スポーツ中継の、もうひとつの話。
いま、カーリングの世界選手権で、中部電力チームが戦っています。
日本女性には珍しく「おれはやるぜおれはやるぜ」と、まるで修学旅行の高校生がメンチ切る相手を探して歩いているような、攻撃的戦術を得意とするチームです。
現時点で4勝2敗。オリンピック出場に向けて好位置につけています。
「氷上のチェス」といわれるカーリング。じりじりしながらの観戦は、楽しませてくれます。
で、いいたいのは、このNHKの中継で、解説してる人。
敦賀信人。
ご存知でしょ?
長野オリンピック、対アメリカ戦。すでにラストの第10エンド。
場面はサークルの中にごちゃごちゃストーンがある乱戦模様、得点は同点。これを取ったほうが勝ち。
先攻の日本、弱冠二十歳のスキップの敦賀が最終の一投で会心のショットを見せる。第1ストーンは日本。これを守り切れば日本の勝利。
ところがアメリカのスキップが、信じられないようなショットをする。
密集しているストーンに当てて当てて当てて当てて、自陣のストーンを中心に押し込んだ。
わずか数センチの差で、アメリカの勝利。
その彼が解説をしているのですよ。
日本にカーリングを広めた最大の功労者といってもよいでしょう。
当時二十歳だから、いまでもまだ30代。
その彼の解説に、私はやられてしまったのです。
もちろん技術的なことは超一流。的確な解説は見事なものです。
でも私が魅入られたのは、そこじゃない。
彼は、日本の対戦相手チームの選手も「さん」づけで呼ぶのです。
考えてみりゃ、こんなもん当たり前なんですよね。
「弊社の社長さんは」などといってはいけない、新入社員なら誰でも叩き込まれますよね。
身内に敬語は使わない。日本語の鉄則です。
しかし国際試合の中継で、日本人を「何々くん、何々さん」と呼んで相手国の選手を呼び捨てにする解説者の、なんと多いことか。
当たり前のことを、誰もできていないのです。
完全にスポーツができるだけの筋肉馬鹿です。
これに輪をかけて、選手を愛称で呼ぶ超弩級の馬鹿までいます。
「りょうくん」じゃねえだろ「石川」だろ。「あいちゃん」じゃねえだろ「宮里」だろ。「まおちゃん」じゃねえだろ「浅田」だろ。
てめえらが内輪で何と呼ぼうがかまわんけど、公共の電波だろ。対外的な場面で、てめえの社長や社員を「何々ちゃん」って呼ぶか?
そんなスポーツ中継に辟易し続けていたから、敦賀氏の解説は、とても心地よいのです。
当たり前のことを当たり前にやる、
そんな当たり前のことすらできない解説者が蔓延っているから、彼の解説はとても落ち着く。
「解説者はその世界に詳しい人を」。これはまあ理解できないでもありません。
騒々しいだけの素人や芸人を解説に呼ばれても困りますしね。
WBCの中継の中居は、ほんとに不快でしかなかった。ああいうのはいらないどころか、こられると迷惑する。
でも、詳しいなら誰でもいい、ということでもないのですよ。
最低でも世間の礼儀作法をわきまえた人でなければいけない。
それが公共のメディアというものです。
決してまだメジャーになったとはいえない、カーリング。
そこに、逸材がいた。
私はこれを評価したい。応援したい。
当たり前のことを当たり前にできる人を、応援したい。
あ、中部電力チームも、応援してますよ。がんばれぇ。
いま、カーリングの世界選手権で、中部電力チームが戦っています。
日本女性には珍しく「おれはやるぜおれはやるぜ」と、まるで修学旅行の高校生がメンチ切る相手を探して歩いているような、攻撃的戦術を得意とするチームです。
現時点で4勝2敗。オリンピック出場に向けて好位置につけています。
「氷上のチェス」といわれるカーリング。じりじりしながらの観戦は、楽しませてくれます。
で、いいたいのは、このNHKの中継で、解説してる人。
敦賀信人。
ご存知でしょ?
長野オリンピック、対アメリカ戦。すでにラストの第10エンド。
場面はサークルの中にごちゃごちゃストーンがある乱戦模様、得点は同点。これを取ったほうが勝ち。
先攻の日本、弱冠二十歳のスキップの敦賀が最終の一投で会心のショットを見せる。第1ストーンは日本。これを守り切れば日本の勝利。
ところがアメリカのスキップが、信じられないようなショットをする。
密集しているストーンに当てて当てて当てて当てて、自陣のストーンを中心に押し込んだ。
わずか数センチの差で、アメリカの勝利。
その彼が解説をしているのですよ。
日本にカーリングを広めた最大の功労者といってもよいでしょう。
当時二十歳だから、いまでもまだ30代。
その彼の解説に、私はやられてしまったのです。
もちろん技術的なことは超一流。的確な解説は見事なものです。
でも私が魅入られたのは、そこじゃない。
彼は、日本の対戦相手チームの選手も「さん」づけで呼ぶのです。
考えてみりゃ、こんなもん当たり前なんですよね。
「弊社の社長さんは」などといってはいけない、新入社員なら誰でも叩き込まれますよね。
身内に敬語は使わない。日本語の鉄則です。
しかし国際試合の中継で、日本人を「何々くん、何々さん」と呼んで相手国の選手を呼び捨てにする解説者の、なんと多いことか。
当たり前のことを、誰もできていないのです。
完全にスポーツができるだけの筋肉馬鹿です。
これに輪をかけて、選手を愛称で呼ぶ超弩級の馬鹿までいます。
「りょうくん」じゃねえだろ「石川」だろ。「あいちゃん」じゃねえだろ「宮里」だろ。「まおちゃん」じゃねえだろ「浅田」だろ。
てめえらが内輪で何と呼ぼうがかまわんけど、公共の電波だろ。対外的な場面で、てめえの社長や社員を「何々ちゃん」って呼ぶか?
そんなスポーツ中継に辟易し続けていたから、敦賀氏の解説は、とても心地よいのです。
当たり前のことを当たり前にやる、
そんな当たり前のことすらできない解説者が蔓延っているから、彼の解説はとても落ち着く。
「解説者はその世界に詳しい人を」。これはまあ理解できないでもありません。
騒々しいだけの素人や芸人を解説に呼ばれても困りますしね。
WBCの中継の中居は、ほんとに不快でしかなかった。ああいうのはいらないどころか、こられると迷惑する。
でも、詳しいなら誰でもいい、ということでもないのですよ。
最低でも世間の礼儀作法をわきまえた人でなければいけない。
それが公共のメディアというものです。
決してまだメジャーになったとはいえない、カーリング。
そこに、逸材がいた。
私はこれを評価したい。応援したい。
当たり前のことを当たり前にできる人を、応援したい。
あ、中部電力チームも、応援してますよ。がんばれぇ。