ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【IQ84=村上春樹はノーベル賞に値するか?】2014年10月難波先生より

2016-12-14 18:32:22 | 難波紘二先生
ある方が、2年前の10月に送信した「鹿鳴荘便り」を再送信して欲しい、
とご依頼されたそうです。
その方によると、2014/10に書いた文章ですのに「朴槿恵政権崩壊」が予見してあるとのこと。

難波先生より再発信されましたので、
こちらでも、再掲させていただきます。

【無断転載禁止。必ず執筆者の許可を得て転載してください】


【IQ84=村上春樹はノーベル賞に値するか?】
 2014年のノーベル賞を村上春樹がもらえなかったとテレビが騒いでいるらしい。もらえないのが当然だろう。ノーベル文学賞と作品の売れ行き、翻訳点数とは関係がない。彼の代表作は何?どれほどの質?
S. アレクシエービッチ 「チェルノブイリの祈り:未来の物語」(岩波現代文庫)はノーベル文学賞受賞発表時、日本語版は出版社品切れになっていた。彼女は寡作な作家である。
 ポーランドの作家シェンキェヴィッチ(1846-16)は生涯に700冊くらいの小説を書いた。ギネスブックものだ。そのうち今に残るのは『クオ・ヴァディス』(1895)だけである。これが1905年、ノーベル文学賞の対象として評価され受賞した。彼はポーランド独立運動、第一次大戦では国際赤十字活動にも参加している。
 私は村上春樹の『ランゲルハンス島の午後』(新潮文庫)を読んであきれた。
 「頭の下に敷いた生物学の教科書」、「カエルの視神経や、あの神秘的なランゲルハンス島」、「僕はそっと手を伸ばしてランゲルハンス島の岸辺に触れた」
 彼はランゲルハンス島が、膵臓の中にある内分泌細胞の集合体だということを知らないのである。
 同じようなミスというか誤用は『1Q84』にもある。だれが見てもこれはジョージ・オーウェル「1984」のイミテーションだとわかる。超有名な作品だ。私は紀伊国屋書店の店長に、「これはオーウェルの『1984年』と同じような作品ですか?」と尋ねたら、「むにゃむにゃ」と同意するような応答を聞いたから買った。
 ところが中身は「IQ84」の人が読むのにちょうどよいような作品だった。だから最初の数頁を読んで、放り投げた。村上春樹は主に「IQ84クラス」、適菜収のいう「B層」に売れているのだと考える。
 書棚に「ノルウェイの森」、「羊をめぐる冒険」、「風の歌を聴け」などが置いてあるが、一度も開いたことがない。私見では春樹よりも村上龍の方がよほど面白いし、社会性もある。私はこっちがノーベル文学賞をもらっても驚かないが、春樹がもらうとなるとびっくり仰天、腰を抜かすだろう。

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