ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【ダイヤモンド・ダスト】難波先生より

2018-02-14 18:41:30 | 難波紘二先生
【ダイヤモンド・ダスト】 「ダイヤモンドダスト」(1989)といえば、医師作家、南木佳士の芥川賞受賞作が有名だ。だがこの言葉は、「雪は天からの手紙である」(p.162)という名言を残した低温物理学者、中谷宇吉郎(1900~1962)「雪」(岩波文庫、1988版)に「ダイヤモンド・ダスト」として初出する。

 南木の用語定義はあいまいだが、北大低温研の所長だった中谷の定義は明解で、「地表近くの大気中の水蒸気が多く、気温が低い場合には、霧が凍って微小な氷晶ができる。この粒子は普通肉眼では認められないが、朝日が射している場合には逆光にチカチカ光って見える。小さい粉雪が風で吹き上げられ、空中を浮遊している場合にもキラキラ光って見える。これらがダイヤモンド・ダスト(ダイヤモンドの塵)だ」(同書、p.72)と定義している。

 2/12(月)は、寝室の空調を24℃設定にして床についたので熟眠でき、朝は8時にすぐにベッドから起きられた。「こむら返り」はもう起きない。前庭を覗くと、朝日を背景にしてダイヤモンド・ダストがプランターの脇に舞っている。

 ペンタックスの「オプチオ」という小型カメラで撮影しようとしたが、なんと窓枠が凍結していて開かない。仕方ないので、二重ガラス越しにプランター、近くの植木上部、朝日がある庭の樹木上部の3箇所に焦点をあわせて、3枚撮影したが、どれも失敗だった。
 裏庭に移動し、雪の降り積んだ車の脇に降る雪を、母屋を背景に撮影したが、中にチカチカ光るダイヤモンド・ダストがあるのだが、眼には見えてもカメラの解像度が低いらしく、やはり撮影には失敗した。



 寒剤とデジカメ付きの実体顕微鏡があれば、たぶん撮影に成功していたと思う。

 余談になるが雪の結晶を世界で初めて観察し、スケッチしたのがスェーデンの学者・宗教家オラウス・マグヌス「北方民族文化誌」(1555、ローマで刊行)で、この本は谷口幸男訳で広島市の溪水社から日本初出版されている。社長の木村逸司さんから献本を受けたのだが、ベランダ上の屋根裏書庫にあり、この寒さでは、ハシゴをかけて原本を取りに上がる、勇気がない。

 よって上記、中谷の「雪」(p.41)に引用されているマグススのスケッチを、ここに掲げる。22個の雪の結晶が描かれているが、六晶型をしているのは1個にすぎない。



 原図は「北方民族文化誌」の第1巻第22章に載っているはずだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%96%B9%E6%B0%91%E6%97%8F%E6%96%87%E5%8C%96%E8%AA%8C



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