盗人宿

いまは、わかる方だけ、おいでいただければ。

3作目

2020-02-22 19:12:35 | YouTube
ようやく YouTube に、新作を上げられました。

【落語にしてみた】江戸川乱歩「押絵と旅する男」

江戸川乱歩といえば、過剰なまでに猟奇的でおどろおどろしい描写で知られています。
今回の短編にもそのような描写があったのですが、それを完全に削り取って再構築したら、怪談噺というよりファンタジーになってしまいました。

聞いた話によると、いつも自分の作品に対して評価の辛い乱歩が、この短編については「まあうまく書けたのではなかろうか」と珍しく褒めたといいます。
もしかすると乱歩の猟奇的描写は出版社からのリクエストで(もちろん本人も得意だったけれど)、実は内面的にはファンタジスタの要素も持っていたのではないか、という気がしました。

正直いって「押絵と旅する男」は、完全なご都合主義です。
二等車の客を車掌が確認しにこないはずはなく、弟が後をつけた日に限って「たまたま」相手を見つけるのは出来すぎています。
また覗きからくり屋が連続ものの押絵の中から1枚だけ売ってくれるはずもなく、もう日暮れだというのに浅草から日本橋まで往復して金を持っていっても、とっくに帰っているはず。

そんな矛盾だらけの文章にしてでも、乱歩は「兄が生きたまま押絵の中に入って人形の女性と結ばれる」というプロットを描きたかったのでしょう。
乱歩を見る目が、少しだけ変わった気がします。

さて、次の作品は新美南吉の「丘の銅像」です。
すでに叩き台を作れる直前まで、脚本はできています。
今月は無理としても、来月中には公開できるでしょう。

200のタイミング

2020-02-04 22:01:12 | YouTube
昨年の12月23日の21時頃に YouTube にアップした「泣き童子」が、本日の21時頃に視聴数が 200 に到達しました。
43 日と「何時間」ではなく、43 日ぴったり。めでたい。

「たかが 200 で騒ぐな」とお思いになるかもしれませんが、あのねえ、YouTube で何万とか何百万とか視聴数を稼いでいる動画、見てみなさいよ。
テレビ番組や DVD を違法にアップロードしているものばかりでしょ。
そりゃ全部とはいいません。他には芸能人とか、何かですでに有名な人はチャンネル登録者も動画も数値は高いですよね。
あるいは自宅いっぱいにピタゴラ装置を作る力技とか。

でもねえ、無名の市井人の作品が一日平均で5回弱の視聴を得るって、大変なことなんですよ。

「泣き童子」は宮部みゆき氏のネームバリューに助けられて、コンスタントに数値を稼がせていただいています。
でもさすがに1時間は長かったのか、最初の数分でやめてしまう人が多いですね。
最後までお聴きいただけるのは、3割くらいの人です。

2作目の「つぐみ」は、グリム童話集初版というアピールポイントがまったく役に立たず、何週間も視聴が1桁のまま眠っています。
とにかく新規の視聴者を稼ぐには、物量が必要です。
もっともっと作品をアップして、「あ、この人、こんなのも作ってたのか」と気付いていただかねばなりません。

いま、制作中のものが2作品あるのですが、来週になるまで作業の続きができません。
というのは、アップ前に作品を添削してアドバイスをくれる人、いわば私の相棒ですが、この人が今週末に大切な試験を控えているので、それが終わるまで作業はストップなのですよ。

頭と口のリハビリのために始めたシリーズですから、焦らず、しかしサボらず、深夜に叩き台を録音し図書館であらたなネタを探す毎日です。
1週間とか1ヶ月とかでなく、年単位で続けていきたいと考えています。

どうぞ今後ともご贔屓に。