盗人宿

いまは、わかる方だけ、おいでいただければ。

「たられば」は、ないけれど

2023-10-29 06:06:19 | にゃんころ
ラグビーW杯決勝戦で、南アフリカがニュージーランドを下して連覇を果たしました。

W杯決勝で史上初めてイエローカードが3枚出る波乱の試合。
ニュージーランドのサム・ケインが早い時間にレッドで退場し、ニュージーランドはひとり少ないプレーを余儀なくされました。
一方の南アフリカも試合開始早々、専門職であるフッカーを失いました。
そして過去3回の決勝で南アフリカがいちども許さなかったトライをニュージーランドが奪いました。

あのコンバージョンキックが、そしてその後のペナルティキックが、もし決まっていたら。

いや、たらればは、ないのです。
決勝トーナメントをすべて1点差で勝ち進んだ南アフリカ、4回目の優勝、本当におめでとう。
そして、すばらしい試合を見せてくれたニュージーランド、本当にありがとう。

私も還暦をとうに過ぎ、気軽に「4年後が楽しみ」といえる身分ではありません。
今回は予選リーグで敗退したオーストラリアが4年後の母国開催で劇的な復活を果たすのか、出場国が拡大されて期間が短縮される大会はどのようなものなのか、もしかすると私は目にすることができないかもしれません。
もともと更新の少ないこのブログですが、またラグビーW杯の話題をここで語れることを願っています。
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八冠達成

2023-10-12 19:38:52 | にゃんころ
将棋の藤井聡太七冠が、永瀬拓也王座を破って八冠を達成しました。

これがどれくらい凄いことなのか、いまさら私がここで語る必要もないでしょう。
新聞は一般紙もスポーツ紙も一面トップ、地上波のニュースもワイドショーも各局がすべて時間を割き、政府は内閣総理大臣顕彰を送る検討を始めました。
かつて羽生善治現九段が七冠を達成したのが25歳の時。当時はまだタイトルは7つだけだったのでこれも全冠制覇で、こんな事はもう二度と起こらないだろうと(羽生自身も含めて)誰もがいっていました。
それを21歳の藤井がプロ7年目で成し遂げたのです。

振り返ってみると、不思議な対局でした。
第1局は後手番の永瀬が勝ち、事前に「自分は人間をやめる。やめないと七冠には勝てない」と語っていた永瀬の覚悟と研究は本物かとみんな思いました。
ところが第2局では後手番の藤井が入玉(自分の玉が相手陣に攻め込むことで、これをやると盤上の点数勝負になる)に持ち込み、しかも点数ではなく相手の玉を詰ませて勝利。
これを引きずったのでしょうか、第3局と第4局はいずれも永瀬があと一手で藤井玉を詰ませられるところまで優位に進めながら、最後の最後で永瀬に痛恨のミスが出て逆転負けしました。

永瀬は人間をやめ切れなかった。最後に人間らしいミスをした。

藤井は常々「人間はミスをする生き物」と語っています。
デビュー以降の藤井の勝率は毎年8割を上回っていますが、裏を返せば6回に1回くらいは負けているのです。
しかしタイトル戦の五番勝負や七番勝負では、これまで18回のうち17回は完封か1敗で勝ち抜けて奪取や防衛をしています。
唯一藤井から2勝したのは、羽生九段だけです。

考えてみれば、生涯勝率8割超えを相手に、短期決戦で勝ち越すことは至難の業です。
いくら激戦の予選を勝ち抜いて勢いのある挑戦者でも、毎月のようにタイトル戦をこなしている藤井に勝つのは難しい。
十数年後はわからないにしても、今後数年は藤井の天下が続くのではないでしょうか。
羽生七冠は約半年でひとつ失冠し、その後再び七冠に返り咲くことはありませんでした。
果たして藤井一強の日々は、いつまで続くのでしょうか。
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負けてしまいました

2023-10-08 22:46:42 | にゃんころ
日本がアルゼンチンに敗れ、予選リーグ敗退が決まりました。

実力差がそのまま出たというのでしょうか、バックスの個人の突進力は明らかに相手が上でした。
そして最大の敗因は、自陣での反則によるアドバンテージでした。
私の記憶では相手トライの3本は、日本の反則のアドバンテージから生まれたものです。
攻め込んで相手に反則をさせてこそ日本の持ち味が発揮されるのに、これでは正反対です。
前半を僅差で折り返しただけに、後半での息切れが悔やまれます。

8年前に南アフリカを、4年前にイングランドを破り、「もうジャイアントキリングとはいわせない」と讃えられた日本。
そこにマイケル・リーチという精神的支柱があったのは確かです。
しかし年齢的に4年後は、彼はもういません。
彼だけではなく、多くのポジションで若手の台頭が不可欠です。
あのオーストラリアでさえ、今回は決勝Tに進めませんでした。
日本はまた、100点差で負けるチームになってしまうのでしょうか。
それともベスト8の常連に生まれ変わるのでしょうか。

何はともあれ日本代表、本当にお疲れ様でした。4年後を楽しみにしています。
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こちらは順調な滑り出し

2023-10-07 16:49:31 | にゃんころ
将棋の竜王戦七番勝負第一局、さっき先手の伊藤匠挑戦者が投了して、後手の藤井聡太七冠が先勝しました。

残り時間は伊藤が30分、藤井が1時間。
終盤に圧倒的な戦力を持つ藤井に残り時間で上回られたということは、遡ってきのうの1日目の封じ手時点ですでに勝勢は傾いていたわけです。

将棋に詳しい人ばかりではないでしょうから(私も詳しくない)詳細には踏み込みませんが、伊藤が右辺の端歩を突いたところで藤井が応じて同歩で取っていれば、若干先手が有利だったようです。
藤井はそれにかまわず別の手を指した。これは両者の研究のぶつかり合いだったのでしょう。

封じ手の時点で評価値は伊藤40%、藤井60%。残り時間も藤井が1時間多く残していました。
藤井と同学年で、今回も竜王リーグ5組から破竹の勢いで勝ち上がって挑戦者となった「対藤井の最新兵器」伊藤も、さすがにここから逆転するのは無理だったようです。

第2局は17・18日に行われます。
勢いに乗る伊藤を後手番で破って先勝した藤井は、かなり有利になりました。
もしかすると11月の上旬には、藤井の八冠達成と竜王防衛の両方が実現しているかもしれません。
できれば私が生きている間に、八冠は達成してほしい。こんな機会は二度とないでしょうから。
そしてひとつでも多く防衛して、ひとつでも多く永世称号を取ってほしい。
これが年寄りのささやかな願いです。
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わかりやすくなった

2023-10-01 03:23:01 | にゃんころ
ラグビーのW杯、アルゼンチン対チリ戦は、予想通りアルゼンチンが大差でチリに勝ち、4トライ以上のボーナスポイントも手に入れました。
この結果、日本とアルゼンチンは勝ち点で並びましたが、得失点差でアルゼンチンが日本を上回って2位に、日本は3位になりました。

つまり日本は直接対決の最終戦で「勝ったほうが決勝Tに進出」するわけで、引き分けでは予選敗退です。

日本としては勝ち以外の道がない崖っぷちに追い込まれたわけですが、逆に考えれば前回のW杯のように「もしも何点差以上で勝ったら」「他の試合の結果次第では」などはまったく関係なく、勝てば前進できる、負けても引き分けでも終わりという実にわかりやすいシンプルな図式になったといえます。

前回の記事でも申し上げたように、日本はサモア戦で3トライに留まりボーナスポイントを獲得できませんでした。
後半終了間際にマイボールにしながら、4トライ目を狙わずに安全策で試合を終わらせたのです。
もう過ぎたことに「たられば」はありませんが、もしもここで4トライ目を狙って仮に成功していれば、勝ち点でアルゼンチンを1上回り、直接対決で引き分けても決勝T進出でした。
試合後にヘッドコーチや選手たちから「ぬるい試合だった(厳しさが足りなかった)」という感想が漏れたのは、つまりそういうことです。

後半に押し込まれて僅差でしか勝てなかったけれど、休養日が2日多い日本。
大差で勝って勢いに乗っているけれど、休養日が少ないアルゼンチン。
事前のランキングはアルゼンチンが上ですが、すでに敗退が決まっていたチリを相手の試合は参考になりません。
まさにどちらが勝ってもおかしくない直接対決といえるでしょう。

前回と同じことをいいます。勝てばいいんです、勝てば。
いまの日本には勝てるポテンシャルが充分にあります。
大切なのは大一番で「ぬるい試合」を繰り返さないことです。

うちの黒猫は、いま15歳。
4年後のW杯まで生きているか微妙なところなので、意味もなく写真を貼っておきます。
古い写真なので黒々していますが、いまは顔にも髭にも白髪が増えました。


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