モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

霧と深緑の男鹿三山へ。1(2023年6月7日)

2023年06月25日 | 男鹿半島6,7月

6月7日はどんより曇り空、男鹿三山に至っては雲に包まれていましたが、登ってまいりました。
このお山はチョウセンキバナアツモリソウを始めとした希少植物の宝庫です。
それらの花が盗掘されないように、春~秋は毎日、地元有志がパトロールしております。
曇天なのに私が行ったのは、そのパトロール当番が廻って来たからです。

五社堂に至る999段の石段。



両側の木は深緑となり、参道に覆いかぶさって来ました。

五社堂






最初に現れた花はサイハイランでした。

 



次に見た花。ではなく実はシラネアオイ。




五社堂のあたりはまだ景色が見えていましたが、

登って行くに従い、霧がだんだん濃くなっていきます。

 



やがては道の両側の樹木もこんな感じ。

 



登山者は誰も居ないかなと思っていたら、
ひとりだけ中年の男性が下りて来ました。

霧で何も見えないので、今日は登山を断念しましたと笑っていました。
この日は珍しく、他の登山者にはその後一人も遭いませんでした。
それでも土砂降りの雨が降ってるわけでもないので、パトロール登山は続行しました。

暗い山道に青紫の小さな花を見つけました。
デワノタツナミソウです。




 


全国各地から報告が有りますが、
発見されたのはこの男鹿の山だそうです。
今日は咲き出したばかりでしたが、
少し経つと道の両側がこの花で覆われみごとです(例えばこんな感じ。 ⇒  デワノタツナミロード)。


その後、見た地味な花たち。

光が弱く、撮影には難渋しました。
盲撃ちした中でピントの合っているものを幾つか。

ミヤマナルコユリ



トケンラン
 


その後、霧が晴れて来ました。

スズムシソウ






 
                                           アキタスズムシソウ


霧と深緑の男鹿三山へ。2」へ続く。

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2019年7月11,22日の男鹿三山

2022年08月06日 | 男鹿半島6,7月

(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)

例年ならば、7月は高山ばかりで、低山を訪ねることは皆無なのだが、
今年は男鹿のお山に毎月、それも二回以上、行くと決めた手前もあり、7月は11日と22日に訪ねている。
まずは7月11日の様子から。
五社堂の登り口はかなり鬱蒼とした感じになっていた。

五社堂の登り口



夏の低山は花がさっぱりの筈なのに、このお山に限ってはそうでもない。

地味なものばかりだが、いろいろ咲いていた。
オカトラノオは五社堂のすぐ上あたりに群生。   
クガイソウは毛無山、オオサクラソウ群生地にて。

オカトラノオ
 

                                          クガイソウ


シュロソウ?  
 
                                             アオヤギソウ?


男鹿の山林にはこのようなシュロソウ科の仲間がいっぱい生えている。

図鑑を見ると、花が紫褐色のものをシュロソウ、黄緑のものをアオヤギソウと呼んでいるが、
ここには両方が混生しており、中には中間的な色合いのものも有る。
何と呼んだらいいものやら。

見慣れぬ木の花を見つけた。

ムラサキシキブ?



何の花かしばらく迷ったが、どうやらムラサキシキブのようだ。秋の実りが愉しみだ。

他には、

ホタルサイコ
 

                                            ホタルブクロ

ホタルサイコは東北では海岸の草原でときどき、
高山では早池峰山で見ている程度だが、五社堂上の低木林林床には比較的多かった。

ホタルブクロは秋田県内では稀にしか見ない。しかし男鹿ではあちこちに咲いている。

ヤマブキショウマ



トリアシショウマ

   
                                                                                                                                                                                ウメガサソウ


樹林帯では地味なラン科が少し。

ジガバチソウ
 

                                          クモキリソウ



7月22日の天気は高曇り、時折小雨がぱらついたが、
朝のうちは視程良好で、海越しに鳥海山が見えた。

男鹿から海越しの鳥海山



男鹿はいつも毛無山ばかりだが、この日は本山、真山も含め、三山掛けをしてみた。

最高峰の本山は、山頂が自衛隊のレーダー基地になっている。
それでも近づいてみたら、道端にイブキジャコウソウやカワラナデシコらしき花が咲いていた。

イブキジャコウソウ
 

                                             キリンソウ


カワラナデシコ



キバナカワラマツバとウツボグサ




山頂部から岩手山、岩木山が見えた。

岩手山は左側の奥。



奥のピラミッド形の山が岩木山。



真山は男鹿三山で唯一、山頂まで行ける山。


真山山頂
   

                                          サワギク(ボロギク)


山頂に至るスギ林の下でサワギクを見つけた。この花、秋田ではなかなかお目にかかれない。

今回、出会った地味なラン科。

コイチヨウラン
 

                                          オオヤマサギソウ 


山麓ではあちこちでヤマユリが咲いていた。

ヤマユリ



以上。

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2022年、男鹿ラン紀行(6月13,15日)

2022年06月28日 | 男鹿半島6,7月

6月13日、15日の二日間にわたり、男鹿に行ったが、
その主たる目的は野生ランを見ることだった。

野生ランは既に五月下旬にイチヨウランとエビネなど三種類を見ている(記録はこちら)が、
更に多くの種類が咲き揃うのは六月上中旬だ。
今回は二日間で10種類、見ることが出来た。

中には希少な種類も有るので、詳細な生育場所は伏せさせていただく。

まずはサイハイラン属の二種。

サイハイランの群生



サイハイランは男鹿に限らず、あちこちの山林で普通に見かけるが、
よくこんな暗いところに咲くものだといつも感心する。

花は一見、ブサブサで武将の使う「采配」に喩えられるが、近づいてよく見ると、意外と奇麗だ。
葉は花の頃はほとんど枯れているが、冬場や早春の林の中ではよく目立つ。

サイハイラン
 

                                             トケンラン

トケンランも葉は冬場や早春には目立つが、花の時期には枯れてしまい、影も形も無くなる。

ウイキペディアによると、『トケンランは「杜鵑蘭」の意で、
花につく紫色の斑点を鳥類のホトトギス(杜鵑)の胸から腹部にある斑紋にたとえたもの。
絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)。』とあった。
開花期間がきわめて短く、なかなか開花に立ち会えない種類だ。
一昨年6月13日、来た時は見ごたえのある群生だった(記録はこちら)が、
今年はどうしたのか。十本にも満たなかった。

ところが盗掘されたようでもない。
偶々、花付きの好くない年だったと善意に解釈することにしよう。

次いで、キンランとササバギンラン。
キンランは秋田では少なく、私自身はかつて出羽丘陵で一度見かけた程度だが、
男鹿では割とよく遭遇する。

キンラン



キンラン
 
                                            ササバギンラン


ササバギンランは反対に県内のあちこちでよく見かけるが、
男鹿では少なく、

今回が実質初めてかもしれない(花の終わったものには何回か遭遇している)。

男鹿で最も多いランはもしかしたらコケイランかもしれない。
中腹より上に行くと、登山道沿いや道のど真ん中でふつうに見かける。
同じくイチヨウランも比較的多いのだが、
いかんせん小型で色も緑がかって地味なので見過ごすことが多い。
こちらは開花が早く、五月下旬に盛りを迎え、今回は残り花ばかりだった。

コケイラン



イチヨウランの花をアップで。
 
                                            イチヨウラン


男鹿には雲霧一党、いやクモキリソウ属の仲間が多い。

今回はそのうちスズムシソウが最盛期、アキタスズムシソウとジガバチソウが咲き初めだった。
ウィキペディアによると、
アキタスズムシソウは従来、セイタカスズムシソウとされていたものの中から、

2019年、新種として記載されたとあった。
分布域は広く、北海道、本州、四国、九州だが、
「アキタ」となったのは、タイプ標本が北秋田市で採集されたから。

もう一種、クモキリソウもあるが、こちらは七月以降に咲くので、今回は取り上げていない。

スズムシソウ


スズムシソウ



アキタスズムシソウ

 
                                            ジガバチソウ


エビネの仲間は、先月下旬、エビネ(別名、ジエビネ)を見たが、

今回はより大型で見ごたえのあるサルメンエビネに遭遇した。
このエビネは専門業者から買った株が自宅に有り、何故か15年以上にわたって咲き続けているが、
野生品を見たのは約25年ぶりだ。
男鹿の詳しい方から、稀に山の中にも咲いていると聞いていたので、今回はけっこう気合いを入れて探してみた。
そしたら二日目の15日、この株に遭遇した。
四半世紀ぶりの野生品だ。

絶滅危惧II類 (VU)であり、よく盗掘される。
このランがこの地で末永く咲き続けることを祈るばかりだ。

サルメンエビネ
 

                                         サルメンエビネのアップ


一応、5月20日に見たジエビネ(詳細はこちら)も。





今年は実物には接していないが、
チョウセンキバナアツモリソウも(詳細はこちら)。

チョウセンキバナアツモリソウ(2021/05/24 特別栽培地にて)






以上。

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2022年初夏の男鹿真山(6月15日)

2022年06月27日 | 男鹿半島6,7月

男鹿には13日に行ったばかり(毛無山の記録はこちら)だが、15日にもまた行った。
この日は植物保護パトロールの当番だった。

雨がぱらつくあいにくの天気だったが、合羽を着るほどのことも無かった。
パトロールが終わった後、毛無山から最高峰・本山の脇を掠め、真山(567m)まで行ってみた。
毛無山の標高約630mくらいのところにある自衛隊道路ゲート手前から散策路が始まる。
歩き出してすぐあがりこ状の広葉樹林となり、
そこを過ぎると、山頂にレーダーを載せた本山(715m)が見える。

あがりこ状の広葉樹林



本山(715m)を望む。



本山に登りたい人は左側の砂利道(自衛隊道路)を歩いて行く。
なお山頂は自衛隊レーダー基地になっているので立ち入り出来ない。

私は本山に用が無いので右側の山裾の林の中をトラバースして行く。

今回のマップ



散策路は本山の東側山腹を巻くように伸びており、本山と真山の鞍部、標高約500mまで降下する。
この鞍部はフタツアイと呼ばれ、男鹿では珍しく休憩ベンチが設置されている。

その後で約60mを登って真山山頂に至る。

行く途中で見た花たち。

カンボク



ここでもギンリョウソウに出会う。




コケイラン



杉林の中のトラバース道。

 

                                              ヤグルマソウ

トラバース道には山菜のみず(ウワバミソウ)がいっぱい。




ケナシヤブデマリだろうか。




ミズヒキの葉
 

                                           フタリシズカ

真山山頂が近づくと、男鹿の名花デワノタツナミソウか咲き出していた。
本格的な開花は下旬頃か。




男鹿のお山、毛無山はブナ林が多いのに対し、本山や真山には杉の木が多い。

真山山頂の南側にあるものはたぶん天然杉と思われるが、樹形も面白く、いつも感心して眺めている。




 





男鹿三山のうち、本山、毛無山の二山山頂は自衛隊のレーダー基地になっているので、立ち入り出来ないが、
真山は山頂に行ける。ただし樹林で展望は皆無。
かわりにすぐ近くに展望台になった神社がある。ここからの眺めは好いし、休憩もできる。

東側の眺め



東側、寒風山と右奥に雲をかぶった森吉山



北側、白神山地方面。



南東側、秋田市方面。



以上。

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2022年初夏の男鹿毛無山(6月13日)

2022年06月26日 | 男鹿半島6,7月

毎月一回以上は登っている男鹿毛無山、今年6月は13日に登った。
五社堂に至る999段の石段道両側の林の緑はまた一段と深くなったような感じだ。

999段の石段道



五社堂から先の坂道はエゴノキが多く、ちょうど花盛りだった。

エゴノキの花



ヤマボウシも開花中だったが、木が高く花は見えにくかった。

エゴノキの樹間からヤマボウシの花



下草は・・・
五月連休前後に咲いていたシラネアオイには実が付いていた。
男鹿に多いアオヤギソウもちらほら咲き出していた。

シラネアオイの実
 

                                          アオヤギソウの褐色花タイプ


坂道を三十分ほど登ると、本格的なブナ林になる。

ブナ林の小道
 



いつもこの林で最初の休憩を入れる。







見上げると、ブナの梢には今年の実が成っていた。
ブナの株もとには・・・


キクバオウレンの実姿



中腹より上、賑やかな花は終わってしまい、地味な花ばかりだった。

ミヤマナルコユリ



イチヨウラン
 

                                                                                                                               コケイラン

ギンリョウソウ



山頂部、あがりこ状になったブナ



ヤマツツジ咲き残り



クジャクシダ



毛無山の山頂は自衛隊のレーダー基地になっており、立ち入ることは出来ない。

また毛無山と言っても、樹林に包まれ、景色も望めない。


ところで、福寿草山はその後どうなったのだろう。
そこは四月あたまはフクジュソウ、下旬はニリンソウ、五月中旬はシャクの花の海だった。

参考までに5月20日の様子。



ちょっと気になっていたので、今回、毛無山を下山した後、立ち寄ってみた。
入口付近は背丈を越えるアザミやオオハナウドの藪に覆われ、道は塞がれていた。
ここを突破するには少々勇気が必要だった。




林の中は枯れかかったシャクの海だった。





シャクの間にはミヤマイラクサが少し生えていた。

美味しい山菜だが、それは茹でた後の話。
生きている植物には触ると棘が痛いので要注意。

ミヤマイラクサ
 

                                            アオヤギソウ

他にはアオヤギソウの地味な花が咲き出していた。
ミツバベンケイソウと思われる植物はまだ咲いてなかった。

沢筋に行くと、ミヤマカラマツが多かったが、花は終わり頃だった。

ミツバベンケイソウ?
 
                                            ミヤマカラマツ

以上。

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