ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【オーバーブッキング】難波先生より

2017-04-18 11:36:41 | 難波紘二先生
【オーバーブッキング】「ブッキング」とは劇場や乗り物の席を予約することをいう。
 4/13「産経抄」がハムレットの台詞を引用して「2B or Not 2B」(”To be or not to be. That is the question”と続く。)と洒落のめしていた。
 UAのシカゴ発ケンタッキー州ルイビル行き便のオーバーブッキング問題だ。これは航空会社の対応が悪い。

 航空会社名は忘れたが、家内と一緒にハワイ・オアフ島での国際会議に出た後、娘がいるシアトルに飛ぼうとしてオーバーブッキングが判明したことがある。旅行会社を通じて手配してあったのでこちらに落ち度はない。結局、搭乗員が気をきかせて、我々を無人のビジネスクラス(2階)にあげてくれた。
 お蔭で、スチュワーデスと仲良くなり、機長の許可をえてコックピット内に入り、写真撮影までできた。旧き良き時代のことだ。
 
 アフリカではオーバーブッキングはしょっちゅうある。そこは慣れたもので、乗客か搭乗員が適当に解決している。乗客をつまみ出すなどというアメリカみたいに野蛮なことはしない。
 エチオピア航空に乗り、ケニアからガーナまで飛んだ時には、折れた右主翼が金属板でつないであるのには肝を冷やした。

 その前に、テキサスのダラス空港から乗ったパンナムの成田行き直行便が、成田空港に接近し着陸のため高度を下げ雲塊の下に出たとたん、落雷にあって左主翼の先端が吹っ飛んだことがある。乗客はパニックになったが、さすがスチュワーデス。まったくうろたえなった。
 NCI(米国立がんセンター)から依嘱された仕事をしていた頃で、飛行機の利用は「アメリカ機」が指定されていた。次にイタリア・ミラノ国立がん研究所に行く時も、利用できる航空機は西回りのパンナム2便しかなかった。
 成田から乗ったら、あの時の日本人スチュワーデスにぱったり機内で会った。彼女が、開口一番、「お客さん、よくも懲りないでこの飛行機に乗りますね」
と言ったもので、思わず噴き出した。
 パンナム1便・2便は、それぞれ東回り・西回りの世界一周便で、「各駅停車」だったので、今の中国人の「爆買い」のように、マニラやシンガポールあたりから荷物をいっぱい持ち込んで里帰りする乗客が目立った。その様子やそれぞれのお国言葉を聞くのが愉しかった。

 確かUAは落ち目になり、国際線から撤退したように思う。だが今も、質的劣化は東芝みたいに進んでいるようだ。CEOの謝罪では済まないだろう。

〔付記〕4/15「東洋経済オンライン」が事件の続報を載せている。
 それによると、暴力的に引きずり出された男性は「最後の一人、ケンタッキー州在住で医師のデイビッド・ダオ氏は、<翌日にケンタッキーの病院で患者を診なければならない>として降機を拒んだ。その後、シカゴ航空局の保安係官が呼ばれ、ダオ氏は席から強制的に離され、通路を引きずられ、飛行機から出されることとなった。その際に座席の肘掛けに顔を強打したダオ氏は鼻を骨折し、前歯を折った」という。

 信じられない。シカゴからケンタッキーの首都ルイビルまで、飛行機でも2時間はかかるだろう。時差も1時間はある。機中で急病人が出るかも知れないので、乗客中の医師は大切に扱われるのが普通だ。アメリカ医師会が抗議してUAをボイコットしたら、会社は潰れるだろう。


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