【「買いたい新書」書評】7/10アップのNo.381:百田尚樹『今こそ、韓国に謝ろう』以後、
No.382:梶山季之『族譜・李朝残影』(岩波現代文庫)
No.383:塚谷祐一『スキマの植物図鑑』(中公新書)
No.384:藤原てい『流れる星は生きている』(中公文庫)
No.385:柳田國男『日本の昔話』(新潮文庫)
No.386:ブルフィンチ『中世騎士物語』(岩波文庫)
を取り上げました。「夏休み用の本を」という要望もあり、新刊書を避け読みでのある古典を中心にラインアップしたつもりです。
http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/new2.php
ヒット数を見ると各50万〜105万件の間で推移しており、「わりと参照されているな」という印象を受けます。
先日Nスペで「満蒙開拓団・黒川村」の悲劇を放映していましたが、開拓団が現地民の略奪・殺戮を防ぐために、ロシア軍に保護を依頼したら見返りに女を要求され、未婚の娘たちを「慰安婦」として差し出したという話が出てきました。生き延びるためには仕方なかったとはいえ、シベリア抑留になった何十万人もの男性の運命と比較して、考えこみました。
藤原ていは満州・新京(現長春)から気象台勤務の夫と離れて三人の乳幼児と共に約一年余をかけて、日本に引きあげて来ました。この苦難の引き上げ手記は昭和24年にベストセラーになりましたが、以後忘れられた作品になりました。著者が後の作家新田次郎の妻であり、数学者で随筆家の新田正彦の母であることは、意外に知られていないようです。「手記」とはいえ、単なる時系列の日記風記述とはちがい、事実を素材として三部に「再構成」されており、美事なノンフィクション作品になっています。
私見では彼女のこの作品がなかったら、作家新田次郎も随筆家藤原正彦も生まれていないだろうと思います。「温故知新」といいますが、お薦めの一冊です。
「記事転載は事前にご連絡いただきますようお願いいたします」
No.382:梶山季之『族譜・李朝残影』(岩波現代文庫)
No.383:塚谷祐一『スキマの植物図鑑』(中公新書)
No.384:藤原てい『流れる星は生きている』(中公文庫)
No.385:柳田國男『日本の昔話』(新潮文庫)
No.386:ブルフィンチ『中世騎士物語』(岩波文庫)
を取り上げました。「夏休み用の本を」という要望もあり、新刊書を避け読みでのある古典を中心にラインアップしたつもりです。
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ヒット数を見ると各50万〜105万件の間で推移しており、「わりと参照されているな」という印象を受けます。
先日Nスペで「満蒙開拓団・黒川村」の悲劇を放映していましたが、開拓団が現地民の略奪・殺戮を防ぐために、ロシア軍に保護を依頼したら見返りに女を要求され、未婚の娘たちを「慰安婦」として差し出したという話が出てきました。生き延びるためには仕方なかったとはいえ、シベリア抑留になった何十万人もの男性の運命と比較して、考えこみました。
藤原ていは満州・新京(現長春)から気象台勤務の夫と離れて三人の乳幼児と共に約一年余をかけて、日本に引きあげて来ました。この苦難の引き上げ手記は昭和24年にベストセラーになりましたが、以後忘れられた作品になりました。著者が後の作家新田次郎の妻であり、数学者で随筆家の新田正彦の母であることは、意外に知られていないようです。「手記」とはいえ、単なる時系列の日記風記述とはちがい、事実を素材として三部に「再構成」されており、美事なノンフィクション作品になっています。
私見では彼女のこの作品がなかったら、作家新田次郎も随筆家藤原正彦も生まれていないだろうと思います。「温故知新」といいますが、お薦めの一冊です。
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