ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【奨学寄付金】難波先生より

2014-04-10 08:51:57 | 難波紘二先生
【奨学寄付金】
 昨年の10月24日に
 ノバルティス社は<大学に提供する奨学寄付金の上限額を500万円に決めた。…2012年の奨学寄付金の平均額は94万円で、500万円を支払った件数は3件だった。同社は「500万円の上限一杯を提供することは例外的になるだろう」(広報担当者)としている。以前は臨床研究費用を奨学寄付金から充当しており、数千万円単位の資金が提供されることがあった。> と「日刊工業新聞」が報じていたことがわかった。
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020131024ccah.html

 その後、同社は日本人社長が辞任し、外人社長に代わったわけだが、スイスの親会社社長が<日本では奨学寄付金を含む臨床研究への支援を、一時停止する>と4/3に都内の記者会見で述べていたことがわかった。http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020140404agbd.html

 普通に考えれば、阪大高原氏の寄付講座及び京都府立大吉村了勇教授の講座への「奨学寄付金」供与は一時停止ということだろう。場合によっては「中止」ということもありえるだろう。
 同社の2人への寄付は2005年1/1から始まっている。
 https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/31345/Default.aspx

 岡山大の場合、アステラス製薬は2013年9月に寄付講座への資金提供を中止している。恐らく阪大高原史教授の寄付講座も同様になっているのではないか。

 「こんな病院潰してやる!」と叫んで、宇和島徳洲会病院に執拗な監査を行った厚労省課長補佐住友克敏は、大阪のコンタクトレンズ販売会社の社長に便宜を供与し、収賄をしていたことがばれて懲戒免職になった。きっかけは社長が所有するマンションにある、若い女性の部屋にマスターキーを使って侵入し、パンティーを盗んだというちんけな事件だった。押収されたパソコンから2人の関係が明るみに出た。
 あの時、「天網恢々疎にして洩らさず」とメルマガに書いたが、大きな眼で見るとテーミス(正義の女神)の天秤はゆっくりとはいえ、確実に復原の方向に向かっているようだ。

 今回のSTAP細胞事件での取材に協力したおかげで、雑誌系のジャーナリストにこの件への理解者が出て来た。以下その方とのやり取りの一部を紹介する。

 <弊誌記者は、まさに、難波先生のおっしゃるところの、テレビや新聞の当初の小保方を熱烈歓迎する「賛翼ムード」が非常に危なっかしいと思っておりました。
その賛翼ムードの顛末が、この有様です。
 これは、万波先生の病気腎移植のバッシングにも言えることです。>

 おっしゃるとおりです。私の発言のねらいも、実はその点にあったのです。
 STAPで専門家や大メディアがこければ、「ではあの病腎移植騒動はなんだったのだ?」という疑問も当然起こることを期待していました。
 ぜひそういう方向で「袴田事件」と同じように、メディアの自主的な検証が始まることを期待しています。あれほど多数の透析患者の生命がかかった問題にそっぽを向いて、知らぬ振りを決め込むなら、日本の大メディアに未来はないでしょう。


 <日本のメディア、特にテレビ、新聞の科学部、医療担当の記者には、哲学もなければ、基礎的な知識や原則論すら欠けているので節操もなく、すぐに偉い人の意見にとびつきます。>

 私が常々書いているように、文学、歴史、社会科学、自然科学、ことに現代では、医学・生命科学に関するひろい基本的知識が「教養」でなくてはなりません。教養がないと、「偉い人」を盲信するという知的権威主義に陥り、結果として無節操をさらすことになります。今、「吾輩は猫である」を読み返していますが、漱石の自然科学に対する理解は相当なものです。(小山慶太「漱石が見た物理学:首縊りの力学から相対性理論まで」, 中公新書, 1991)

 E.O.ウィルソン「知の挑戦:科学的知性と文化的知性の統合」 角川書店, 2002 は知識人必読の書だと思います。
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