ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【潰瘍性大腸炎】難波先生より

2012-11-19 23:25:33 | 難波紘二先生
【潰瘍性大腸炎】安倍晋三が政権を放り出したのは、持病の潰瘍性大腸炎が悪化し、下痢弁のため1日に10回も20回もトイレに行かざるを得ず、やむなく紙おむつをする状態になったからだ、というのは本人もしゃべっているし、週刊誌等で報道もされているから、国民周知の事実化と思っていたら、高校のクラス会で政局の話題が出たとき、その場にいた数人の誰も知らなかった。却って「医者だからそういう情報が手に入るのだろうな」と言われる始末。


 で、ご本人は「今は良い薬が開発されたから、もう大丈夫」と言っている。その新薬の名前がわからなかったが、「文藝春秋」12月号を見たら、「ゼリア新薬社のアサコール」という錠剤とわかった。


 ネットで調べたら、これは薬品名がメサラジンで、アミノサリチル酸つまりアスピリンのことである。ただ従来の腸溶錠が小腸の上部で溶けて吸収されていたのを、小腸下部で溶けるように、吸着剤やコーティングを変えただけだ。1錠400mgで通常毎食後2錠、1日6錠を服用する。重症化すれば9錠3.6gmまでは増量できる。アスピリンの致死量は20gmであるから、かなりやばい使い方をするわけだ。
 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/200912/513472.html


 政権を投げ出したのが2007年9月、アサコールの製造承認が2009年10月。本当に劇的に効くのであれば、内閣総理大臣だから、厚労大臣に言って開発承認を急がせるべきだった。病気そのものは中学生の時に発症しているのだから、持病のことは良く知っているはずだ。


 もともと薬は血中に吸収されて効くので、軟膏じゃぁあるまいし、溶解した薬剤が大腸まで流れて行って、そこで直接に効くなどということはありえない。
「著功がある」ように見えるのは、潰瘍性大腸炎を悪化させる要因である精神的ストレスが首相をやめ、党の要職からもはずれていたため、軽減していたからだろう。それなら選挙で自民党が第一党になれば、当然総理になり、この難局のことだ、また持病がぶり返す可能性があろう。


 前にエフロブの「買いたい新書」で「超薬アスピリン」を書評した。
 http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1343970747
 アスピリンが「消炎鎮痛剤」であることはよく知られているが、まさか潰瘍性大腸炎にまで効くことは、この本にも書いてなかった。


 アスピリンは単価が安いから医者が処方したがらないが、よい薬である。安倍さんが広告塔になって、この薬が保険薬として広まることを期待したい。
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