【中国の民度】昨年12月15日(土)に義兄の法事があり、妻と共に久しぶりに尾道市に行って来た。山陽線西高屋駅からJRに乗車し、糸崎で岡山行きに乗り換え、尾道駅で降りた。駅前からタクシーに乗車、500メートル先の桟橋で小型フェリーにタクシーごと乗船し、尾道水道を渡り、対岸の向島に着いた。
尾道水道の幅は200メートル位か。零細なフェリー会社で、普通車1台の渡船料が330円。もっとも3台しか積めないが…。
向島、因島は中世の「村上水軍」で有名である。水軍とは「海軍」を思わすが、実態は海賊である。平氏の海上制覇は、村上水軍の協力のお蔭だし、逆に信長の天下制覇に貢献したのは、紀州熊野の九鬼水軍が村上水軍との戦いに勝利したことである。
法要の後、墓参したが、島は土地が狭いから、墓所は山腹の一箇所に一族の墓が塊ってあり、いずれも「家の墓」で個人墓はない。一族の創始者とその分家の墓が、入江の西方の山腹にある。100個近い墓があるが、家紋が違っているものもある。入江の東にも山があり、この西側山麓、つまり入江の東縁にも寺や神社が望遠される。要するにこの入江を拠点としていた「水軍」の棟梁が、ご先祖様なのである。
法事の後、旅館から差し回しのマイクロバスに全員が乗車し、尾道水道を渡り、尾道市に戻り、千光寺の近くにある「千光寺山荘」に行き、ここで会食した。眼下に狭い尾道水道を行き交う船が見える。小津安二郎の「東京物語」に写し撮られている尾道水道の光景とあまり変わらない。右手に映画「男たちの戦艦大和」のために、大和の巨大なオープンセットがつくられた造船所も見える。
隣に、中国に進出した電子器機メーカーの工場で管理職として10年近く働いた経験のある甥が座ったので、会食しながらいろいろ話を聞いた。
この間、自分でも10冊近く日中問題についての本を読んでいるが、いずれも二次また三次情報に依拠しており、間接的なものである。そこでいくつか質問した。
①ある雑誌で、大前研一が中国の経済について、
1)単純労働者の月給が3万円になると企業は採算割れになると言っているが、どうなのか? 2)中国人労働者は、就労時間の目一杯働かない、8時間労働という契約になっていても、途中サボって6時間くらいしか働かないというが、これはどうなのか?
3)生産ラインに欠勤や事故で人員が足りなくなっても、中国人労働者は「互助」という意識がないので、補い合ってラインの目標を達成するということがないというが、これはどうなのか?
これらについて尋ねてみた。
この大前氏の指摘に関しては、甥の回答は「その通り」というものでした。中国人労働者すべてが低賃金ではなく、日本語と英語の両方ができるスタッフなどは、日本人よりも高給を得ているそうだ。この「格差」に対する中国人労働者の反撥には根強いものがあるという。
儒教的伝統では、「他人を助ける」ということは、美徳でもなんでもなく、工場での労働についても当てはまるそうだ。魯迅の言う「水に落ちた犬は叩け」という伝統的な価値観、国民性であろう。
②「反日デモ」に関してはどうか。
中国には、言論、結社、集会の自由がない。社会に対するうっぷん晴らしとして唯一公認されているのは、「抗日」つまり反日活動だけである。従って合法的に反体制エネルギーを放出しようとすれば、「反日デモ」にならざるをえない。
1970年代に「文化大革命」を体験した世代は、そのことをよく知っているから、決して反日的でない。80年代以後に、「抗日教育」を受けて洗脳された若い世代に「反日」が多い。
③中国の「民度」についてはどうか?
中国にSARSが流行したとき、在留日本人からは一人も患者が出なかった。中国の水道の水圧は低く、バスも欧米型で肩までしか湯が溜められない。湯を満杯にするには小一時間かかることもある。そこで、日本人は毎日シャワーをするか、タオルを湯に浸して体をふき、清潔を保ったので患者が出なかったが、中国人にはほとんど風呂に入る習慣がない。これが流行病多発の原因だ。
日本のトイレはほとんどがウォッシュレットだが、中国人は洋式便座をはねのけて、便器の上にウンチ座りをして用を足す。排便後もトイレットペーパーを使うという習慣がない。便が体についた場合、乾いてくると、仕事中でも食事中でも、ズボンを擦って床に落とす。だから工場でも食堂でも臭いし、不潔なので、床清掃員が必要となる。
通勤途中の食事時間帯(朝食は買って食べる)には、食べがらを路上に捨てるのが当たり前なので、道路清掃人は作業を中断する。通勤ラッシュが終り、ゴミの路上投棄が終わってから作業に入る。路上に痰を吐くなど、そういうことをしてはいけない、という公衆道徳の教育が行われていないのだから、なくならない。
とまあ、こんな具合で、現地生活者しか知りえない、リアルな情報をえることができました。昔、1950年代のことですが、日本から中国に招かれた大メディアが「中国にはハエがいない」とか「中国の稲は密集して生えていて、子供が上に乗っても倒れない」などと報道していたのを思い出しました。記者が見せられたところはそうだったのでしょうが、「見せた意図」には思い及ばなかったので騙されて、「中国神話」の形成に利用されたというわけです。
中国の民度について「サーチナ」にこういう記事がある。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0909&f=national_0909_008.shtml
ゴミのポイ捨てについても、日中が比較されている。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1022&f=national_1022_004.shtml
ところ構わず痰を吐く習慣について、
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1024&f=national_1024_015.shtml
中国人は「痰は鼻から出る」と誤解しているようだ。
痰は気管支上皮の分泌物で、慢性気管支炎があれば痰が出ます。特に今の中国のように大気汚染がひどいと、慢性気管支炎や肺気腫の罹患者が多くなります。
喫煙の場合は、吸い方を浅くすることでこの害を防ぐことができますが、大気汚染があっても、呼吸するためには、金魚のように口をパクパクするわけにゆかず、肺末梢まで吸い込まないといけない。だから喫煙よりも有害なのです。
公衆道徳の形成には時間がかかります。列車の自動ドアというものは、新幹線と共に出現したもので、それ以前の列車は手動式だった。だから先に着いた順にドアを開けて中に入ればよかったので、列を作る必要がなかった。
列車待ちの行列は東京駅でまずはじまり、数年経って新大阪駅に波及したと記憶する。
その後、国鉄のすべての車両が自動ドアになり、今では列を作って並ぶのが普通になった。
やがて中国の民度も向上すると信じたい。
尾道水道の幅は200メートル位か。零細なフェリー会社で、普通車1台の渡船料が330円。もっとも3台しか積めないが…。
向島、因島は中世の「村上水軍」で有名である。水軍とは「海軍」を思わすが、実態は海賊である。平氏の海上制覇は、村上水軍の協力のお蔭だし、逆に信長の天下制覇に貢献したのは、紀州熊野の九鬼水軍が村上水軍との戦いに勝利したことである。
法要の後、墓参したが、島は土地が狭いから、墓所は山腹の一箇所に一族の墓が塊ってあり、いずれも「家の墓」で個人墓はない。一族の創始者とその分家の墓が、入江の西方の山腹にある。100個近い墓があるが、家紋が違っているものもある。入江の東にも山があり、この西側山麓、つまり入江の東縁にも寺や神社が望遠される。要するにこの入江を拠点としていた「水軍」の棟梁が、ご先祖様なのである。
法事の後、旅館から差し回しのマイクロバスに全員が乗車し、尾道水道を渡り、尾道市に戻り、千光寺の近くにある「千光寺山荘」に行き、ここで会食した。眼下に狭い尾道水道を行き交う船が見える。小津安二郎の「東京物語」に写し撮られている尾道水道の光景とあまり変わらない。右手に映画「男たちの戦艦大和」のために、大和の巨大なオープンセットがつくられた造船所も見える。
隣に、中国に進出した電子器機メーカーの工場で管理職として10年近く働いた経験のある甥が座ったので、会食しながらいろいろ話を聞いた。
この間、自分でも10冊近く日中問題についての本を読んでいるが、いずれも二次また三次情報に依拠しており、間接的なものである。そこでいくつか質問した。
①ある雑誌で、大前研一が中国の経済について、
1)単純労働者の月給が3万円になると企業は採算割れになると言っているが、どうなのか? 2)中国人労働者は、就労時間の目一杯働かない、8時間労働という契約になっていても、途中サボって6時間くらいしか働かないというが、これはどうなのか?
3)生産ラインに欠勤や事故で人員が足りなくなっても、中国人労働者は「互助」という意識がないので、補い合ってラインの目標を達成するということがないというが、これはどうなのか?
これらについて尋ねてみた。
この大前氏の指摘に関しては、甥の回答は「その通り」というものでした。中国人労働者すべてが低賃金ではなく、日本語と英語の両方ができるスタッフなどは、日本人よりも高給を得ているそうだ。この「格差」に対する中国人労働者の反撥には根強いものがあるという。
儒教的伝統では、「他人を助ける」ということは、美徳でもなんでもなく、工場での労働についても当てはまるそうだ。魯迅の言う「水に落ちた犬は叩け」という伝統的な価値観、国民性であろう。
②「反日デモ」に関してはどうか。
中国には、言論、結社、集会の自由がない。社会に対するうっぷん晴らしとして唯一公認されているのは、「抗日」つまり反日活動だけである。従って合法的に反体制エネルギーを放出しようとすれば、「反日デモ」にならざるをえない。
1970年代に「文化大革命」を体験した世代は、そのことをよく知っているから、決して反日的でない。80年代以後に、「抗日教育」を受けて洗脳された若い世代に「反日」が多い。
③中国の「民度」についてはどうか?
中国にSARSが流行したとき、在留日本人からは一人も患者が出なかった。中国の水道の水圧は低く、バスも欧米型で肩までしか湯が溜められない。湯を満杯にするには小一時間かかることもある。そこで、日本人は毎日シャワーをするか、タオルを湯に浸して体をふき、清潔を保ったので患者が出なかったが、中国人にはほとんど風呂に入る習慣がない。これが流行病多発の原因だ。
日本のトイレはほとんどがウォッシュレットだが、中国人は洋式便座をはねのけて、便器の上にウンチ座りをして用を足す。排便後もトイレットペーパーを使うという習慣がない。便が体についた場合、乾いてくると、仕事中でも食事中でも、ズボンを擦って床に落とす。だから工場でも食堂でも臭いし、不潔なので、床清掃員が必要となる。
通勤途中の食事時間帯(朝食は買って食べる)には、食べがらを路上に捨てるのが当たり前なので、道路清掃人は作業を中断する。通勤ラッシュが終り、ゴミの路上投棄が終わってから作業に入る。路上に痰を吐くなど、そういうことをしてはいけない、という公衆道徳の教育が行われていないのだから、なくならない。
とまあ、こんな具合で、現地生活者しか知りえない、リアルな情報をえることができました。昔、1950年代のことですが、日本から中国に招かれた大メディアが「中国にはハエがいない」とか「中国の稲は密集して生えていて、子供が上に乗っても倒れない」などと報道していたのを思い出しました。記者が見せられたところはそうだったのでしょうが、「見せた意図」には思い及ばなかったので騙されて、「中国神話」の形成に利用されたというわけです。
中国の民度について「サーチナ」にこういう記事がある。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0909&f=national_0909_008.shtml
ゴミのポイ捨てについても、日中が比較されている。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1022&f=national_1022_004.shtml
ところ構わず痰を吐く習慣について、
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1024&f=national_1024_015.shtml
中国人は「痰は鼻から出る」と誤解しているようだ。
痰は気管支上皮の分泌物で、慢性気管支炎があれば痰が出ます。特に今の中国のように大気汚染がひどいと、慢性気管支炎や肺気腫の罹患者が多くなります。
喫煙の場合は、吸い方を浅くすることでこの害を防ぐことができますが、大気汚染があっても、呼吸するためには、金魚のように口をパクパクするわけにゆかず、肺末梢まで吸い込まないといけない。だから喫煙よりも有害なのです。
公衆道徳の形成には時間がかかります。列車の自動ドアというものは、新幹線と共に出現したもので、それ以前の列車は手動式だった。だから先に着いた順にドアを開けて中に入ればよかったので、列を作る必要がなかった。
列車待ちの行列は東京駅でまずはじまり、数年経って新大阪駅に波及したと記憶する。
その後、国鉄のすべての車両が自動ドアになり、今では列を作って並ぶのが普通になった。
やがて中国の民度も向上すると信じたい。
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