Ⅳ 修復腎移植の現状と権利侵害
第1 「厚労省ガイドラインの改正」による制約
1 「厚労省ガイドライン改正」による修復腎移植禁止の構造
原告ら準備書面(24)において詳論したとおり、「厚労省ガイドライン改正」(正確には、平成19年7月12日付ガイドライン改正と、それに伴う同日付厚生労働省健康局長通知、平成20年3月5日付厚生労働大臣告示「診療報酬の算定方法を定める件」・同「特掲診療料の施設基準等」、同日付厚生労働省保険局医療課長通達「診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項について」・同「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の総体)により、
ア 臓器移植法の「解釈」として、修復腎移植を一般の医療行為として行うことが禁止され、
イ 修復腎移植手術については健康保険等の療養の給付をしないものとされ、
ウ 修復腎移植を行っている医療機関については、通常の生体腎移植についても健康保険等の療養の給付をしないものとされた。
この一連の措置により、日本全国の医師・医療機関は、修復腎移植を医療行為として行うこと、及びこれについて健康保険の診療報酬の請求をすることを禁じられた。このためガイドライン「改正」以後わが国においては、腎不全患者が修復腎移植を受けること、及びこれについて健康保険の療養の給付を受けることが不可能となっている。
2 修復腎移植を受ける機会の剥奪
腎不全患者は、ガイドライン「改正」とそれに伴う上記の一連の措置により、現実の法的効果として、修復腎移植を受ける機会を奪われている。
臨床研究を実施できる医療機関は極度に限定されるうえ、実施できる場合にも件数が著しく制限される。従って、「臨床研究」として施行されうる修復腎移植の年間件数は微々たるものであり、臨床研究がおこなわれているだけでは腎不全患者にとって「治療を受ける機会が与えられている」とは言えない。
「ガイドライン改正」により、修復腎移植は健康保険の適用を受けられなくなっている。健康保険の適用がない腎移植医療はきわめて高価なので、腎不全患者にとって実質的に「治療を受ける機会が与えられている」とは言えない。
臨床研究によらないで修復腎移植を行おうとする医療機関は、通常の生体腎移植についても健康保険の適用を受けられなくなる。医療機関が通常の生体腎移植を行わず修復腎移植のみを行うことは現実的にありえないので、この運用下では現実問題としてどのような医療機関も、臨床研究によらずに修復腎移植を行わない。この点からも患者にとっては、臨床研究によらないで修復腎移植を受けることが不可能となっている。
従って腎不全患者は「ガイドライン改正」により、修復腎移植を受けることを実質的にも法的にも制限されている状態にある。
第1 「厚労省ガイドラインの改正」による制約
1 「厚労省ガイドライン改正」による修復腎移植禁止の構造
原告ら準備書面(24)において詳論したとおり、「厚労省ガイドライン改正」(正確には、平成19年7月12日付ガイドライン改正と、それに伴う同日付厚生労働省健康局長通知、平成20年3月5日付厚生労働大臣告示「診療報酬の算定方法を定める件」・同「特掲診療料の施設基準等」、同日付厚生労働省保険局医療課長通達「診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項について」・同「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の総体)により、
ア 臓器移植法の「解釈」として、修復腎移植を一般の医療行為として行うことが禁止され、
イ 修復腎移植手術については健康保険等の療養の給付をしないものとされ、
ウ 修復腎移植を行っている医療機関については、通常の生体腎移植についても健康保険等の療養の給付をしないものとされた。
この一連の措置により、日本全国の医師・医療機関は、修復腎移植を医療行為として行うこと、及びこれについて健康保険の診療報酬の請求をすることを禁じられた。このためガイドライン「改正」以後わが国においては、腎不全患者が修復腎移植を受けること、及びこれについて健康保険の療養の給付を受けることが不可能となっている。
2 修復腎移植を受ける機会の剥奪
腎不全患者は、ガイドライン「改正」とそれに伴う上記の一連の措置により、現実の法的効果として、修復腎移植を受ける機会を奪われている。
臨床研究を実施できる医療機関は極度に限定されるうえ、実施できる場合にも件数が著しく制限される。従って、「臨床研究」として施行されうる修復腎移植の年間件数は微々たるものであり、臨床研究がおこなわれているだけでは腎不全患者にとって「治療を受ける機会が与えられている」とは言えない。
「ガイドライン改正」により、修復腎移植は健康保険の適用を受けられなくなっている。健康保険の適用がない腎移植医療はきわめて高価なので、腎不全患者にとって実質的に「治療を受ける機会が与えられている」とは言えない。
臨床研究によらないで修復腎移植を行おうとする医療機関は、通常の生体腎移植についても健康保険の適用を受けられなくなる。医療機関が通常の生体腎移植を行わず修復腎移植のみを行うことは現実的にありえないので、この運用下では現実問題としてどのような医療機関も、臨床研究によらずに修復腎移植を行わない。この点からも患者にとっては、臨床研究によらないで修復腎移植を受けることが不可能となっている。
従って腎不全患者は「ガイドライン改正」により、修復腎移植を受けることを実質的にも法的にも制限されている状態にある。
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