さて、ビールといえば、泡。
あの泡は発酵段階で発生した泡を封じ込めた天然のものです。
コーラやサイダーのように、後から二酸化炭素を溶かし込んだものではありません。
市販のビールは、発酵時の泡が逃げないように、瓶や缶に詰めるまですべて高圧状態で作ります。
自作の漬物樽では不可能なので、発酵が終わったビールはいわゆる「気が抜けた」ものになります。
これでは困ります。何とかしなくてはなりません。
以前に実験のところでお話ししたように、発酵が収まるとジュースは透明な酒と底に溜まった澱になります。
つまりイーストは大部分が役目を終えて死にます。
しかし酒の中にも澱の中にも、まだ生きているイーストはたくさん含まれているのです。
これを利用しましょう。
7.空ボトルに砂糖を入れる
清潔な空ボトルに砂糖をいれます。
500ml のボトルなら砂糖は 2.5g が適量。
何十本も計量するのは面倒なので、5g 入りのスティックタイプの砂糖を買ってきて、1本のスティックを2本のボトルに分けていれれば簡単です。
この砂糖を「プライミングシュガー」といいます。
8.ビールをボトルに詰める
砂糖を入れたボトルにビールを注ぎ入れ、栓を閉めます。
玉杓子と漏斗を使ってもいいし、細いビニールチューブでサイフォンの原理で次々に注ぎ入れてもいい。
この時、あまりぎりぎりまで入れず、若干の余裕(口から 3cm くらい)を持たせてください。
入れすぎると内部の圧力が上がりすぎて、蓋が開かなくなります。
再び糖を得たことで、ビールに残っていたイーストが再び発酵と増殖を始めます。
今度は密閉されているので、二酸化炭素は逃げずにビールに溶け込みます。
これで市販のビール同様、豊かな泡の立つビールができるのです。
プライミングシュガーが全部溶けてボトルがぱんぱんに硬くなるまで、まあ1~2週間というところでしょうか。
後は冷蔵庫で冷やして飲むだけです。
500ml のビールが市販で 300 円くらい。50 本で1万円以上はします。
ビールキットはだいたい2千円前後ですから、金銭的には大きな差になります。
器具などの初期投資、煮込む光熱費、手間などを考えても、ビールは自分で作る価値が充分あります。
また、日本で売られているビールはほとんどすべて、すっきりした飲み口の「ピルスナー」タイプです。
アルコール度数は5度(5%)前後。
ところが世界には実に様々なタイプのビールがあって、重厚な飲み口だったり 10 度以上のビールもあります。
いろいろなキットで飲み心地の違いを楽しめるのも、自作の大きなメリットです。
さて、ビール作り、いかがでしたか。
この文章を読み始めてから作り始めても飲めるのは数週間後ですから、いま感想をお訊ねしても答えようがないでしょうが、「酒は自分で作れる、しかも本格的なものが」とわかっただけでも儲け物です。
みなさんもいちど、ぜひ試して、味わってください。
次回からは、ワイン作りについて説明します。
あの泡は発酵段階で発生した泡を封じ込めた天然のものです。
コーラやサイダーのように、後から二酸化炭素を溶かし込んだものではありません。
市販のビールは、発酵時の泡が逃げないように、瓶や缶に詰めるまですべて高圧状態で作ります。
自作の漬物樽では不可能なので、発酵が終わったビールはいわゆる「気が抜けた」ものになります。
これでは困ります。何とかしなくてはなりません。
以前に実験のところでお話ししたように、発酵が収まるとジュースは透明な酒と底に溜まった澱になります。
つまりイーストは大部分が役目を終えて死にます。
しかし酒の中にも澱の中にも、まだ生きているイーストはたくさん含まれているのです。
これを利用しましょう。
7.空ボトルに砂糖を入れる
清潔な空ボトルに砂糖をいれます。
500ml のボトルなら砂糖は 2.5g が適量。
何十本も計量するのは面倒なので、5g 入りのスティックタイプの砂糖を買ってきて、1本のスティックを2本のボトルに分けていれれば簡単です。
この砂糖を「プライミングシュガー」といいます。
8.ビールをボトルに詰める
砂糖を入れたボトルにビールを注ぎ入れ、栓を閉めます。
玉杓子と漏斗を使ってもいいし、細いビニールチューブでサイフォンの原理で次々に注ぎ入れてもいい。
この時、あまりぎりぎりまで入れず、若干の余裕(口から 3cm くらい)を持たせてください。
入れすぎると内部の圧力が上がりすぎて、蓋が開かなくなります。
再び糖を得たことで、ビールに残っていたイーストが再び発酵と増殖を始めます。
今度は密閉されているので、二酸化炭素は逃げずにビールに溶け込みます。
これで市販のビール同様、豊かな泡の立つビールができるのです。
プライミングシュガーが全部溶けてボトルがぱんぱんに硬くなるまで、まあ1~2週間というところでしょうか。
後は冷蔵庫で冷やして飲むだけです。
500ml のビールが市販で 300 円くらい。50 本で1万円以上はします。
ビールキットはだいたい2千円前後ですから、金銭的には大きな差になります。
器具などの初期投資、煮込む光熱費、手間などを考えても、ビールは自分で作る価値が充分あります。
また、日本で売られているビールはほとんどすべて、すっきりした飲み口の「ピルスナー」タイプです。
アルコール度数は5度(5%)前後。
ところが世界には実に様々なタイプのビールがあって、重厚な飲み口だったり 10 度以上のビールもあります。
いろいろなキットで飲み心地の違いを楽しめるのも、自作の大きなメリットです。
さて、ビール作り、いかがでしたか。
この文章を読み始めてから作り始めても飲めるのは数週間後ですから、いま感想をお訊ねしても答えようがないでしょうが、「酒は自分で作れる、しかも本格的なものが」とわかっただけでも儲け物です。
みなさんもいちど、ぜひ試して、味わってください。
次回からは、ワイン作りについて説明します。