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モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

男鹿の海辺と花(2022年6月13日)

2022年06月25日 | 男鹿半島6,7月

男鹿はいつも毛無山や寒風山など山に咲く花ばかり扱っているが、
たまには海辺に咲く花を。

早朝、鵜ノ崎海岸から毛無山を望む。



鵜ノ崎海岸ではハマヒルガオやスナビキソウが盛りだった。

ハマヒルガオの群生






この日の早朝は小雨が降っていたが、昼顔は開花していた。
前日から開いていたものだろうか。

これは何だろう。仮にハマアカザとしておく。

ハマアカザ
 

                                            スナビキソウ

隣でスナビキソウ(ムラサキ科)が咲いていた。

ハーブの一種、ヘリオトロープに近縁と言われるが、今回、匂いを嗅がないでしまった。
花はムラサキ科にしては珍しく大きいが、古くなると赤さびのように変色する。

スナビキソウの大株。



早朝の鵜ノ崎海岸



この後、門前(五社堂)から毛無山に登山した。そちらで見た花は別テーマ頁で報告する(記録はこちら)。


毛無山から降りた後、
登山口近くの海岸の急斜面で橙黄色のカンゾウを見つけた。
花のサイズも草丈も大型なので、もしかしたらトビシマカンゾウかなと思った。

後で詳しい方に聞いたら、
以前はトビシマカンゾウと間違えられたこともあったが、

現在はゼンテイカ(ニッコウキスゲ)に一本化されているとのこと。
男鹿では極めて限られた場所に生育。そこは広葉樹林(主にシナノキ)になっているが、
全国的に見ても海岸林の中にこの花が咲くことは極めて珍しいそうだ。

ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)



ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)
 

                                              クサフジ




近くにクサフジの群生地もあったが、花は咲き出したばかりだった。
なおこの日の天気、早朝は小雨がぱらついていたが、昼前頃から晴れに変わっていた。

ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)やクサフジが咲く近くの海岸



男鹿、特に毛無山は植物に関してはとても面白い場所だ。

来るたびに予想しなかった種類と遭遇する。




土地の人の話では、この岩壁の辺りは希少植物の宝庫とのこと。
しかしロッククライミングの技術がないと・・・
それ以前に藪漕ぎの技術もないと近づくことすら容易ではない。


男鹿の門前(五社堂)近くの海岸には、帆掛島とゴジラ岩がある。
いつも通り過ぎるばかりなので、たまには寄ってみた。

帆掛島



ゴジラ岩の案内板



ゴジラ岩



ゴジラ岩
 

                                         エゾネギ

こちらはウミミドリ(サクラソウ科)。




この植物は潮だまりの中にも生える。塩分に対しては最強の草花かもしれない。


帰りに見た鵜ノ崎海岸三景。










条件が好ければ、ウユニ塩湖のようになるが、今回はそこまでは行かなかった。


男鹿には15日にも来ている。
その日の朝は雨がぱらつく天気だったが、珍しく鳥海山が見えた。




男鹿からは斯様に海越しの鳥海山が見える。

以上。

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七月初めの男鹿毛無山はどうだろう。(2021年7月3日)

2021年07月18日 | 男鹿半島6,7月

このところ山歩きは栗駒山月山と高山が続いているが、7月3日は低山、男鹿毛無山に行ってみた。
男鹿には厳冬期を除き、月一、二回のペースで通っているが、七月のアタマにはまだ行ってなかった。
案外、この時期には見知らぬ花がひっそりと咲いているかもしれない。
この日の天気は空の約半分が晴れ、残りが曇り。
鳥海山や奥羽山系の高い山はみな雲をかぶって見えないのに男鹿だけは晴れていた
前回、6月20日は雨だった)。

鵜ノ崎海岸から毛無山を望む。


鵜ノ崎海岸



五社堂の石段と裏道



毛無山を歩き出したら、すぐに小さな奇麗な木の花が目に留まった。

小さな奇麗な花が                                     
オオムラサキシキブ?
 

なんだろうと思ったら、ムラサキシキブの花。厳密にはオオムラサキシキブだと思う。

それにしても今日は暑い。五社堂までの間にぐっしょり汗をかいた。
後で下界の秋田市は32℃だったと知るが、山の中も30℃近かったことと思う。

五社堂



五社堂を過ぎ、高木樹林が切れると低木が主体の坂道になる。いつも何がしかの野花が咲くエリアだ

(春ならばカタクリ、スミレ類、シラネアオイ、キバナイカリソウ、ヤマツツジなど、
秋ならばタムラソウやトリカブトなど)が、
さすがに今の時期は花が少なかった。
それでもホタルブクロ、ウツボグサなどが咲いていた。

ホタルブクロはありふれた野草だが、何故か秋田県では極めて少ない。
よって男鹿三山は秋田では貴重な自生地と言えるかもしれない。

ホタルブクロ                                     ホタルサイコ
   


ホタルサイコは他の山ではめったに見かけないセリ科だが、男鹿には割と豊富だ。
今はまだ蕾、後で黄色い小花を咲かせる。

ウツボグサ                                        
オカトラノオ
   



更に登ると、本格的なブナ林になる。
林床は暗くなるので、草花は少なくなるが、個性的なブナの大木が次々と現れるので飽きが来ない。




お気に入りのブナの木                                マルバノイチヤクソウ
 


今回、或るブナの大木の根元には
ツルアリドオシが星をまき散らしたように咲いていた。
いつもならユーモラスな実を見つけて喜んでいる代物だが、花も最盛期にはけっこう見ごたえが有った。

ツルアリドオシの花



ツルアリドオシの花アップ                            或るブナの大木
 

マルバフユイチゴ



アキタスズムシソウの咲き残り 

 

                                           デワノタツナミソウ

デワノタツナミソウも少し咲き残っていた。
この花は六月下旬に一斉開花するが、その後も雪が降るまで散発的に開花する。
日本の野草としては珍しい開花パターンだ。

山頂部、春にオオサクラソウが咲き、登山者で賑わっていたエリアは深い草藪になっていた。

花は少なく、クガイソウが穂花を突き出している程度だった。

クガイソウ



クガイソウとヤマブキショウマ                            
ヤマブキショウマ
 
 


クモキリソウ




クモキリソウをもう一枚                                 
エゾアジサイ
 



オオサクラソウ・エリアから最高峰、本山を望む。



今回、花は少なかったが、山頂部の加茂青砂展望ポイントから見た日本海は青く奇麗だった。

展望ポイントから見た日本海と加茂青砂漁港


毛無山と最高峰・本山の山頂は自衛隊のレーダー基地になっているので立ち入り出来ない。
そのため個人的にはいつもこのポイントを山頂のように思っている。
ここで折り畳み椅子を出して昼飯にすることも多い。

最近、ここからの眺めが良くなったが、それは地元有志が下の方の立木を少し(無断で)伐採したためのようだ。
ところがここは環境省がチョウセンキバナアツモリソウなど希少植物保護のため、厳重に管理しているエリアだ。
この立木伐採に関係した地元民がおかみからお咎めを受けたという話を最近聞いた。


以上。

コメント (3)
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雲霧の男鹿三山を行く。(2021年6月20日)

2021年06月26日 | 男鹿半島6,7月

6月20日は悪天候ながらも男鹿へ行って来た。
この日は一昨年からやっている植物の保護パトロール当番日だった。
天気は初め霧だったが、後に本格的な雨になった。面倒くさくて雨合羽に替えなかったので、久しぶりにしっかりと濡れた。
このような天気なので今日は登山者も二名程度と少なく、また花も少なかった。

毛無山山頂部の小道
 



霧の中で見る樹木は奇怪なイメージだ。

毛無山のブナの木



ギンリョウソウがまだ残っていた。




今頃の男鹿三山は比較的、花の少ない時期だが、
昨年、一昨年はデワノタツナミソウとコケイランがみごとだった。 
⇒ こちら参照。
今年はどうだろうと少し期待してやって来たのだが、どちらも終盤に差し掛かっていた。
先月(5月24日)はヤマシャクヤクに逃げられたが、今年の男鹿は季節の推移が若干早い。
一週間早く来ておれば、もっとみごとだったろうと思うが、一応、今年の分として報告しておく。

デワノタツナミソウ群生


デワノタツナミソウ






デワノタツナミソウとコケイランの混生
 

                                                       コケイラン

この後は地味な花ばかり続ける。

まずはとても地味な野生ラン。
或る御方から男鹿に生えるセイタカスズムシソウはどうも違う種類らしい、「アキタスズムシ」とすべきといった話を聞いていた。
今回、ちょっと気を入れてネット検索してみたところ、
2019年に「アキタスズムシソウ Liparis longiracemosa」として、新種記載されていたことが判明した。
セイタカスズムシソウ Liparis japonica との違いは、(アキタの方が)唇弁が小さく、また側萼片が広く、花序が密だとのこと。

アキタスズムシソウ Liparis longiracemosa

 


この日は同じ Liparis (クモキリソウ属)のジガバチソウ Liparis krameri も咲いていた。こちらは緑花だ。
またスズムシソウは五月下旬から咲いていたが、まだ少し残っていた。

ジガバチソウ Liparis krameri 



ジガバチソウ Liparis krameri 
 
                                              スズムシソウ Liparis makinoana


男鹿には Liparis (クモキリソウ属)が多く、本家?のクモキリソウ Liparis kumokiri もあるが、こちらの開花はいつも七月だ。


たまには男鹿三山のひとつ、真山にも足を延ばしてみる。

フタツアイ付近の杉林小道
 
                                                   真山の天然杉


この杉の木は迫力が有った。巨大な象が咆えかかって来るような感じだった。




オオナルコユリ



同じオオナルコユリをちょっと角度を変えて。



オオナルコユリを低い姿勢で撮っていたら、それとは逆に上に白っぽい花が並んでいる小さな草が目に入った。




最初、何だろうと思ったが、これは山菜の「みず」として知られるウワバミソウだった。
近くにはフタリシズカも多かった。こちらは春に咲くヒトリシズカよりも大柄なのに地味で楚々としている。

ウワバミソウ
 

                                                    フタリシズカ

フタリシズカ



ここにはミヤマナルコユリも有った。




ヤグルマソウ
 

                                                       ツクバネソウ


以上。


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久しぶりの男鹿毛無山。(2020年7月18日)

2020年07月25日 | 男鹿半島6,7月

今年は三月以降、月二~四回のペースで男鹿に通っているが、七月になったらパタッと止まってしまった。
主な理由は、夏になったら男鹿に咲く花も少なくなったこと(植物パトロール当番も減少)、
また今年は例年になく梅雨のパワーがあり、晴れの日が少ない。
それでいて稀に訪れる梅雨の晴れ間は、多くの花が咲き出した他の高い山を優先せざるを得ない。
17,18日は二日続けて晴天に恵まれたので、17日は鳥海山へ(記録はこちら)。
そして余った(?)18日は男鹿に顔出しすることにした。

久しぶりなので海越しの男鹿からスタート。

出戸浜付近から男鹿三山を望む。



ここから見る男鹿三山は島のように見える。


鵜ノ崎海岸から毛無山。




反対側の海上遥かには鳥海山が見えた。




五社堂入口の緑は鬱蒼としてきた。

五社堂の参道、999段の石段。                                                                         テングタケだろうか。
 


五社堂


花はやはり少なかった。

オカトラノオ                                                                                         トリアシショウマ
 


ホタルサイコ                             ウツボグサ

 

奇形ブナのある付近。



空蝉                                これは・・・
 


ブナ林でひと休みしていたら落枝の先に透き通った翅の蝉がおとなしく留まっていた。
たぶん羽化したばかりでまだ飛べないのだろう。

初めヒグラシかと思ったが、ちょっと違う感じなので、よく調べもせずにエゾハルゼミにしちゃった。
なお今聞こえる蝉しぐれはエゾハルゼミではなくニイニイゼミに変わっていた。


オオカニコウモリ?                                                                                            イチヤクソウ

 

この坂道を登っていたら、もう一種、名前に蛍の付く花、ホタルブクロが道端に咲いていた。

                                    ホタルブクロ

 


ホタルブクロはありふれた野草だと思うが、何故か秋田県内では滅多に見かけない。

なのに男鹿ではあちこちで咲いている。
男鹿に花の種類が多いと感じるのは、このように県内でふだん見かけないような花がひょっこり咲いている点もある。


エゾアジサイ



山頂部に至ると、ランの仲間が出て来る。
まずはコイチヨウラン。超地味なランだが、八月以降は道端にうじゃうじゃ咲く。これは先発隊か。


コイチヨウラン                                                                                        クモキリソウ

 

クモキリソウのアップ                         ヤマブキショウマ
 


ヤマブキショウマとトリアシショウマは科が違う(前者はバラ科、後者はユキノシタ科)のに、
姿形はよく似ており、間違いやすい。
開花時期は前者が少し早いようで、男鹿毛無山ではヤマブキが山頂部に咲き残り、トリアシは山麓で咲き出したばかりだった。

山頂部に近いオオサクラソウ群生地は樹木の葉に覆われ、すっかり暗くなってしまった。
今、咲いているのはヤマブキショウマとクガイソウくらいだった。





クガイソウ



今回のラストは加茂青砂漁港を望むポイント。




以上。

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男鹿にデワノタツナミロードを見た。(2020年6月21日)

2020年06月27日 | 男鹿半島6,7月

6月21日は県境をまたぐ移動が解禁になった最初の日曜日。
天気もよく晴れ、山好きの皆さんは県境を越えて初夏の高山に向かったものと思うが、

 (´π`;)ワタシが向かった先は秋田のど真ん中?の低山、男鹿毛無山だった。
この日は男鹿のパトロール当番だったし、ある花がそろそろ見頃になっている頃だ。

天気も好いので今日は男鹿三山を最高のポイントから眺めてみた。

安全寺の棚田と男鹿三山



左の平らなのが毛無山、真ん中の高いのが本山、右が真山。


場所はなまはげ大橋。
橋の真ん中に路駐したまま撮影するのは危険なので、
橋近くのスペースに駐車し、橋の真ん中近くまでテクテク歩いて撮った。

反対側を見たら、日本海越しに白神山地も見えた。

日本海越しの白神山地






五社堂から歩き出して、まず咲いていたのが、この花、アオヤギソウ(シュロソウ)。


アオヤギソウ 
                                                                                           シュロソウ
 


シュロソウのアップ                           両方の雑種と思われる個体
 

アオヤギソウは秋田や岩手の他の山でもときどき見かけるが、男鹿のお山にはやたらと多い。
林の下が全てこの花で埋まっている場所もあるほど。一緒に暗赤色のシュロソウも有り、中間色の雑種?も多い。
よってどこまでがアオヤギソウでどこからシュロソウなのか分かりにくい。

今日の目当てはこちらの方。
登山道のあちこちでデワノタツナミソウが咲き出し、場所によっては、青紫の絨毯のようになっていた。

このタツナミソウは日本海側の低山に広く分布する(広島県にも有るらしい)が、発見地は男鹿だと聞いている。

デワノタツナミソウの群生





デワノタツナミソウのアップ
 





表題の「デワノタツナミロード」とはこの花が群れ咲く小道にワタシが勝手に付けた造語。
漢字をあてると、出羽ノ立浪となり、相撲部屋みたいな名前だ。
オオサクラソウ同様、男鹿の山を代表する花風景ではないかと思う。


 








この花、カタクリなどと同様、林の下の刈り払いをした場所を好むようだ。

ということは、登山道が手入れされなくなると(定期的な刈り払いが無くなると)消退する可能性がある。

ところどころでタツナミソウの花叢からコケイランが穂花を挙げていた。
このランはあちこちでよく見かけるが、男鹿には特に多い気がする。


コケイランとデワノタツナミソウ 
                                                           コケイラン
 

他に見かけたラン類。

前回も見たサイハイラン                                                                          ジガバチソウ
 


セイタカスズムシソウアキタスズムシソウ                                                                            スズムシソウの残り花
 


洞のあるミズナラの大木



ギンリョウソウの古花 
                                                                          マルバフユイチゴ
 


食菌のマスタケらしい。



マムシグサの仲間                                                                                   
シラネアオイは立派な実になっていた。
 

今回も終点は加茂青砂漁港の展望所。




以上。


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