【本の広告とタイトル】
毎日、新聞4紙に目をとおすが、読者にとって必要な情報、書籍サイズ、ページ数、表紙の種類(厚紙かビニール紙か)、索引の有無などが、どうして載っていないのかと思う。
調べようとすれば結局、アマゾンで検索して表紙の写真、読者のレビューなどを確かめ、ついそこで購入することになる。
蔵書目録の入力がやっと5,600冊に達した。これで全体の約1/6かな、と思う。時々、二重買いがみつかり、欲しい人にあげるため書棚の隅に積み上げてある。最近の本は<森炎「なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか:変わりゆく死刑基準と国民感情」(幻冬社, 2011/5)というようにタイトルがやたら長く、それに副題が付いているので、入力に手間がかかる。
個人的には<バダンテール R.「そして死刑は廃止された」(作品社, 2002/4)>のように、短くてインパクトのある表題が好ましいと思う。(バダンテールはフランスが死刑廃止に踏み切った際の法務大臣。)
最近、対談本が面白いと思うようになった。単著だと自己検閲が働くが、対談ではついポロリと思わぬことを話したりする。毎日須田記者の「STAP報道は誤報ではない、理研から発表されたという事実は変わらない」という強弁など、養老孟司だから引き出せた(「文系の壁」)。相手がいることだから、今さら取り消せない。
中村仁一・近藤誠の対談本『どうせ死ぬなら「がん」がいい』(宝島新書)でも、近藤が<1996年の「患者よ、がんと闘うな」では、当初、乳がんには抗がん剤をすすめると書いたが、その後文献の治療データに誤りがあったことが分かり、修正を入れた。この件はぼくの大きな汚点だ」と率直に述べていて驚いた(p.60-61)。
原本(初版)を調べると第1章「抗がん剤は効かない:千葉敦子さんの錯覚とは?」第2章「抗がん剤は命を縮める」とあり、確かに本文に「乳がんと再発した第1グループのがん(急性白血病、悪性リンパ腫など)には抗がん剤で延命効果がある」と書いてあった(p.26)。
それにしても正直な人だな、と感心した。この本は10章からなるが、彼はその後、20年かけて各章を1冊の本として出し、「がん放置療法」も「セカンド・オピニオン外来」も実践してきた。この本は2000に文春文庫になっているので、文庫で読みなおしてみたい。
中村仁一『大往生したけりゃ医療とかかわる:「自然死」すすめ』(幻冬社新書)は前に読んだが、京大医卒で、今や江部康二医師の「糖質制限食」で有名になった京都・高雄病院の院長・理事長を2000年までしていたことは知らなかった。この本には発見時に91歳の、自壊した巨大な乳がんの写真が載っているが、これは華岡青洲がおこなった、最初の乳がん手術前の乳房の絵とそっくりだ。清州の手術を受けた女性(60)は4ヶ月後に死亡したが、この老人病院の女性はその後4年も生きたそうだ。
彼が勤める老人病院では末期の自然死に向かう人には、点滴も酸素吸入もしない。飲める状態だと点滴液を飲んでもらうという。水補給がゼロになっても、排尿は死の2日前まである。脱水症が起こり最後は39℃まで体温が上がることがある。この状態では本人はすやすや状態で苦痛はない。こうした指摘に驚いた。
肺と心臓が動いている限り、自己成分を取り崩して体内で代謝が進み、水と炭酸ガスと熱が発生する。熱を吸収した水が尿として排泄されなくなれば、冷却水不足でとうぜん体温は上昇する。ラジエターの水不足でエンジンがオーバーヒートするのと同じだ。中村先生の指摘で「目からウロコ」の思いがした。
近藤誠 — 中村仁一 — 高雄病院 — 江部康二 —釜池豊秋 — 市立宇和島病院 —近藤俊文 — 万波誠と、人物で5人、2施設が介在すると、「つながり」があるのに驚いた。これが「複雑系」というものだろう。世の中、誰がどうつながっていくか予測できない。
釜池豊秋「医者に頼らない! 糖尿病の新常識・糖質ゼロの食事術 かまいけ式でスローエイジング!」(実業之日本社, 2007/11)
この「かまいけ理論」は1999年に宇和島市の釜池豊秋医師(元市立宇和島病院整形外科)が考えついたもので、以後2000年頃、京都高雄病院の江部康二医師に広まり、さらに全国の開業医に伝わった。面白い現象が起きたものだと思う。
毎日、新聞4紙に目をとおすが、読者にとって必要な情報、書籍サイズ、ページ数、表紙の種類(厚紙かビニール紙か)、索引の有無などが、どうして載っていないのかと思う。
調べようとすれば結局、アマゾンで検索して表紙の写真、読者のレビューなどを確かめ、ついそこで購入することになる。
蔵書目録の入力がやっと5,600冊に達した。これで全体の約1/6かな、と思う。時々、二重買いがみつかり、欲しい人にあげるため書棚の隅に積み上げてある。最近の本は<森炎「なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか:変わりゆく死刑基準と国民感情」(幻冬社, 2011/5)というようにタイトルがやたら長く、それに副題が付いているので、入力に手間がかかる。
個人的には<バダンテール R.「そして死刑は廃止された」(作品社, 2002/4)>のように、短くてインパクトのある表題が好ましいと思う。(バダンテールはフランスが死刑廃止に踏み切った際の法務大臣。)
最近、対談本が面白いと思うようになった。単著だと自己検閲が働くが、対談ではついポロリと思わぬことを話したりする。毎日須田記者の「STAP報道は誤報ではない、理研から発表されたという事実は変わらない」という強弁など、養老孟司だから引き出せた(「文系の壁」)。相手がいることだから、今さら取り消せない。
中村仁一・近藤誠の対談本『どうせ死ぬなら「がん」がいい』(宝島新書)でも、近藤が<1996年の「患者よ、がんと闘うな」では、当初、乳がんには抗がん剤をすすめると書いたが、その後文献の治療データに誤りがあったことが分かり、修正を入れた。この件はぼくの大きな汚点だ」と率直に述べていて驚いた(p.60-61)。
原本(初版)を調べると第1章「抗がん剤は効かない:千葉敦子さんの錯覚とは?」第2章「抗がん剤は命を縮める」とあり、確かに本文に「乳がんと再発した第1グループのがん(急性白血病、悪性リンパ腫など)には抗がん剤で延命効果がある」と書いてあった(p.26)。
それにしても正直な人だな、と感心した。この本は10章からなるが、彼はその後、20年かけて各章を1冊の本として出し、「がん放置療法」も「セカンド・オピニオン外来」も実践してきた。この本は2000に文春文庫になっているので、文庫で読みなおしてみたい。
中村仁一『大往生したけりゃ医療とかかわる:「自然死」すすめ』(幻冬社新書)は前に読んだが、京大医卒で、今や江部康二医師の「糖質制限食」で有名になった京都・高雄病院の院長・理事長を2000年までしていたことは知らなかった。この本には発見時に91歳の、自壊した巨大な乳がんの写真が載っているが、これは華岡青洲がおこなった、最初の乳がん手術前の乳房の絵とそっくりだ。清州の手術を受けた女性(60)は4ヶ月後に死亡したが、この老人病院の女性はその後4年も生きたそうだ。
彼が勤める老人病院では末期の自然死に向かう人には、点滴も酸素吸入もしない。飲める状態だと点滴液を飲んでもらうという。水補給がゼロになっても、排尿は死の2日前まである。脱水症が起こり最後は39℃まで体温が上がることがある。この状態では本人はすやすや状態で苦痛はない。こうした指摘に驚いた。
肺と心臓が動いている限り、自己成分を取り崩して体内で代謝が進み、水と炭酸ガスと熱が発生する。熱を吸収した水が尿として排泄されなくなれば、冷却水不足でとうぜん体温は上昇する。ラジエターの水不足でエンジンがオーバーヒートするのと同じだ。中村先生の指摘で「目からウロコ」の思いがした。
近藤誠 — 中村仁一 — 高雄病院 — 江部康二 —釜池豊秋 — 市立宇和島病院 —近藤俊文 — 万波誠と、人物で5人、2施設が介在すると、「つながり」があるのに驚いた。これが「複雑系」というものだろう。世の中、誰がどうつながっていくか予測できない。
釜池豊秋「医者に頼らない! 糖尿病の新常識・糖質ゼロの食事術 かまいけ式でスローエイジング!」(実業之日本社, 2007/11)
この「かまいけ理論」は1999年に宇和島市の釜池豊秋医師(元市立宇和島病院整形外科)が考えついたもので、以後2000年頃、京都高雄病院の江部康二医師に広まり、さらに全国の開業医に伝わった。面白い現象が起きたものだと思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます