モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

初秋の女神山には何が咲く。後編(2019年9月1日)

2021年09月13日 | 西和賀・女神山

(本頁は「初秋の女神山には何が咲く。前編」の続きです。)

渓谷沿いの花探しは二時間ほどで終わった。
折角来たので、女神山にも登ってみることにした。




登り口は白糸の滝の上から。




女神山の登り口                                    しばらく急な登りが続く。
 


ブナ林のきつい登りがひと段落すると、稜線に出る(天気が好ければ栗駒山などが見えるが、今日は見えなかった)。
目印は冒頭写真と同じ腰曲がりブナの木。


腰曲がりブナの木



何故かいつもこの場所で小休憩。
腰曲がりブナの洞の中を覗くと、小さな赤いキノコが生えていた。

ニオイコベニタケだろうか。                               緩斜面のブナ林
 


そこから先は傾斜が緩くなり、綺麗なブナ林が続く。

緩斜面のブナ林



ブナ林の中に花はほとんど無かったが、ブナ林自体とても綺麗だし、キノコも多く、退屈はしなかった。

なお登山道沿いにクマさんの比較的新鮮な糞が・・・。
ここはクマさんの居る山なのだった。こういう時の単独登山は不安なものだ(この日の登山者は私以外は二名だけ)。

イチヤクソウの仲間(実)                                 シャクジョウソウ(実)だろうか 


ギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ)



アケボノシュスラン                                   女神山山頂(岩手側)

 


山頂はガスに包まれ、展望はほとんど無し(晴れていれば、鳥海山や真昼岳も望めるのだが・・・)。

女神山山頂(秋田側)から秋田女神を望む。



山頂部に花はほとんど無し。キオン、ツリガネニンジンの咲き残りくらいだった。

キオン                                       県境稜線のブナ林
 



ブナ見平のブナ林



県境稜線、ブナ見平、ともにブナ林が素晴らしい。

ブナ見平のブナ株元。



今回、キノコ類は豊富だった。

名前がさっぱり分からなかったので、face bookの友人達に教えてもらった。

ベニナギナタタケか。                                ホウキタケの一種
 



ハナホウキタケ(有毒)




ムキタケ、ヒラタケ、ツキヨタケ(毒)・・・と迷う処。





テングタケの仲間か。有毒。                              アカヤマドリ?

   


右上のキノコはとにかくでかくて、手前の方は
傘の径が30センチくらいあった。
複数の友人によると、アカヤマドリ(食用)のようだ。




カステラパンみたい。イグチの仲間か。




友人によると、シロカラハツタケか。




傘の径は20センチ近くあった。友人によると、ドクベニタケか。




わからんものは採らぬこと。食わぬこと。

以上。


コメント (2)
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初秋の女神山には何が咲く。前編(2019年9月1日)

2021年09月12日 | 西和賀・女神山

(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)

(2019年)8月14日、鳥海山山麓で酷い目に遭った。

林道走行中に車のタイヤがバーストしてしまい、帰還するのにえらく難儀した。
その後も自家用車は後遺症に苦しんだが、荒れた林道に臆していたら、行きたい山にも行けない。
今回(9月1日)はスペアタイヤとしてスタットレスタイヤを一本積んで、超慎重運転で女神山に岩手側(西和賀町)から入ってみた。
いつもならまずは女神山に登った後に滝に寄ることにしているが、今回は先に滝見をした。
理由は今頃の時期、滝の周辺に咲く花に興味が有ったから。

女神山に向かう林道。



一見、道の状態は良さそうだが、一部、路肩が崩れたり、
岩盤が露出している箇所も有り、ヒヤリとした。
なお写真は省略するが、林道の入り口付近は道路の中央部に草が茂り、腹を草で擦りながらの走行がしばらく続いた。

非合法マップ。オレンジの破線が今回、歩いたところ。



駐車場から20分も歩けば、白糸滝に到着。


白糸滝                                         隣にある姥滝

 



滝の向かい側にあるスラブ



白糸滝付近では、以前、秋に寄った際、巨大な半寄生植物オニシオガマの枯れ姿を見ていた。

今回はフレッシュなオニシオガマを見たかったのでやって来た。
それは滝の脇や向かい側のスラブ斜面に群生していた。
花はもう盛りかなと思ったが、まだ蕾ばかりだった。
この花が多い焼石岳に較べると、ここの開花は少し遅いようだ。二本だけ咲き出していた。

オニシオガマの全貌                                  オニシオガマの穂花
 



オニシオガマの蕾                                      オクトリカブト
 



オニシオガマはけっして綺麗な花ではないが、丈は1mもあり、凄味のある草姿だ。

この花は青森から北陸地方にかけての日本海側高山や深山の湿った場所に生えている。
秋田近辺では焼石岳にすこぶる多く、

参考までに焼石岳(南本内岳)のオニシオガマ群生。



他には鳥海山東斜面、月山にも割と普通、神室山ではキヌガサソウ群生地付近で少し見られる。

いずれも標高900m以上の高所ばかりだ。
女神山の白糸滝付近は標高500mにも達していないので、今まで見た中では最も標高の低い場所となる。

この花を見たことで、今年は東北にあるシオガマギク属、7種類
(ミヤマシオガマ、ヨツバシオガマ、エゾシオガマ、トモエシオガマ、シオガマギク、イワテシオガマと本種)
全てを見たことになる。

オニシオガマの有るところにはチョウジギクもよく咲いている。

チョウジギク



チョウジギク                                    一緒にキンコウカも生えていた。
 



この場所には他にもいろいろな花が咲いていた。

テンニンソウ                             ミヤマセンキュウ。サラシナショウマの蕾も有った。
 


ソバナ



オクモミジハグマ                                オオカニコウモリだろうか。

 


渓流沿いに奥の方まで歩いてみた。

女神霊泉の付近では・・・

キンミズヒキ                                       ノブキ
 



どちらも実は引っ付き虫になるので、遊歩道沿いにいっぱい咲いていた。

数日前、平ヶ倉沼(こちら)では咲き終わっていたジャコウソウがここではまだ健在だった。

ジャコウソウ



ジャコウソウ                                      モミジガサ
 


ツリフネソウ






キツリフネ                                  触ると痛痒い
ミヤマイラクサ(アイコ)
 



他にはクロバナヒキオコシ、ヌスビトハギ、ナンブアザミ?、ゴマナ、アキノキリンソウ、オヤマボクチなど。

夏場の低山は花が少ないものだが、この渓谷は思った以上に種類が豊富だった。

沢の奥にある降る滝は日照り続きのせいか、水量が少なかった。

降る滝




後編」に続く。

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2009年は西和賀に三回も行った。その(3)

2021年05月04日 | 西和賀・女神山

(本頁は「2009年は西和賀に三回も行った。その(2)」の続きである。)

5月3日は性懲りもなく今年三度目の西和賀・安ヶ沢。
さすがに今回はカタクリの花筵を堪能できた(同行の家人や父母も喜んでくれた)。



いきなりお花畑というのも何なので、手順を踏んで・・・

こちらは西和賀のたぶん町営住宅。




何故これを出したかと言うと、その造りに注目して欲しかったから。

高床式の造りになっているのは西和賀が国内いや世界有数の豪雪地帯だから。
累積降雪量は10m以上、積雪量は2mを優に超す。
記録では1974年(昭和49年)に累積降雪量16m61cm、積雪量はナント!3m68cmに達したと聞く。

だからこの地で桜が咲くのは五月、カタクリの開花も東北の他地域より格段に遅い。




かたくりまつりの会場が見えて来た。
ここで突然、私の父母のスナップ写真を。

 

今回、ブログへのリメイクにあたり、古い写真をあたっていたら、
このスナップが出て来た。父はこの翌2010年二月に他界しており、これが最後の写真になった。

桜の下はマゼンタの海原。




 


折角来たので、散策コースの順路から眺めたスプエフェの咲きざまを中継。







よほど慌てて出て来たのか、枯葉を足元に巻き付けたままのカタクリも多かった。




七人の小人じゃないお姫様。




双子の姉妹?                              こちらは更紗模様のお姫様。
 


今回も白姫様に逢えた。しかし順路からは後ろ向きだった。




あぅぅ(つдi)残念。
しかし後で・・・村のガイドの方から正面を向いた白姫様をこっそり教えて頂く。




次いで、エゾエンゴサクとの協演。










荒地の魔女はいつも二人以上で連れ立っている。

エンレイソウ



咲き初めの花はお見事。

ショウジョウバカマ



さて、これにて2009年のスプエフェ三昧はお仕舞い。
またいつかお逢いしませう (つдi)/~ 


以上。


コメント (6)
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2009年は西和賀に三回も行った。その(2)

2021年04月11日 | 西和賀・女神山

(本頁は「2009年は西和賀に三回も行った。その(1)」の続きである。)

4月29日というのに、安ヶ沢地区の花はまだ少し早かった。
もうひとつの花スポット、大荒沢地区(最近は「銀河の森」と呼ばれる)はどうだろうか。
向かう途中、和賀岳山塊の眺めが素晴らしかった。

左が和賀岳(1439m)、右は高下岳(こうげだけ)(1322m)。高下橋付近より。


和賀岳(1439m)


高下岳(こうげだけ)(1322m)



付近の田んぼの土手はまだフキノトウ期。
ここのフキの葉はやけに黒っぽかった。




大荒沢地区は安ヶ沢地区よりも北に位置し、標高も高い。

入口はご覧の通り、枯れススキばかりだから、カタクリはまだ咲いてないだろう

大荒沢のカタクリ群生地入口から高下岳(こうげだけ)を望む。



と思ったら、(`◇´)大間違ーい!

 



 





もはや花の宴 ┌(・。・)┘♪└(・。・)┐♪┌(・。・)┘ ♪真っ最中だった。
こちらは安ヶ沢地区よりも北に位置し、標高も高いのに
積雪量は少なく、日当たりも良いので雪解けが早い。よってこの通り・・・










キクザキイチゲをクローズアップ。

 


左上の個体は花がでかく、ブルーも濃かった。
五百円玉はご褒美のつもり、ではなく比較の為に置いた。

一本だけだが、カタクリのように紅色を帯びたキクザキイチゲも有った。


紅味の強いキクザキイチゲ                        この蕾はスミレサイシン
 


他の踊り子達も紹介しよう。
エゾエンゴサクは咲き始めたばかり。




お花畑の魔女エンレイソウ。




ここ大荒沢地区では、安ヶ沢のようにマゼンタの花色地平線は見られないが、それを補って余りあるものがある。

とにかくいろんな花達が程よく混じって咲くのだ。




西和賀は奥地(北)に行くほど、開けてくる。
最奥(北)の平地は標高約400m、貝沢野と言う地名があるが、最近はリゾート地『沢内銀河高原』として売り出し中。

貝沢野から眺めた高下岳(1322m)や大荒沢岳(1313m)の連なり。


高下岳(1322m)



水田の向こうにはリンドウ畑が広がる。

新しく出来た山伏峠のトンネルを抜けたら、そこは雫石町。
やがて目の前に現れた白く高いお山は

岩手山(2040m)



岩手のシンボル、岩手山だった。


その(3)へ続く。

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2009年は西和賀に三回も行った。その(1)

2021年04月10日 | 西和賀・女神山

(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)

一昨年(2007年)の5月4日、岩手県の西和賀町を訪ねている。
そして、その地のカタクリをはじめとしたスプリング・エフェメラルの咲きざまにすっかり魅了されてしまった。

2007/05/04 西和賀町・安ヶ沢地区のカタクリ群生(詳細はこちら)。



今年(2009年)はどうだろう。
また四月の様子はどうなんだろうと、下調べも兼ねて、4月17日、安ヶ沢地区を訪ねてみた。

2009/04/17


冒頭写真とほぼ同じ場所だが、まだな~んにも咲いてねえ。雪が融けたばかりじゃねえか。

この地は国内でも有数の豪雪地帯。積雪は2mを優に超える。
よって沿岸部はソメイヨシノが咲き出す今頃でもこんな寒々とした風景だ。

林の奥は・・・




もっと冬だった。

雪を渡って、更に奥地に行ったら、意外なことに、ミズバショウが咲いていた。

 


まだリハーサル中のところを、 (;´Д`) 覗き見しちゃったような気分。

別場所では、ワイルドで比較的フレッシュなフクジュソウに遭遇。




 


フクジュソウは男鹿半島ならば三月上旬に咲くが、この地では丸一ヶ月遅い。
なおこの斜面は夏場には、羊歯やオオイタドリなど丈の高い草にすっぽり覆われ、ジャングルみたいになるんだろう。

帰り道、日当たりの良い畦道に一叢のカタクリを見つけた。




カタクリの対岸にはキクザキイチゲが風に揺れていたが、
その向こうの田んぼにはまだ雪が。





次いで約十日後の4月29日に再度、今度は家人と一緒に訪ねてみた。

2009/04/29




まだな~んにも・・・じゃねえ、

よく見ると、落ち葉の間からちらほらとカタクリが咲き出しているじゃないか。
4月中旬から下旬にかけて寒の戻りがあったので、足踏みしてるようだ。
冒頭(2007/05/04)のような花筵になるにはあと何日かかることだろう。

ただし場所によっては




もはや花筵化しているところもあったが、全体としてはまだまだ・・・

おかげで初々しいスプエフェを個で愉しむことが出来た。

コバイケイソウの芽出しに寄り添うカタクリ                  運よく白花の個体にも遭遇。
 


キクザキイチゲは・・・

ブルー(薄青紫)のキクザキイチゲ


白いキクザキイチゲ



同じ種類なのに、白とブルーがあって、(後で紹介するが)ブルーにも濃淡があって・・・


ブルーの群生にも遭遇したが、写真では残念、色が飛んでしまった。




一番良く咲いていたスポット。



エゾエンゴサクの群生



安ヶ沢地区から見た奥羽脊梁の山々はまだ雪で真っ白だった。

左は中ノ沢岳(1061m)、右は薬師岳(1218m)だろうか。



その(2)へ続く。

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