ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【東電OL殺人事件/DNA鑑定】 難波先生より

2012-10-11 22:44:42 | 難波紘二先生
2011年の7月の発信です。

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殺害前「空白の1時間」 東電社員接触、4人目存在か 
関連トピックス東京電力
 東京電力の女性社員殺害事件の再審請求審は、DNA型鑑定によって「4人目の男性」の存在が浮上した。この男性と被害女性(当時39)の事件当日の行動との関係が、強盗殺人で無期懲役が確定したゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者(44)=ネパール国籍=の裁判をやり直すかどうかの焦点になる。

 被害女性は1997年3月8日の事件当夜、少なくとも3人の男性と一緒にいたとされる。

 確定した二審・東京高裁の判決によると、女性は同日午後7時ごろ、JR渋谷駅で旧知の日本人男性と待ち合わせて時間をともにした後、午後10時16分ごろに別れた。(朝日)

関連リンク精液微量でDNA鑑定できず 東電OL殺害、捜査当時(7/22)

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 これが今朝23日の「朝日」記事。警視庁の言い分をそのまま書いているだけ。すでに指摘したように、この事件ではゴビンダの冤罪を確信する佐野眞一が2冊の本を書いて事件の全貌を明らかにしている。彼が注いだ労力は驚嘆すべきものだ。
1)「東電OL殺人事件」(新潮文庫, 2000):帯に「エリートOLは、なぜ娼婦として殺されたのか…」とある。
2)「東電OL症候群(シンドローム)」(新潮文庫, 2001):帯に「私にも『墜ちてみたい』という衝動があります」(28歳・女性)とある。


 渋谷道玄坂円山町の古アパート「喜寿荘」の空き室で、東京電力管理職渡邊泰子(39)の死体が発見されたのは、1997年3月19日である。円山町は南平台と松濤という高級住宅街に挟まれた歓楽街である。
 死因は絞殺である。絞殺された日は3月8日夜で、円山町のラブホテル「クリスタル」で、その夜3人目の客に当たる、なじみの年配の客と性行為を行い料金4万円を受け取り、別れた後だった。別れた時刻が午後10時16分で、いつも杉並の永福にある自宅に戻る最終電車が渋谷神泉駅を出る0時34分までにまだ時間があった。
 泰子が4人目の客を求めて街を流す姿が目撃されている。


 殺害現場と目される遺体発見現場は、喜寿荘の101号室で、1年以上空き室になっており、クモの巣が張り、埃が溜まっていた。電気・水道も止められていた。ドアは閉まっており、通路側の腰高窓が開いていた。室内には陰毛10数本と水洗トイレの中に、泰子がホテル「クリスタル」から持ち出した常備のコンドームが捨ててあり中に精液が貯留していた。


 犯人として逮捕されたネパール人ゴビンダは、隣のビルの4階に仲間4人と住んでいた。千葉幕張のカレー店に勤務しており、店の閉店後最短ルートで帰宅しても、犯行時刻に戻るのは不可能であった。つまりアリバイがあった。


 朝日はなぜ「被害女性は1997年3月8日の事件当夜、少なくとも3人の男性と一緒にいたとされる。」と書き、泰子はこの夜、流しの4人目の客を取り、アパートの空き室に連れ込まれて強姦されて殺された、と書かないのか? 強姦であることは、司法解剖時に膣内から精液が検出されていることから明らかではないか。
その後絞殺され、なじみ客からもらった4万円と定期券を奪われたのである。定期券は巣鴨で発見されている。


 「精液微量でDNA鑑定できず」も、警視庁の弁明をそのまま書いただけではないか。
 微量DNAを増幅する「ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)」法は、1987年に米国のマリスにより発明され、DNA研究に革命的影響を与えた。その功績はすぐに評価され1992年にはノーベル化学賞を授与されている。1997年に起こった事件で「DNAが足りないから鑑定ができない」などという口実が通用するはずがないのである。


 泰子は独身で妊娠を恐れていたから、客との商売には必ずコンドームを使った。異常に吝嗇で、ビールのアルミ缶を集めて、コンビニで換金していたくらいだから、ホテル代を惜しんでアパートの空き室に客をくわえ込むこともあった。発見されたコンドームの精液は事件の20日以上前のものである。殺した客は強姦殺人をしたのだから、コンドームなど使用しなかった。だから司法解剖で膣から精液が検出されたのである。


 ゴビンダは出入国管理法にこそ違反していたが、郷里に家族があり、マイホームを建てるために毎月送金していた。家賃の分担金(5人で借りていた)もきちんと払っていた。勤務態度もまじめだった。それにタイムカードによる退店時刻からみて、犯行時刻に現場にいることは不可能だった。
 にもかかわらず、警察と検察は予断と偏見に基づいて、ゴビンダを犯人として逮捕・起訴した。一審は証拠不十分で無罪だったが、二審と三審は有罪と判決した。
 以来、この無実の青年は20年近く牢獄に閉じ込められてきた。


 事件は、最近の検察崩壊と合わせて、日本の警察、裁判が制度疲労をおこし、冤罪の粗製濫造がやり放題になっていることを示すものである。今朝も、警視庁の医療専門の刑事が、捜査中の医療機関に部下を再就職させ、あまつさえ捜査資料のコピーを横流ししていたことが報じられている。
 こんな警察に、「任意事情聴取」されたら、すぐに「犯罪被疑者」扱いするマスコミ(マスゴミ)のバランス感覚を疑う。恐らく三半規管に異常がある。一度精密検査を受けたらどうだ。どうやるかって? 普通の会社と同じように、「メディアコンサルタント会社」の診断を受けるのである。日本にはないかもしれないが、米国にはきっとある。不適切な記者をどんどんリストラするべきだ。「押し紙」などというあくどいまねはやめてもらいたい。
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