 血圧の正常化
3) 糖尿病のコントロールによる、注射・服薬からの離脱
4) 食後の眠気の防止など
いろいろな利点がある。副作用は今のところない。(エンゲル係数の増加?)
酒は蒸留酒なら何をどれだけ飲んでもよい。
これは釜池=江部理論と渡邊昌さんから学んだものだ。感謝である。
その江部康二先生が、「修復腎移植」支持をブログで明言された。
「ドクター江部の糖尿病徒然日記」の9/4/2015の項にこうある。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/
<東洋経済オンラインに、【世界の潮流「修復腎移植」を阻む移植学会の闇】という、大変興味深い記事が掲載されました。
『だれが修復腎移植をつぶすのか 日本移植学会の深い闇』の著者である高橋幸治氏へのインタビュー記事です。
腎不全による人工透析患者数は全国で31万人です。そのうち、より根本的な治療となる腎移植を受けられるのは、希望者のわずか1%に過ぎません。脳死移植にせよ生体移植にせよ、移植腎のドナーが圧倒的に不足しているのです。
そういった状況の中で、四国宇和島徳州会病院泌尿器科部長の万波 誠(まんなみ まこと)医師のグループが、4センチメートル未満の小径腎がんを切除した腎臓を、希望者に移植する治療を2005年頃に開始しました。
欧米における腎臓がん患者からの腎臓移植に対する考え方は、2000年ごろ大きく変わり、遺伝子検査法や移植免疫学の進歩等によって、「ドナーからがんが持ち込まれる」という旧来の学説は崩壊し、修復腎が正常に機能することが明らかになってきました。
2011年にはWHOが、「一定条件下では修復腎移植は低リスクである」と、通達を出しています。こうした世界の潮流と逆行し、日本では移植学会が2007年に病腎移植を原則禁止としました。
その2年後、「移植への理解を求める会」や国会議員の「超党派の会」が立ち上がり、小径腎がんの修復腎移植は、宇和島徳州会における「臨床研究」という形でようやく認められました。
「修復腎移植」を阻む勢力においては、透析医療の利権問題があると考えられます。
1人当たり年間500万円の透析医療費は国庫負担で、透析医療費は、日本全体で年間1兆5000億円です。「修復腎移植」に強硬に反対する日本移植学会のトップは、製薬会社や透析病院から資金を得て大学で寄付講座を開設しています。「修復腎移植」を阻む勢力においては、透析患者さんが多いほど利権は膨らむわけで、「修復腎移植」を認めればその分は利権が減ることになるのです。
私は、世界の潮流であり、WHOも容認している「修復腎移植」に賛成の立場であり、万波誠医師とそのグループを支持します。 江部康二>(一部を抜粋)
糖尿病を薬なしでコントロールする「五穀断ち(糖質制限食)」療法は、糖尿病性腎症による腎不全患者の発生数を減らし、人工透析にいたる患者を減らすことにきわめて重要である。それでも人工透析患者をゼロにすることはできないが、修復腎移植が公認されればより多くの透析患者を救うことができる。
著名な糖尿病治療医が「修復腎移植」にまわってくれることは、百万の味方を得た心地がする。これで、
近藤俊文『日本の透析患者に夜明けを:透析ガラパゴス島からの脱出』(創風社, 2015/10)
の広告が日経に掲載されるとダメ押しになる、と期待したいものだ。
京都高雄病院の江部康二先生がすすめる「スーパー糖質制限食」と私の「五穀断ち」とはほぼ同じものだ。江部康二編『食品別糖質量ハンドブック』(洋泉社, 2012)の冒頭に3種の「糖質制限食」が紹介されている。
1. プチ糖質制限食=3食のうち夜だけ主食を抜く
2. スタンダード糖質制限食=3食のうち朝晩は主食を抜く
3. スーパー糖質制限食=3食とも主食を抜く。
「五穀断ち」は3に近い。ただし、私の場合は1日1食で、朝は食べず午後2時頃、主食抜きの食事をする。卵2個は必ず食う。夜は焼酎の肴に、肉・魚・卵・豆腐・カシューナッツなどを食う。
これで食後のグルコース・サージ(一過性の血糖値上昇)を押さえ込めば、HbA1cや空腹時血糖の上昇を防げるだろう、というのが「作業仮説」である。
「広辞苑」を見ると五穀とは「米・麦・粟・黍・豆」とあるが、「稗」ともある。しかし豆は穀類ではない。私の場合は「コメ、ムギ、キビ(トウモロコシ)、ソバ、コムギ」の五穀断ちだ。
五穀断ちは平安時代、僧侶が「即身成仏」する手段として利用された。「補陀落渡海」というのは、那智勝浦から五穀断ち・水断ちした即身成仏志願者が、小舟に自らを閉じこめて黒潮の反流に乗って一気に土佐沖に向けて西方浄土を目指したもので、その寺も新宮に残っている。
で、その「五穀断ち」の結果だが、血液検査の結果はこうだ:
7ヶ月の間をおいて、血糖値、HbA1cともに上限を少し上まわったところにある。
1/24:空腹時血糖(70-109mg/dL) 131
HbA1c(4.6-6.2%) 6.2
8/18:空腹時血糖 120
HbA1c 6.5
他方、インスリンとC-ペプチドの方は、
1/24:食前
インスリン(2.0-11.0) 2.8
C-ペプチド(0.74-3.74) 0.99
4/1:7食後2時間
血糖 217
HbA1c 6.3
インスリン 18.7
C-ペプチド 4.04
とあり、膵臓ラ氏島ベータ細胞からは十分にインスリンが出ていることがわかった。食後にある血糖値上昇は根菜類(サツマイモ、ジャガイモ)を食い過ぎたせいではないかと思う。「五穀断ち」しても血糖値が基準値を上まわるのは、肝機能がよくてブドウ糖(グルコース)を体内で新生しているからであろう。五穀断ちを3年も続けると、身体がもう慣れしてしまって、今ではご飯やパンを見ると嫌悪感が湧いてくる。身体とはよくできたものだ。
体重は45Kg、血圧の方は120/70、安静時脈拍60/分で安定している。
私の自験では「五穀断ち」は
1) 肥満の解消
2) 血圧の正常化
3) 糖尿病のコントロールによる、注射・服薬からの離脱
4) 食後の眠気の防止など
いろいろな利点がある。副作用は今のところない。(エンゲル係数の増加?)
酒は蒸留酒なら何をどれだけ飲んでもよい。
これは釜池=江部理論と渡邊昌さんから学んだものだ。感謝である。
その江部康二先生が、「修復腎移植」支持をブログで明言された。
「ドクター江部の糖尿病徒然日記」の9/4/2015の項にこうある。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/
<東洋経済オンラインに、【世界の潮流「修復腎移植」を阻む移植学会の闇】という、大変興味深い記事が掲載されました。
『だれが修復腎移植をつぶすのか 日本移植学会の深い闇』の著者である高橋幸治氏へのインタビュー記事です。
腎不全による人工透析患者数は全国で31万人です。そのうち、より根本的な治療となる腎移植を受けられるのは、希望者のわずか1%に過ぎません。脳死移植にせよ生体移植にせよ、移植腎のドナーが圧倒的に不足しているのです。
そういった状況の中で、四国宇和島徳州会病院泌尿器科部長の万波 誠(まんなみ まこと)医師のグループが、4センチメートル未満の小径腎がんを切除した腎臓を、希望者に移植する治療を2005年頃に開始しました。
欧米における腎臓がん患者からの腎臓移植に対する考え方は、2000年ごろ大きく変わり、遺伝子検査法や移植免疫学の進歩等によって、「ドナーからがんが持ち込まれる」という旧来の学説は崩壊し、修復腎が正常に機能することが明らかになってきました。
2011年にはWHOが、「一定条件下では修復腎移植は低リスクである」と、通達を出しています。こうした世界の潮流と逆行し、日本では移植学会が2007年に病腎移植を原則禁止としました。
その2年後、「移植への理解を求める会」や国会議員の「超党派の会」が立ち上がり、小径腎がんの修復腎移植は、宇和島徳州会における「臨床研究」という形でようやく認められました。
「修復腎移植」を阻む勢力においては、透析医療の利権問題があると考えられます。
1人当たり年間500万円の透析医療費は国庫負担で、透析医療費は、日本全体で年間1兆5000億円です。「修復腎移植」に強硬に反対する日本移植学会のトップは、製薬会社や透析病院から資金を得て大学で寄付講座を開設しています。「修復腎移植」を阻む勢力においては、透析患者さんが多いほど利権は膨らむわけで、「修復腎移植」を認めればその分は利権が減ることになるのです。
私は、世界の潮流であり、WHOも容認している「修復腎移植」に賛成の立場であり、万波誠医師とそのグループを支持します。 江部康二>(一部を抜粋)
糖尿病を薬なしでコントロールする「五穀断ち(糖質制限食)」療法は、糖尿病性腎症による腎不全患者の発生数を減らし、人工透析にいたる患者を減らすことにきわめて重要である。それでも人工透析患者をゼロにすることはできないが、修復腎移植が公認されればより多くの透析患者を救うことができる。
著名な糖尿病治療医が「修復腎移植」にまわってくれることは、百万の味方を得た心地がする。これで、
近藤俊文『日本の透析患者に夜明けを:透析ガラパゴス島からの脱出』(創風社, 2015/10)
の広告が日経に掲載されるとダメ押しになる、と期待したいものだ。
これからは「難波」は「なんなみ」と読むことにします