盗人宿

いまは、わかる方だけ、おいでいただければ。

元号予想

2019-03-31 12:23:53 | にゃんころ
新しい元号が、明日発表になります。

世間ではいろいろ予想がされていて、予想で出た候補は決して使われないのが相場なので何の意味もないのですが、先日「渋谷の女子高生に訊いた予想」という記事がありました。
なぜそういう魔窟をターゲットにするかねえ。

さすがは渋谷の女子高生、多くは安倍首相から連想したらしく「安〇」「〇安」のオンパレード。
だからそれはないってば。
「安政」、いやそれはもうあったって。
「嵐」「卍」、おのれら元号を何だと思ってやがる。

と、他人のことをいろいろいっておりますが、私は個人的に「元」の字が使われそうな気がするのです。

理由は特にありません。何となく久しぶりに登場するのではないか、と。


私にとっては人生で3つ目の元号です。
今後数十年で、いくつも変わるかもしれませんが、私はおそらくこれで打ち止めでしょう。
みなさんは4つ、下手すると5つの元号を生きるのではないでしょうか。

大黒・二

2019-03-30 12:36:53 | にゃんころ
きのうの続きでございます。

和尚と珍念が、

「和尚さま」
「なんじゃ」
「あの、お寺のお光さんのことを、表の酒屋でいってましたよ」
「ほお、何と?」
「あの、今度の大黒さんは、きれいで、まるで弁天さまのようだ、なんていってました」
「そうか。そのうちお腹が布袋さんになるとは、気がつくまい」

大黒

2019-03-29 16:32:27 | にゃんころ
宗派によって異なりますが、仏教では坊主に妻帯女色を禁じていることが少なくありません。

ところが古今東西どこにでも生臭坊主はいるもので、禁じられた住職がこっそり妻を娶ったり妾を囲うことが多く、そのような女性を江戸では「大黒」と呼んだそうです。
古い川柳にも、

 大黒と 呼ぶのは釈迦も 知らぬ知恵

 梵語で大黒 俗語で山の神

というのがございます。
大黒天の甲子(きのえね)祭りから出たことばとされています。


ある人が寺に用事がありまして、玄関で案内を乞いますが、誰も出てきません。
これまで何度もきて勝手知ったるところですから台所に回りますと、和尚が鉢巻をしてせっせと蛸の料理を作っている。般若湯(酒)の熱燗もできている。
こいつはまずいものを見てしまった。
見られたほうはさぞかし恐縮するだろうと思い、また玄関に戻って改めて案内を乞いますと、今度は和尚が出てきて座敷に案内され、「まあどうぞどうぞ」と酒が出ます。

「生憎と肴がまだございませんで……」
「和尚さま、何もお隠しになることはないでしょう、こんな心お安い仲なのに何をお隠しなさる。実は先ほど、ちょいと拝見してしまったんですよ」

和尚、少し伸びた無精髭をさすりながら、

「ご覧になりましたか。それでは是非に及ばぬ。おーい、お光や、出ておいで。お心やすい方じゃ。こっちへきてお近づきになりなさい」

2019-03-28 12:51:10 | にゃんころ
近所の公園に、桜を眺めに行きました。

私は過去に、酒の飲み過ぎで肝臓をやられ、死にかけたことがあります。
医者からも家族からも、二度と酒を飲むなといわれました。

しかしこれまで40年以上飲んできたものをすぱっとやめる、これは死ぬより困難なことです。
「いちど飲んだらまた飲むようになる」、誰もがそういいます。

私は去年、6回だけ酒を飲みました。
正月で1回、花見で1回、居酒屋で4回。
つまり 359 日は自分の自制心で飲まなかったのです。
これは自分でもすごい事だと思うし、毎日酒に溺れることはもう一生ないでしょう。

東京ではあちこちですでに満開になっているようですが、うちの近所はまだ三分から五分咲きというところです。
風が強かったのでコートを羽織り、桜の幹にもたれてビールをちびちび飲みながら花を眺めていると、春の訪れというより明日からの寒の戻りを感じました。
ヒヨドリでしょうか、鳥が何羽か枝を渡り歩いては花を突ついていました。

私は病気のため、仕事ができません。
しかしそのぶん平日の時間は自由に使えるので、「みんないま仕事してるんだろうなあ」と、優越感とも罪悪感ともつかないものを感じました。

私は仕事をしたくなくて仕事をしないのではありません。
病気で仕事ができなくなってから、もう 10 年以上が経ちました。
いちばん働き盛りである 50 代を、ほとんど無益に生きてきました。

今後、鬱病が改善することはほとんど望めませんし、仮に治ったとしてももう仕事のあてがありません。
たとえ働けてもそのぶん生活保護費が減らされるのですから、意欲もわきません。
ひとりで桜を眺めても、楽しさは感じません。


おそらく週明けには、近所の桜も満開になり、多くの花見客が訪れるでしょう。
今週末がどこかで花見の予定という人は、防寒対策を万全にお楽しみください。
それからゴミは必ず持ち帰ること。最低限のマナーです。

行き先間違い

2019-03-27 13:12:28 | にゃんころ
ロイターとCNNによると、イギリスのBA(ブリティッシュエアウェイズ)のロンドン発デュッセルドルフ行き飛行機が、間違えてスコットランドのエジンバラに行ってしまったそうです。

着陸してから機長が「えーと、ドイツに行きたい人、手を挙げて」。もちろん全員が挙手。
「すんません、燃料を積みなおしてから行きます」

全員行きたいから乗ってるんじゃねえかよ。手を挙げてじゃねえよ。

まあ暴れたりする客はいなかったようで、みんなおもしろがって家に電話をかけたりして、最終的には無事にデュッセルドルフまで着いたとか。
笑い話で済んだからいいようなものの、窓からの景色を知っている人は真っ先にハイジャックを疑いますよ。
EU離脱騒ぎといい、何やってんだイギリス。

……と思って調べてみると、この便はBAシティー・フライヤー(系列のLCC?)がドイツのWDLアビエーション(ドイツのLCC?)に委託して、WDLの機材と乗務員で飛ばした、いわゆる臨時便のようです。
話がどこで食い違ったのか、機長は間違ったフライトプランを持ち込んでその通りに飛んだ。
こうなるとドイツも怪しくなってきます。

管制官に責任はないでしょう。
エジンバラの管制塔は空港およびその周辺の交通整理が仕事ですから、臨時便が近づいても適切に誘導するだけです。
ロンドンの管制塔にも同じことがいえます。離陸許可を求められたら離陸させるのが役目です。


私は国内、海外含めて何百回も飛行機に乗りましたが、行き先を間違えた事もバゲージロストも、ましてハイジャックにも緊急事態にも墜落にも遭遇していません。
1回だけ羽田で、滑走路に着陸寸前にまた上昇して「着陸をやり直します」というのはありましたけどね。

親しかった友人のカップルがネパールでの墜落事故で亡くなったので、彼らが見守ってくれているのでしょう。

夫婦別姓

2019-03-26 14:46:50 | にゃんころ
「夫婦別姓を選べる法制度がないのは憲法に違反する」と国を訴えた、いわゆる夫婦別姓訴訟に対して裁判所は訴えを棄却しました。

どうなんでしょうかねえ。
確かに女性の社会進出や晩婚化が進んで、結婚で苗字が変わるといろいろ不便な事情もあるでしょう。
また、昔は女性は男性の「家」に嫁ぐものでしたが、すでに結婚は個人と個人の結びつきという概念が定着しているので、家の象徴である名字をどちらかが(ほとんどの場合は女性が)変更しなければいけない、という決まりに違和感を覚える人もいるでしょう。

日本では大昔(平安時代以前)、氏(うじ)と姓(かばね)は異なるものでした。
氏とは血縁集団の呼び名、姓とは天皇から授かった称号です。
そして次第に、貴族の名字は家名や居住地から、武士の名字は領地からつけられるようになりました。

まあ大昔のことはどうでもいい。

織田信長の正式名称は、平朝臣織田三郎信長(たいらのあそんおださぶろうのぶなが)という大変長い正式名称がありました。
平は一族を表す「氏(うじ)」、朝臣は地位を表す「姓(かばね)」、織田は血族を表す「名字(みょうじ)」、三郎は通称を表す「字(あざな)」、信長は個人の本名を表す「諱(いみな)」だそうです。

町民や農民も名字を持っていました。
名字帯刀が禁止されていたので公には使いませんでしたが、日常生活では非公式に用いられていたのです。
公式に平民に名字を使うことを許されたのは、明治維新直後のことです。

そして数年後には「必ず名字を使いなさい、ない人は勝手につけていいけれど勝手に変えることは許しません」という法律ができました。
これ以降、日本人は必ず名字と名前を持つことになったのです。


さて、話を戻しましょう。
現在の法律では、同姓にしなければ夫婦にはなれません。
これを時代にそぐわないと考える人が少しずつ増えている、というのが今回の訴訟の背景にあります。

私は結婚する時、妻の名字に変えてもかまわないと思っていましたが、逆に元妻が私の名字にしたいというのでそうなりました。
自分の戸籍上の名字が変わっても元の名字を通名として使い続けただろうし、何より子供の名字をどちらにするかで揉め事を起こしたくありませんでした。
離婚をして、長女とは音信不通になったので知りませんが、次女は私の名字を使い続けています。

要するに「同姓でもいいじゃん、単なる書類上のことだし、いくらでもどうにでもなるんだし」というのが私の見解です。
確かに多少の不便はありますが、我慢できないほどではないと思うのですよ。

スウェーデンだっけ、どこかの国では結婚してすぐ離婚し、ひとつの家にふたつの表札を掲げている夫婦がけっこう多いと聞きます。
そのほうが税金が安いそうです。
遺産なんか遺言状でどうにでもなるし、わざわざ訴訟を起こしてまで夫婦別姓を認めさせる必然性は乏しいのではないでしょうか。

これはあくまで私の考えです。みなさんは、いかがですか。

鳥飼

2019-03-25 14:08:03 | にゃんころ
私は観ていないのですが、「ぽつんとある一軒家を訪れる」番組があって、きのうの番組では熊本の酒蔵「鳥飼」だったそうです。

酒蔵の土地だけではなく周辺の広大な山などの土地を所有していて、そこが産廃業者に買われそうになった時は先回りして買い、荒れた山を時間をかけて整備していったとか。
酒蔵にとって、いい水は命ですからね。

で、問題はそこじゃない。
知人が連絡してきて「あなたの家で『鳥飼』のラベルの瓶をいちどだけ見たことがある」というのです。

私は自分で買ったことはない。これは確かな記憶です。
もしかしたら大学教員時代に、指導した学生や卒業生に貰ったのかもしれません。
この記憶がない。ほんの十数年前のことなのに。

検索して調べてみるとかなり特徴的なデザインのラベルで、いちど見れば忘れないタイプです。
私は日本酒にはかなり詳しいですが、鳥飼を飲んだ記憶がない。
しかし知人は確かに私の家で見たというのです。

まだぎりぎり還暦前なのに、私の記憶はもうあちこちが欠けています。
年齢のせいか、それとも鬱病のせいか、あるいはすでに初期の認知症なのか。

2日続けて暗い話題ですみません。

漂流郵便局

2019-03-24 21:26:16 | にゃんころ
きょうテレビで観たのですが、香川県のある小島に「漂流郵便局」というものがあるそうです。

本来、宛先が不明の郵便物は差出人に戻されますが、ここは「漂流郵便局宛ての手紙」、つまり最初から届けるつもりのない郵便物が送られてきます。
たとえば「天国のおばあちゃんへ」「酔っ払いすぎた昨夜の私へ」「戦死した婚約者へ」「ボイジャー1号へ」など、自分の思いのたけを手紙にしたためずにはいられない、そんな人たちのための「作品」です。

もともとは一時的なコンセプト作品として、廃止された郵便局を使って設置されたものですが、とても評判がよかったので恒常的施設になりました。
これまで送られてきた数万通の手紙は漂流郵便局の消印が押され、定期的に公開され誰でも閲覧できます。
評判が評判を呼び、いまでは海外でもあちこちに同様の郵便局ができているとか。

私はツイッターなどの SNS は使いません。
このブログには読者の人のコメントはないものの、毎日数十人が読んでくれています。
やっていることは、漂流郵便局と似ているかもしれません。

異なるのは、「確実に読んでくれる人がいる」、つまり私が誰にも吐き出せないものは心の奥に留めたままだということです。

元号が変わったらすぐ、私は還暦を迎えます。
これまでの人生を振り返ると小学校から現在に至るまで、脳裏に浮かぶのは嫌な経験ばかりです。
そんな話、ここに書いても誰も読みたくないでしょ。

だからこのブログは、私の人生という大量の泥水の、ほんの少しの上澄みをすくい取って書いているのです。

年齢差

2019-03-23 15:50:59 | にゃんころ
先日申し上げたように、私の次女は早生まれなので、長女とは2年近く誕生日が離れていますが、学年上は年子です。

さて、読者のみなさんは独身か既婚か、あるいはもうお子さんがおいでかもしれません。
子育てをする立場として、子供の年齢はどれくらい離れていたほうが望ましいと思いますか?

年子のように年齢が近ければ、子育ての負担は想像を絶するものがあります。
私は幸い、歩いて近い区立の保育所にふたりとも入所できたので少なからず助かりましたが、それでも数年間は台風のような日々でした。
元妻とは毎日のように喧嘩をし、心が折れそうになったことも1回や2回ではありません。

逆に年齢が離れていると、上の子が子育てを手伝ってくれる利点はありますが、新生児や乳幼児の世話をする期間は長くなります。
また妻が働いている場合、子育てのためにフルタイムで働くのが困難になる期間も長くなり、社会との関わり方が難しくなる点も足かせになります。

私と元妻は前者を選んだので、年齢の離れた子供を持ったことがありません。
受験や入学卒業は必ず2年続きで重ならないし、服や教材やおもちゃはすぐにお下がりを使えるし、最初の数年間の嵐さえ乗り越えれば後は楽なものでした。

ただ弊害も大きくて、妻が「私の妻」ではなく完全に「私の子供の母親」になってしまいました。
これが離婚の原因のひとつになったことは否めません。

子供は授かりものだし、子育て事情は夫婦の数だけありますから、どちらがいいとか悪いとか決めつけられる話ではありません。


長女も次女もアラサーを迎えました。
彼女たちは、何を選択するのでしょうか。
自分自身と、次の世代のために。

イチロー

2019-03-22 15:09:24 | にゃんころ
イチローが引退しました。

彼については私がいくら褒めても陳腐なことばにすぎません。
テレビをつければ、書店に行けば、イチローが現役でいる、それが当たり前になりすぎて、イチローのいない MLB をいまは想像できません。

BSで記者会見があるというので録画していたのですが、何を狂ったか会見の途中で CM が入ったため、レコーダが番組の終わりだと解釈して途中までしか録画できませんでした。
何を考えてんだBS日テレ。

60 年前、80 年前、時には 100 年前の記録を塗り替え、おそらく永遠に語り継がれるであろう不世出のイチローは、これからどこに進むのでしょうか。
本人が「絶対に」監督の道はないと断言しているので、プロの指導者の可能性はないでしょう。
本当に草野球でも続けるのか。
私たちにはわかりません。


いまはとにかく「ありがとう、お疲れ様」というだけです。