【書評など】
エフロブの「買いたい新書」書評NO.283に、加藤典洋「敗戦後論」(ちくま学芸文庫)を取りあげました。
7 0年前の8月15日,NHKラジオで昭和天皇が国民への「詔勅」を朗読することにより太平洋戦争が終わった。この詔勅は「終戦の詔勅」と呼ばれ,教科書にも年表にもそう書かれてきた。 評者は「戦争に負けたのになぜ<敗戦>といわないのか?」という疑問を長年抱いてきた。本書はこの欺瞞を指摘した最初の本だ。
著者は1948年生まれの文芸評論家で,戦争の記憶がない「団塊の世代」に属する。1997年に講談社から刊行された本書は,「戦後民主主義」を否定するものとして激しい論争の的となった。しかし「敗戦」を「終戦」と呼んだ自己欺瞞が,日本国憲法の護持派や改憲派をはじめ、戦後日本の「ねじれ」と無責任体制の原因だという指摘は正しく,「ねじれ」の根本原因への無自覚が,「第三の敗戦」につながることを予言している。それが福島第1原発の大事故だった・
1984年,連合軍のノルマンディー上陸日(Dデー)の四十周年記念式典に,時の西ドイツ首相H.コールが招待されなかった。「ヒトラーの第三帝国が存続していたら,今日我々が享受している自由・民主主義・繁栄はありえなかった。それはDデー以後,連合軍の攻撃により第三帝国の全面的崩壊が外から押し付けられることで可能になった。」(「ツァイト」紙論評)
戦後の価値観を肯定するドイツは,戦前のドイツを全崩壊させた作戦の四十周年を祝賀する。これを著者は「ねじれ構造」と呼ぶ。戦後のドイツは,この「ねじれ」をねじれとして意識することで,戦勝国や被侵略国,ホロコースト犠牲者との和解が成立し,国際社会に受け容れられEUの中心国家となった。それに対して日本では「敗戦」を「終戦」と呼ぶ欺瞞が続いた。
以下はこちらに、
http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1439947091
2. 「NPO・移植への理解を求める会」(向田陽二会長)から、「設立九周年」記念の写真(8X9=72枚)を1面に収めた額をいただいた。お礼申しあげます。関連書の写真や集合写真もあり、修復腎移植が受けられずに亡くなった方の顔も見え、胸が痛む。
壁に林秀信元弁護士の「修復腎移植10周年記念」バスタオルが飾ってある。その隣に掛けておいた。
3)林秀信さんは、奥様ともども北海道に小旅行をされたそうで、厚岸から大粒の殻つきのカキがクルー宅急便で沢山届いた。お礼申しあげます。真夏のカキなど久しぶりでした。
エフロブの「買いたい新書」書評NO.283に、加藤典洋「敗戦後論」(ちくま学芸文庫)を取りあげました。
7 0年前の8月15日,NHKラジオで昭和天皇が国民への「詔勅」を朗読することにより太平洋戦争が終わった。この詔勅は「終戦の詔勅」と呼ばれ,教科書にも年表にもそう書かれてきた。 評者は「戦争に負けたのになぜ<敗戦>といわないのか?」という疑問を長年抱いてきた。本書はこの欺瞞を指摘した最初の本だ。
著者は1948年生まれの文芸評論家で,戦争の記憶がない「団塊の世代」に属する。1997年に講談社から刊行された本書は,「戦後民主主義」を否定するものとして激しい論争の的となった。しかし「敗戦」を「終戦」と呼んだ自己欺瞞が,日本国憲法の護持派や改憲派をはじめ、戦後日本の「ねじれ」と無責任体制の原因だという指摘は正しく,「ねじれ」の根本原因への無自覚が,「第三の敗戦」につながることを予言している。それが福島第1原発の大事故だった・
1984年,連合軍のノルマンディー上陸日(Dデー)の四十周年記念式典に,時の西ドイツ首相H.コールが招待されなかった。「ヒトラーの第三帝国が存続していたら,今日我々が享受している自由・民主主義・繁栄はありえなかった。それはDデー以後,連合軍の攻撃により第三帝国の全面的崩壊が外から押し付けられることで可能になった。」(「ツァイト」紙論評)
戦後の価値観を肯定するドイツは,戦前のドイツを全崩壊させた作戦の四十周年を祝賀する。これを著者は「ねじれ構造」と呼ぶ。戦後のドイツは,この「ねじれ」をねじれとして意識することで,戦勝国や被侵略国,ホロコースト犠牲者との和解が成立し,国際社会に受け容れられEUの中心国家となった。それに対して日本では「敗戦」を「終戦」と呼ぶ欺瞞が続いた。
以下はこちらに、
http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1439947091
2. 「NPO・移植への理解を求める会」(向田陽二会長)から、「設立九周年」記念の写真(8X9=72枚)を1面に収めた額をいただいた。お礼申しあげます。関連書の写真や集合写真もあり、修復腎移植が受けられずに亡くなった方の顔も見え、胸が痛む。
壁に林秀信元弁護士の「修復腎移植10周年記念」バスタオルが飾ってある。その隣に掛けておいた。
3)林秀信さんは、奥様ともども北海道に小旅行をされたそうで、厚岸から大粒の殻つきのカキがクルー宅急便で沢山届いた。お礼申しあげます。真夏のカキなど久しぶりでした。
日本が「敗戦」と言うのだったら、これからも戦う意志があるという事だ。
「終戦」と言うのは、もう戦いたくないから、これで戦争は終わりにしたいという意味が込められているんだ。
何でもかんでも自虐に捉えてはいけない。