散歩の途中で公園のヒマラヤ杉の下で休憩。
カッパ姉ちゃんとカメラおじさんがベンチ
で本を読み出したよ。
「ねえ。森絵都の小説に犬は牛丼という話が
出てくるだけど」
「なんで牛丼なの?」
ぼくは、スカサズ聞き耳を立てたよ。
「あるスナックで働くエリちゃんの学生時代
の先輩に牛丼=命という男子がいて、何でも
牛丼に例えるんだって。映画1800円か、牛丼
四杯は、食べられるとか、3000円のTシャツ
だったら七杯はいけるとか・・・」
「変わってるっ」
「つまりその人の価値観というか、ものさし
なんだね」
「それでなんで犬が牛丼なの?」
「そのエリちゃんがホステスとして働くのは、
犬のためだったんだ。
彼女にとって先輩の牛丼と同じく、飼い
始めた犬がすべてのものさしになっ
ちゃったんだよ」
「それで・・・」
「大事なのは、犬でも牛丼でもなんでも
いいんだけど自分のものさしを見つけたって
ことなんだ。今までのように人のものさし
を借りたり気にしたりするんじゃなく・・」
「じゃ、あなたにとっての牛丼は?」
「・・・・・・・」
ふたりしてぼくの顔を覗き込んだよ。
「そこまでいくかあ・・・めんちゃんが・・」
云っときますが、ぼくにとっての牛丼は、
スナギモです。はいっ。
ところであなたにとっての牛丼は?
森絵都著「風に舞い上がるビニールシート」
カッパ姉ちゃんとカメラおじさんがベンチ
で本を読み出したよ。
「ねえ。森絵都の小説に犬は牛丼という話が
出てくるだけど」
「なんで牛丼なの?」
ぼくは、スカサズ聞き耳を立てたよ。
「あるスナックで働くエリちゃんの学生時代
の先輩に牛丼=命という男子がいて、何でも
牛丼に例えるんだって。映画1800円か、牛丼
四杯は、食べられるとか、3000円のTシャツ
だったら七杯はいけるとか・・・」
「変わってるっ」
「つまりその人の価値観というか、ものさし
なんだね」
「それでなんで犬が牛丼なの?」
「そのエリちゃんがホステスとして働くのは、
犬のためだったんだ。
彼女にとって先輩の牛丼と同じく、飼い
始めた犬がすべてのものさしになっ
ちゃったんだよ」
「それで・・・」
「大事なのは、犬でも牛丼でもなんでも
いいんだけど自分のものさしを見つけたって
ことなんだ。今までのように人のものさし
を借りたり気にしたりするんじゃなく・・」
「じゃ、あなたにとっての牛丼は?」
「・・・・・・・」
ふたりしてぼくの顔を覗き込んだよ。
「そこまでいくかあ・・・めんちゃんが・・」
云っときますが、ぼくにとっての牛丼は、
スナギモです。はいっ。
ところであなたにとっての牛丼は?
森絵都著「風に舞い上がるビニールシート」