【雑記】1) 中国:TVのニュースで「天安門付近にSRVが突っ込んで爆発炎上」というのをやっていた。地図が出るでもないし、どうも位置がよくわからない。
1987年9月にある学会で北京に行った時、天安門前の広場が広いのにぶったまげた。北京駅で乗ったタクシーは南端の門から入り、広場の東側を北に進み「人民英雄像」か何かの前で降ろしてくれた。天安門は広場の北端にあり、その向こうが故宮である。
西側には人民大会堂がある。広場にはひとっこひとりいなかったので、周囲を勝手に散策できた。
「こんなに広い広場で大集会を開いた時、トイレはどうするのだろう?」と思って、周囲の歩道を探したら隠しトイレがあちこちにあった。蓋をはねのけて、小屋を被せればできあがりだ。但し手は洗えない。
しかし今回の映像を見ると、記憶にあるオープンで誰でも入れる広場というイメージとずいぶん違う。あの頃は歩いて天安門をくぐり、故宮に入れた。
訪中後、1年半して1989年6月に「天安門事件」が起きた。翌年英語で「北京の春(Beijing Spring)」という写真集が出た。記憶をチェックするために開いて見たら、やはり記憶どおりだった。(添付1)
あの時は天安門前からも南の門からも、脇の歩道からも広場に自由に入れた。
天安門には、この写真では真ん中に毛沢東の顔写真、左に「中華人民共和国万歳」、右に「人民大団結万歳」と書いた横看板が掲げてある。
学生たちが広げている横幕には、「民主万歳」、「北京財務学院」などと書かれている。右上の学生たちはみな背を向けているから、夕暮れになり、三々五々、帰宅しているのであろう。たぶん真昼には、20万人から50万人の若者が集まっていたと思われる。この広場はそれほど広い。
しかしGOOGLE-Earthで確認すると、広場の状況がかなり当時と変わっている。(添付2)
広場への出入り口が少なくなっているし、「毛沢東記念館」というのが南側に建っている。「北京の春」写真集を見ると、バスやトラックで広場の中に乗り付けているし、人民公会堂の前でテント暮らしをしている。
あの事件で肝を冷やした共産党指導部は、天安門広場を立ち入り禁止にしたのであろう。
天安門の前にある堀川にかかる石橋も、たぶん鉄柵で閉鎖されていたと思われる。だから爆薬を積んだSRVは広い歩道を西から東に向けて走行し、毛沢東の肖像の真下で石の欄干にぶつかり爆発炎上したのであろう。
「アルゼンチンで蝶が羽ばたいたら、北京で大地震が起きる」という。「複雑系」の世界ではよく知られたジョークだ。しかし、「北京の春」がそうだったように、(あれは4月に死んだ胡耀邦総書記を追悼する学生デモから、天安門前の広場占拠に発展し、ソ連のゴルバチョフ大統領の訪中とからんで、人民解放軍が武力鎮圧した)、今の中国の社会的緊張のたかまりからすると、偶発的な出来事からいつ大事件が起こるかわからない。
(その後の報道によると、自爆したのは「新疆ウィグル自治区」の若者ではないか報じられている。メディは不勉強で、1989年の「天安門事件」のリーダーの1人がウィグル人の学生だったことを報じない。その名をウルケシと言った。
新疆ウィグルはかつて「西域」と呼ばれ、「さ迷える湖」ロブ・ノール、楼蘭、敦煌があった天山南路あたりで、住民の多くはウィグル語を話すウィグル人だが、石油・天然ガスが豊富で中国の資源戦略拠点にあたるため、韓族の進出が高まり、疎外された住民の不満が鬱積している。
これに加えて、宗教はイスラム教が支配的である。
「複雑系」の不安定要素であることは間違いない。)
2) 韓国: 韓国外務省が「独島は韓国のもの」という12分の動画を制作し、YOUTUBEにアップしたら、NHKの人が見て「坂上の雲」の映像が無断使用されているのを発見、韓国外務省に抗議したそうだ。さすがの「朝鮮日報」も、「外交部、赤っ恥」と報じている。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/28/2013102800305.html?ent_rank_news
「著作権」というものを公然と侵害しているのだから、他国の「領有権」を踏みにじって「竹島は自国領」などというのも日常茶飯事なのでしょうな。
なにNHKは私企業じゃなく、われわれがお金を払っているのだから、「提供NHK」というクレジットを入れてくれれば、目くじらは立てませんけどね。
確か「坂の上の雲」原作では、バルチック艦隊の北上ルートを突きとめるため、対馬、鬱陵島、沖の島に見張りを置く話が書いてあった。ひょっとすると司馬遼太郎は、竹島についても何か書いているかも知れない。(文春文庫版8冊を調べたが、竹島は記載がなかった。)
3) 汚染水問題:ここに来て「福島汚染水」問題の深刻さがやっと真面目に取り上げられる雰囲気になってきた。
ニューズウィーク日本語版が評論家池田信夫の論評を載せている。
http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2013/10/post-749.php
「完全にコントロールされている」と国際社会に宣言した安倍首相は大嘘つきだ。敷地内を流れる排水口の出口は、直接外洋に開いているではないか。この間の雨水はすべてここから海に流出した。
国民は首相が嘘つきだと知っているから、埼玉と神戸の市長選では自民党候補に票が集まらなかったではないか。
オリンピックのために3000億円かけて、化け物みたいな新国立競技場を建設する金があったら、原発処理に投入すべきだ。
原発の廃炉処理を進めるには、まず何よりも作業を妨げている汚染水問題を解決しなくてはならない。放射能の恐怖と劣悪な作業環境、低賃金のため、作業員逃亡、東電社員の辞職が相次いでいる。巨大な「敵」に対して、「兵力の逐次投入」をしていたのでは、ガダルカナル戦と同様に負け戦は眼に見えている。
人材や資源、エネルギー(資金)の逐次投入を止め、日本の国力財力をあげて汚染水問題の解決に投入すべきだ。トルコに原発売りこみに行っている場合か。
そのためには東電を破綻処理し、会社更生法に基づき、発電部門と福島処理部門を分社化することが必要だ。株主、社債保持者、融資金融機関はリスクを取るのが当然だ。それが資本主義であり、マーケットというものだ。儲けだけあり、損失が生じない投資などあるものか。
国力には限度がある。政府の負債は1200兆円に達している。国債は返済不能だから、消費税を上げてインフレを起こし、通貨価値を下げて「額面償還」により、国債を紙切れにしようというのが、安倍のねらいだが、経済学は「生きた経済」をコントロールできるほど完成された学問ではない。
限りある財力・人力を分散使用するのではなく、福島汚染水問題に当面、集中投入し、汚染水問題を根本的に解決し、ついで溶融した3つの原子炉を「石棺(ザルコファーグス:Sarophagus)」で完全に覆い、残りの原発及び関連施設を解体する作業を進めるべきだろう。少なくとも50年以上かかる作業であり、汚染土、放射性がれき、撤去する使用済み核燃料の地下貯蔵などの問題ともからめて、福島県浜通り地方の北部に、放射能遮断性の長城で囲まれた「モニュメント・エリア」をつくる必要がある。
それを「人間のおろかさ」の象徴として、原爆ドームと同様に世界遺産登録したらよい。
「地下コンクリート注入」工法による「石棺」方式の提唱者江口工氏からの手紙を見せていただいた。84歳だが「救国の精神」で頑張りたいと書いておられる。私に会いたいと言っておられるが、私自身もエネルギーの分散はさけたい。
原発問題については、直接行動は避けて、「修復腎移植」問題の解決に「行動エネルギー」を割きたい。原発問題に関心は大いにあるが、二兎を追う者は一兎をも得ずという。やむをえず、原発問題は発言だけにとどめておきたい。
1987年9月にある学会で北京に行った時、天安門前の広場が広いのにぶったまげた。北京駅で乗ったタクシーは南端の門から入り、広場の東側を北に進み「人民英雄像」か何かの前で降ろしてくれた。天安門は広場の北端にあり、その向こうが故宮である。
西側には人民大会堂がある。広場にはひとっこひとりいなかったので、周囲を勝手に散策できた。
「こんなに広い広場で大集会を開いた時、トイレはどうするのだろう?」と思って、周囲の歩道を探したら隠しトイレがあちこちにあった。蓋をはねのけて、小屋を被せればできあがりだ。但し手は洗えない。
しかし今回の映像を見ると、記憶にあるオープンで誰でも入れる広場というイメージとずいぶん違う。あの頃は歩いて天安門をくぐり、故宮に入れた。
訪中後、1年半して1989年6月に「天安門事件」が起きた。翌年英語で「北京の春(Beijing Spring)」という写真集が出た。記憶をチェックするために開いて見たら、やはり記憶どおりだった。(添付1)
あの時は天安門前からも南の門からも、脇の歩道からも広場に自由に入れた。
天安門には、この写真では真ん中に毛沢東の顔写真、左に「中華人民共和国万歳」、右に「人民大団結万歳」と書いた横看板が掲げてある。
学生たちが広げている横幕には、「民主万歳」、「北京財務学院」などと書かれている。右上の学生たちはみな背を向けているから、夕暮れになり、三々五々、帰宅しているのであろう。たぶん真昼には、20万人から50万人の若者が集まっていたと思われる。この広場はそれほど広い。
しかしGOOGLE-Earthで確認すると、広場の状況がかなり当時と変わっている。(添付2)
広場への出入り口が少なくなっているし、「毛沢東記念館」というのが南側に建っている。「北京の春」写真集を見ると、バスやトラックで広場の中に乗り付けているし、人民公会堂の前でテント暮らしをしている。
あの事件で肝を冷やした共産党指導部は、天安門広場を立ち入り禁止にしたのであろう。
天安門の前にある堀川にかかる石橋も、たぶん鉄柵で閉鎖されていたと思われる。だから爆薬を積んだSRVは広い歩道を西から東に向けて走行し、毛沢東の肖像の真下で石の欄干にぶつかり爆発炎上したのであろう。
「アルゼンチンで蝶が羽ばたいたら、北京で大地震が起きる」という。「複雑系」の世界ではよく知られたジョークだ。しかし、「北京の春」がそうだったように、(あれは4月に死んだ胡耀邦総書記を追悼する学生デモから、天安門前の広場占拠に発展し、ソ連のゴルバチョフ大統領の訪中とからんで、人民解放軍が武力鎮圧した)、今の中国の社会的緊張のたかまりからすると、偶発的な出来事からいつ大事件が起こるかわからない。
(その後の報道によると、自爆したのは「新疆ウィグル自治区」の若者ではないか報じられている。メディは不勉強で、1989年の「天安門事件」のリーダーの1人がウィグル人の学生だったことを報じない。その名をウルケシと言った。
新疆ウィグルはかつて「西域」と呼ばれ、「さ迷える湖」ロブ・ノール、楼蘭、敦煌があった天山南路あたりで、住民の多くはウィグル語を話すウィグル人だが、石油・天然ガスが豊富で中国の資源戦略拠点にあたるため、韓族の進出が高まり、疎外された住民の不満が鬱積している。
これに加えて、宗教はイスラム教が支配的である。
「複雑系」の不安定要素であることは間違いない。)
2) 韓国: 韓国外務省が「独島は韓国のもの」という12分の動画を制作し、YOUTUBEにアップしたら、NHKの人が見て「坂上の雲」の映像が無断使用されているのを発見、韓国外務省に抗議したそうだ。さすがの「朝鮮日報」も、「外交部、赤っ恥」と報じている。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/28/2013102800305.html?ent_rank_news
「著作権」というものを公然と侵害しているのだから、他国の「領有権」を踏みにじって「竹島は自国領」などというのも日常茶飯事なのでしょうな。
なにNHKは私企業じゃなく、われわれがお金を払っているのだから、「提供NHK」というクレジットを入れてくれれば、目くじらは立てませんけどね。
確か「坂の上の雲」原作では、バルチック艦隊の北上ルートを突きとめるため、対馬、鬱陵島、沖の島に見張りを置く話が書いてあった。ひょっとすると司馬遼太郎は、竹島についても何か書いているかも知れない。(文春文庫版8冊を調べたが、竹島は記載がなかった。)
3) 汚染水問題:ここに来て「福島汚染水」問題の深刻さがやっと真面目に取り上げられる雰囲気になってきた。
ニューズウィーク日本語版が評論家池田信夫の論評を載せている。
http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2013/10/post-749.php
「完全にコントロールされている」と国際社会に宣言した安倍首相は大嘘つきだ。敷地内を流れる排水口の出口は、直接外洋に開いているではないか。この間の雨水はすべてここから海に流出した。
国民は首相が嘘つきだと知っているから、埼玉と神戸の市長選では自民党候補に票が集まらなかったではないか。
オリンピックのために3000億円かけて、化け物みたいな新国立競技場を建設する金があったら、原発処理に投入すべきだ。
原発の廃炉処理を進めるには、まず何よりも作業を妨げている汚染水問題を解決しなくてはならない。放射能の恐怖と劣悪な作業環境、低賃金のため、作業員逃亡、東電社員の辞職が相次いでいる。巨大な「敵」に対して、「兵力の逐次投入」をしていたのでは、ガダルカナル戦と同様に負け戦は眼に見えている。
人材や資源、エネルギー(資金)の逐次投入を止め、日本の国力財力をあげて汚染水問題の解決に投入すべきだ。トルコに原発売りこみに行っている場合か。
そのためには東電を破綻処理し、会社更生法に基づき、発電部門と福島処理部門を分社化することが必要だ。株主、社債保持者、融資金融機関はリスクを取るのが当然だ。それが資本主義であり、マーケットというものだ。儲けだけあり、損失が生じない投資などあるものか。
国力には限度がある。政府の負債は1200兆円に達している。国債は返済不能だから、消費税を上げてインフレを起こし、通貨価値を下げて「額面償還」により、国債を紙切れにしようというのが、安倍のねらいだが、経済学は「生きた経済」をコントロールできるほど完成された学問ではない。
限りある財力・人力を分散使用するのではなく、福島汚染水問題に当面、集中投入し、汚染水問題を根本的に解決し、ついで溶融した3つの原子炉を「石棺(ザルコファーグス:Sarophagus)」で完全に覆い、残りの原発及び関連施設を解体する作業を進めるべきだろう。少なくとも50年以上かかる作業であり、汚染土、放射性がれき、撤去する使用済み核燃料の地下貯蔵などの問題ともからめて、福島県浜通り地方の北部に、放射能遮断性の長城で囲まれた「モニュメント・エリア」をつくる必要がある。
それを「人間のおろかさ」の象徴として、原爆ドームと同様に世界遺産登録したらよい。
「地下コンクリート注入」工法による「石棺」方式の提唱者江口工氏からの手紙を見せていただいた。84歳だが「救国の精神」で頑張りたいと書いておられる。私に会いたいと言っておられるが、私自身もエネルギーの分散はさけたい。
原発問題については、直接行動は避けて、「修復腎移植」問題の解決に「行動エネルギー」を割きたい。原発問題に関心は大いにあるが、二兎を追う者は一兎をも得ずという。やむをえず、原発問題は発言だけにとどめておきたい。
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