ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【2/26/2018鹿鳴荘便り 序】難波先生より

2018-02-28 12:43:37 | 難波紘二先生
「そうか今日は二・二六事件が起こった日か…」と思う。
昭和11(1936)年のこの日、降雪の東京で青年将校たちに扇動された近衛第一師団が反乱を起こし、大蔵大臣高橋是清、斎藤実内大臣ら重要閣僚を暗殺した。

事件後の3/13には「陸海軍大臣現役制」が成立し、予備役の軍長老が陸・海軍大臣になれなくなった。
陸軍省と海軍省が大臣を出すことに同意しなければ「組閣」が不可能になったので、この日をもって軍部は国家を乗っ取ったといえるだろう。

日銀総裁も務めた高橋是清を暗殺したのは、はかり知れない損失だった。(城山三郎「男子の本懐」、新潮文庫 1983/11)

これで軍事費の膨脹に歯止めがかからなくなり、昭和11年11月の総予算案20億4000万円のうち、直接軍事費が14億円(43%)を占めるという軍国国家体制が決まった。不足する歳入額14億円は増税6億円、国債8億円で賄った。(自由国民社「日本史」)

こんな財政構造が10年も続くはずがない。
果たして昭和20(1945)年度の国家予算は234億8748万円だった。(この年の軍事費850億円。そのおよそ75%、約635億円が「戦時国債」で賄われている。)(森永卓郎・監「物価の文化史事典」、展望社、2008)

高橋是清が青年将校に暗殺されたのは「赤字国債」に対してつよい抑制策を打ち出したためだ。
高橋が死んだ昭和11年2/26以後は、翌12(1937)年に「臨時軍事費特別会計」が設置され、一般会計だけでなく「戦時国債」により軍事費を調達する政策に転換した。
昭和20(1945)年の敗戦までの9年間に「戦時国債」は、なんと総額2,221億円が発行されている。
昭和10年(蔵相高橋是清)の国家総予算22億640万円のおよそ100倍である。

「太平洋戦争」では多くの人命が失われたが、それだけでなく「必勝の信念」を持った多くの国民が「戦時国債」を買いこむことで、戦争が維持されていたのである。国家予算の10倍もの国債=国の借金を負った国は、いずれ破綻するだろう。

 これは戦時だけの話ではない。今まさに黒田日銀総裁の再任により起こりつつあることなのだ。
 「日経」は、すでに2016年に政府の国債発行残高が、1053兆円と国家予算の10倍以上あると報じた。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS10H20_Q6A810C1EE8000/


今回は、
1.NHKの取材,
2.こむら返りのトリガー,
3.ES細胞とiPS細胞,
4.広島県北の迷信
という4つの話題を取り上げました。


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