大晦日

平成最後の、といっても昭和生まれの私にはまったく関係ありませんが、大晦日がやってきました。

昭和から平成に変わった時は、あの昭和のおじいちゃんが亡くなって、テレビの地上波はテレ東を除いて昭和を振り返るドキュメンタリー番組ばかり。
その後もテレビ番組は「自粛」という名のもとに暗いものが１年近く続きました。
来年の元号改訂の時は明るく迎えられるでしょう。

いまの私にはスカバーという強い味方があるので、地上波がどうなろうがかまわないのですが。

諸説ありますが、初詣というのは大晦日と正月の２回行うものだそうです。
大晦日に「１年間ありがとうございました」と感謝のお参りをし、正月に「今年もよろしくお願いします」といろいろ祈願する。
私は大晦日のは、やったことがありませんけどね。

困ったことにいま住んでいる場所には、近所に小さい神社がひとつあるだけです。
以前何年か、あの宮司の姉を弟が刺し殺して話題になった、あの神社の氏子だったこともあり、家から歩いてすぐだったのですが、わざわざ電車に乗ってまで行こうとも思いません。
家でテレビでもゆっくり、というよりこれから１週間だけでも録画する番組が山ほどあるので、その CM を抜いたり皿に焼いたりでゆっくりする暇がありません。


年末年始もお仕事の人もおいででしょう。
いっしょに出かける相手がいない人も、都合で忙しい人もおられるでしょう。
いずれにしましても、正月はめでたい神事と区切りであると同時に、ただカレンダーが新しくなるだけのいつもの１日にすぎません。

ほんの数十人ではありますが、毎日のようにこのブログに足を（カーソルを？）運んでくださったみなさんに、厚く御礼を申し上げると共に、年が変わっても引き続きのご贔屓を賜りたく、よろしくお願い致す次第です。

どうぞみなさん、よいお年を。

寒波

東京では年明けにかけて寒波が居座るようです。

北国の人にはかわいいものでしょうが、がりがりに痩せている私は夏は簡単に夏バテするし、冬は寒さが文字通り骨身に染みるのです。
きのうもスーパーに行くのを諦め、近くのコンビニで買い物を済ませました。

そんな訳で、脳味噌も停滞気味です。
いつものごとく、江戸の人に助けてもらうことにします。


「夜這い」と聞くとこっそり女の寝床に潜り込むこと、と平安の昔から考えられがちですが、あれはもともと女の合意があって行うものです。
夜這いの語源は「呼び合い」、つまり動物や鳥が声を出して求愛するところからきています。
人間の女は「いや」とか「だめ」とかいいますが、それが本心でないことは男も女も承知の上。

　初夜這い　下女は小声で　おめでとう

合意の上だからこそ、１月２日の夜這いに下女が新年の挨拶をしたりする。

ところが打ち合わせも合意も何もないまま強行でもしようものなら、

　初夜這い　二階から落ち　皆目覚め

というみっともないことになってしまいます。


私は夜這いにいく相手もいませんし、こう寒くては行く前に挫折してしまいます。
みなさんは江戸のご先祖様のように、スマホばっかりいじってないでたまに恋文でもしたためてみませんか。
肉筆の恋文のやりとりは、スマホでは決して得られないときめきがありますよ。

久しぶりに

CS で「タワーリング・インフェルノ」を、吹き替え版で観ました。

私が高校生の時に封切られた映画ですから、もう 40 年以上前の映画ですが、私は劇場では観ていません。
初めて観たのは地上波テレビ、解説は確か淀川長治だったと記憶しています。

もともとこの映画は、まったく偶然に「高層ビルに火災が起きるパニックもの」という原作（「ザ・タワー」と「ザ・グラス・インフェルノ」）があり、２０世紀フォックスとワーナーブラザーズがそれぞれ独自に映画化を計画したのですが、あまりに金がかかりすぎること、また似たような映画を同時期に公開しても客が分散してしまうことなどから、フォックスとワーナーが共同制作することになったものです。

だからスティーブ・マックィーンとポール・ニューマンのダブル主演、その他の俳優も豪華で、CG 全盛のいま見てもまったく見劣りしない撮影の作品になっています。
当時はいわゆる「パニックもの」の映画が山ほど作られましたが、現在に至るまでこの映画は最高傑作といわれ、比肩するのは「タイタニック」くらいのものでしょう。

ご覧になっていない人はツタヤに行くか、図書館やネットでご自分で調べていただくとして、個人的にいちばんの見どころは、「あの」フレッド・アステアがチンケな詐欺師役で出演していることです。

ラスト近く、彼は助かるのですが、彼が騙そうとした婦人（詐欺師であることは見抜かれて、それでも地上に生きて戻ろうと約束する）は亡くなり、彼女の愛猫を警備員（O.J.シンプソン！）に手渡される。
猫を抱きながらうつろな目で、彼女の名前を呼び続ける……

若い頃から華麗で優美なダンスと演技で鳴らしたアステアが、老いてなお存在感と色気のある演技。
さすがアステア、といわずにはいられません。


嬉しいことに、年明けに今度は字幕版が放送されます。
吹き替えもうまかったですが、やはり彼らの声は肉声で観たい。

年明けには手塚治虫の「どろろ」（1969 年版、2019 年版）も始まるし、クイーンの特集が何本もあるし、弐号機の録画予約リストがどんどん膨らんでいきます。
買い貯めておいたブルーレイの皿の出番が、ようやく回ってきました。

あっぶねえぇ

ついに恐れていた日がきてしまいました。

私はフレッツ光でスカパーを契約しています。
うちの弐号機はダブルチューナなので、２番組までは重複しても両方録画できます。

しかしきょうの深夜、どうしても残したい番組が初めて「３つ」重複してしまいました。

T-CAS カード１枚ぶんしか契約していないので、初号機では番組そのものが入りません。
これまで２つ重複することは数ヶ月にいちどあったのですが、３つは初めてです。

年末年始はこれがあるから困るんです。
亡き杉浦日向子のコミックを原作にした「百日紅-Miss HOKUSAI-」がやっと、やっと日本映画専門チャンネルで流れてくれるというのに、その時間帯にはもう年末年始の特別放送２番組が埋まっていたのです。

しかし捨てる神あれば拾う神あり。
ホームページで確認したところ、「百日紅」は１月にも再放送が２回あることがわかりました。
どちらも重複していますが、２番組なので欠けずに録画できます。
正月に録画予約を忘れなければ、の話ですが。


「百日紅（さるすべり）」は、原作のコミックがとにかくいい味があっておもしろい。
杉浦氏が若くして亡くなったのが悔やまれます。
まだご存知でない人は、ぜひお読みになってください。

日本映画専門チャンネルを視聴できる人は、

　https://www.nihon-eiga.com/program/detail/nh10008039_0001.html

上記のページに番組データや放送日が掲載されています。

年末

クリスマスの形跡はあっという間に消され、街は年越しの準備です。

スーパーには注連飾りや鏡餅が並び、店先には年末年始の連休の張り紙が目立ち始めました。
夕方にはおそらく忘年会に行くであろう集団がちらほらと。

しかし大晦日でも正月でも、昼でも夜でも働かねばいけない人たちもいます。
交通、コンビニ、農業漁業、インフラ、などなどなど。
彼らが働いてくれるからこそ、私たちは年末年始を過ごせるのです。


そんな当たり前のことを考えながら、相変わらず江戸の風情をひとつ、志ん生の速記から。


だから、その……ご婦人てぇものは、どうしてもこの、どうもニクいというような女がある。ご婦人は、その、姿を見せたり人を喜ばせるということが、ひとつの花であります。うん。
だから『美（い）い女だな』って人に見られて、人の目を喜ばせる。

「俺はね、どうもね、ああいうのが好きだね」
「あれか？」
「うん」
「年増だな」
「年増だよ」
「いいな」
「いいとも、おめえ、『色は年増にとどめをさす』ってまったくだ。あの女なら俺、命もいらねえやな」
「命がけだな」
「命がけだよ。女のためなら命はいらねえ、ってことになってるんだ」
「そうか……おい見ろ、後からくるなぁ、おめえ、十九か二十だな。あれもいいな、島田に結ってて」
「いいなあ、うん。おらあ命はいらねえ、あの女なら」

命、いくつあったって足りゃあしない。

「ふーん、後から数珠を持ってくんのもいいなあ。え、夫の菩提を弔う。いいもんだ、後家だ」
「後家はいいぜ」
「後家は一段、女っぷりが上がるからな。後家はいい。後家は好きだ。俺のかかぁも早く後家にしよう」

70億分の１

※この文章は 12/25 の夜に書いています。

ぴったり 20:00、NORAD のサンタが北極点に戻ってきました。

世界中を飛び回って配ったプレゼントの数、7,281,439,471 個。
10 億の区切りの品は７個しかなかったわけで、そのうちのひとつ（10 億個目）が日本に配られたのは、実に嬉しいことです。

実は九州を南下している時にまだ 10 億に達していなかったので、日本海か嫌な国にでも落とされるかと心配しましたが、急にＵターンして、

　Next : Itsukushima hiroshima

と表示された時は思わずバソコンの前で声が出てしまいました。

広島のみなさん、あなたたちのプレゼントのどれかは、世界に７個しかない記念の品です。
誰の手元に行ったかは知りませんけど、大切にしてください。

それにしても、福島にも立ち寄ってほしかったなあ。


さてさて、キリスト教徒でもないのにクリスマス騒ぎも終わり、残り少ない時間で年末年始を迎える準備です。
昭和のおじいさんはまさか年を越せると誰も思っていなかったので、ちょっぴりだけ昭和 64 年もありましたが、今回は平成がいつ終わるか誰はばかることなく口にできるので楽です。

カレンダー屋、手帳屋、それに何よりプログラマは、１日でも早く新元号を発表してもらいたいでしょう。
今回は先に発表していいんじゃないかなあ。

NORAD

※この文章は 12/24 の午後に書いています。


いま（18:26）、NORAD のサンタクロースが出発しました。
これから１日かけて世界中を回ります。

　https://www.noradsanta.org/

「NORAD のサンタ」を知らない人は少ないでしょう。

もう半世紀以上前、アメリカの大手スーパーがクリスマスキャンペーンの一環として「サンタクロースと話せるホットライン」を開設し、広告に電話番号を載せました。
ところがその番号に誤植があり、子供達の電話は別のところにかかってしまいました。

その「別のところ」とはまったくの偶然に、アメリカとカナダが共同で運用する中央防衛航空軍の、しかもよりによって司令長官へのホットラインだったのです。

子供「本当にサンタさんなんですか？」
長官「私は違うんだ。サンタさんはさっき北極から南に向かって飛び立ったようだ」

こういうユーモアは日本人とはちょっと異質ですね。
そしてさらに異質なのは、翌年からそれが年中行事になり、「軍が偵察衛星や軍用機などでサンタを追跡する（ことにする）」ようになった点です。
インターネットが普及してからは、サンタがどこにいるかを動画でリアルタイム表示します。

まだ画面は「Santa prepares（サンタさん準備中）」の静止画のままですが、左上に速報がテキストで表示され、いまは氷上のシロクマに手を振って挨拶しているようです。

　　　－　＊　－　＊　－

静止画のまま見失ってしまいましたが、ようやく動画を捉えました。
観られない人は北極の「ゲームの家」に入って、画面下の「現在のサンタを追跡！」をクリックしてください。


いま（23:09）東京を通過しました。
約９億６千万個目のプレゼントでした。
ジグザグに飛んだので、１０億個目は厳島の近くのどこかでした。

これから約１７時間かけて、サンタは北極点に戻っていきます。
この文章をお読みになっても、もう終わっている人もいるでしょう。
また来年もやるでしょうから、見損なった人はあと１年お待ちください。

「夜」

さて問題です（クイズではありません）。

世間では 12/24 はクリスマスイブ（クリスマスの夜）、12/25 はクリスマス。
私はキリスト教徒どころか仏教徒でもない、八百万の神を信じる人間なので、聖書というものをまともに読んだことがありません。
で、キリストの誕生日は聖書のどこにも書かれていなくて、後日適当に話し合って 12/25 になったそうです。

でもそれなら、クリスマスイブは 12/25 の夜じゃないんですか？


先日のテレビの受け売り。
現在は午前０時から翌日午前０時までが１日ですが、キリスト教ができる前は「日没から翌日の日没まで」を１日としていました。
だからクリスマスは 12/24 の日没から（これは正しい）12/25 の日没まで（世間はここが怪しい）、なのだそうです。

つまり、きょうの日没から騒ぐのはいいけれど、明日は日没までですっぱりやめなければいけない。
明日の夜にクリスマスの飲み会やデートの予定を入れてる人、ケーキやチキンを食おうという人、間違ってますよ。

まあ「不思議の国のアリス」のように「何でもない日を祝おう！」というのであれば、何の問題もないのですが。

３人の男・解答

帽子クイズに限らず、論理クイズを解く鍵は「シンプルにする」ことです。

たとえば「１２室のホテルに１３人が泊まれる」問題なら、「３室に４人」のように単純化すれば正解に近づけるし、数人が「彼は〇〇ではない」「彼は知っている」などと答える問題なら、「誰々は絶対に△△」をひとつずつ見つけて組み合わせていけば全体が見えてきます。


今回の場合「色盲がひとりいる」というオプションがついているので、まずそれをどけて「色盲はいない」と仮定して、問題の規則性や事実などを考えていきましょう。

帽子は赤２青３ですから、Ａが自分の色がわかるのは赤２（Ｂ、Ｃともに赤）の場合だけです。
青２や赤１青１の場合はわかりません。だから「わからない」と答えた。

Ａがわからなかった時点で、Ｂは「自分とＣが同時に赤であることはない」と理解します。
つまりＢとＣは青２か、または赤１青１であると理解できた、という意味です。

ここでＣが赤であれば、Ｂは自分が青であるとわかるはずですが、「わからない」と答えた。
この時点で「Ｃは赤ではない」ことが確定します。

現時点で確定しているのは、

　Ａ：不明　Ｂ：不明　Ｃ：青

です。ここまでをＣを含む全員は理解しています。
つまり「他の（色盲でない）ふたりがわからなかったら、残ったひとりは自分が青である」、これがこのクイズのシンプルな原則です。
「色盲がいない」場合の仮定は、ここまで。


さて、ここにひとり色盲がいたんですよね。
仮にＣが色盲だと仮定しましょう。
上記のようにＡとＢがわからなかった時点で、Ｃは自分が青だとわかるはずですが、「わからない」と答えた。
「色盲であろうがなかろうが導かれる」答えがわからないのですから、前提が間違っている。

それは、「Ｃが色盲であるという仮定」が間違っているのです。Ｃは色盲ではありません。

では、Ａが色盲ならどうでしょうか。
問題文をよくお読みください。１周して２周目にもＡはわからなかった。
これは先ほどの、

　「他の（色盲でない）ふたり（ＢとＣ）がわからなかったら、残ったひとりは自分が青である」

と矛盾します。
だからＡが色盲という仮定も間違っている。

よって色盲はＢで、帽子は青です。


原則をいかにして把握できるか、がこのクイズのキモです。
きのうの定時連絡の時に「仮に色盲がいないとしたら」とヒントを出そうとも思いましたが、それだとあまりに簡単に解けてしまうので控えました。


ラジオはどの局もクリスマスソングばかり。
飽き飽きするので、ＣＳでドキュメンタリーやドラマを観ています。
みなさんは何かイブのご予定はありますか。

私？　何もしませんよ。八百万の神を信じる男やもめにクリスマスなんか関係ありゃしません。

ひとやすみ

クイズの翌日は、定時連絡です。

　http://betanature.webcrow.jp/home.html

上記ホームページも、よろしくご贔屓の程を。


クリスマスも目の前。
彼氏（彼女）やご家族といっしょに、クイズをお楽しみください。