ゆきちゃんは、うれしょん！

今日は、ぼくは病院のホテルに朝から預けられ
誰もいないケージの中にいるよ。
カッパさんたちが法事とか云って鎌倉に行っちゃった。
　午後、薄日がひと際輝いて少し暖かくなった頃。　
窓辺に鳩のぽっぽ通信がやって来てぼくに手紙くれた。
同じく法事に行ったカメラおじさんの親戚のヒゲおじさん
のところにいる六ヶ月の子犬ゆきちゃんからだった。
「あたい、もう１２キロになっちゃった。こちらも
　ずっと駐車場に長いワイヤーでつながれて留守番ちゃ。」
「長く留守番して飼い主が帰ってくるとつい飛びついて
　うれしょんしてしまうんちゃ。我ながら困っとるっちゃ」
「居間や玄関で処構わずピーッておしっこしてヒゲおじさん
　に叱られるけどこの頃は量を控えてちょっと出すように
　したらホメてくれたっちゃ」
ぼくは、さすがそれはやらないけど、「がんばれ！」としか
返事はだせなかった。
カッパ姉ちゃんによるとだぶん一生直らないかもって云っていた
ように思う。

誘惑犬めん″

　ぼくは、散歩に出ないとひとりで遊ぶしかないんだ。
ましてカッパ姉ちゃんが風邪とかで外に出る時間が
少ないとなお更だよ。
ぼくは、同胞のワンちゃんじゃなければ、カッパさんでも
おじさんでもいいんだ。縫ぐるみをくわえたぼくを追っ駆けて
くれればそれだけでたのしいのさ。
だって絶対に捕まらないように家の中を走り回るんだもの。
　夕方カメラおじさんが帰ってくると飛びついて遊んで
貰うんだけどなかなかこのおじさん、疲れていると
すぐに休んでしまうから困ったものだ。
　ぼくが縫ぐるみをくわえて誘うんだけど１０回もやると
振り返って追い駆ける動きが鈍くなる。
何回も誘いの目線を送るんだよ。
そのうちにこのおじさん疲れ果てておやつでごまかしちゃうんだ。
「さあ、いい子にしてたからカミカミジャーキーやろうね」
遊んでもらうよう誘惑していたのに、ついおやつの誘惑に負けてしまうよ。
情けないけど・・・

渋谷駅の古い電車

東横線の古い車両が渋谷駅ハチ公広場で展示公開されている。
渋谷から横浜の桜木町まで走っていたものだそうで、
丸い車体がオモチャのようでかわいい。
　桜木町の駅ももう今はなく、新しい地下路線で中華街
まで東横線が乗り入れしている。
電車の中は昔の路線の様子を写真で展示していて、
中を懐かしそうにのぞく人の姿がひっきりなしでした。

ごみ置き場の子猫

　朝の散歩で道の向こうでピチピチとなめる音がして
きたんだ。
道端に出された資源ごみの缶のかごから聞こえてくるよ。
　ぼくは、近づいてその小さな猫を見つけた。
誰かかたぶん決まった日に出す猫缶のごみの山。
その空き缶に残った肉汁を乳離れしたばかりの子猫が
漁りにくるんだ。
痩せたノラくんだ。
お前も病院の「小リキ」みたいに誰かやさしい人に
拾われるといいんだけどね・・
あいつはぼくを見つけて慌てて逃げたよ。
カランっと缶の山が崩れたー。

遠い日の夏の想い出

突然の夕立ち。
人は何でもないときにふと昔の記憶が甦ることがある。
それもとっくに忘れていた遠いこどものころとか・・・
あの、田舎町のバス停で、足止めされた日。
あの、濡れたアスファルトの埃りたつ匂い。
しずくの垂れた前髪が笑ったね。
まさかあの空の広かった町を離れるなんて
思いもしなったのに、
この、同じ長距離バスのバス停留所からー。

　　フォト銀杏創立10周年記念写真展
　　　　　11月6日(月)から11月13日(月)
　　　　　狛江市西河原公民館一階ギャラリーにて

カッパ姉ちゃんを泣かしちゃった

カッパ姉ちゃんが泣いている。
ぼくが悪いことをしたから・・・
　夕方カッパさんが義弟のわんちゃんのゆきちゃんに
あげるオモチャを買ってきたんだよ。
ぼくも欲しかったけど「これはめんのじゃないの」と取り上げられたんだ。
ぼくはしばらくして何かないか捜してちょうど噛み心地のいいもの
見つけて気持ちよく中から綿を出したよ。
「ちょっと!めん!何やってるの」
とその丸い縫いぐるみを取り上げられた。
「かぼちゃ大王のJackの顔ちゃんせっせと手製でつくったのに・・」
ぼくは噛みちぎったボタンをぺっと吐き出してどうしていいか・・・
「何日かかつてつくったと思うの・・・」
と泣き出して夜早々にぼくはケージに入れられちゃった。
ごめんね。でもぼくもオモチャほしかったんだよ・・・

ピエロ

6丁目カフェから歩いて帰っているとエイダンモール
という商店街でバザール祭りをやっていたんだ。
　ぼくは、とても混んでいる人と人の間をスイスイ
抜けていったよ。
すると子供たちがいっぱい集まっている場所があったんだ。
そこでは
ピエロとかいう人が手品みたいなことをやっていた。
ぼくは怖かったけどじっと見てるといつの間にか子供たちと
同じ目になっていたよ。

「めんちゃん、もう行くよ。」とカッパ姉ちゃんに言われた。
「こんなに熱心に見てるってことはやっぱりめんは喜劇役者
の血が騒ぐのかな」
とカメラおじさんはぼくを抱きかかえて雲のじゅうたんに
乗ってるみたいにエイダンモールを抜けていったよ。
ピエロの風船につながれたお菓子の箱みたいに・・・

恋の連鎖反応

ぼくは、育ちざかり、食べ盛り。
骨ガムとあずきちゃんを並べられるととっても迷ってしまうんだ。
どちらも好きだから・・・
好きなものに向かうときは何も見えなくなるよ。
そして離さない。ただ好きなもので胸の中がいっぱいになるだけなんだ。
ぼくは、好きな骨ガムを逃がさない。カッバ姉ちゃんも好きだから離さない
カッパ姉ちゃんもそんなぼくのことが好きだから手を離さない・・・
ああ・・・恋の連鎖ー

さすらいの学食くん1ー東大駒場ー

初めまして。さすらいの学食くんです。
全国の大学が独立法人になってユニークなレストラン
などをはじめて、一般の人も利用できるようになりました。
今日は、日本を代表する東大教養学部の学食です。
　ここは、渋谷から電車で5分。駒場にあって
フランス料理のレスントンに、イタリアン・トマトそして
新しいコルビジェ風の学生食堂が今年できてとても昔の
学食の趣きはないです。最近目をひくのが駒場・
上原のヤンママが子供づれでランチを仲間で食べてる姿です。

　今回は野菜を自分で選んでその場で料理してもらう
「オークス定食」。490円。
なかなかの味でした。
量が多く体育会系向きのパワフルメニュでした。

わんちゃんの日

　朝一通りお菓子の箱と丸められた広告紙をバラバラに
噛み千切った後一休みしていたらぼくの腕の肉球が踏ん
づけていた新聞に何やら書いていた。
カメラおじさんが「めん、散らかすんじゃない」
とその新聞をとって、
「今日は『犬の日』かあ。１１月１日わんわんわんの日」
その記事を読み出した。
「犬の名前人気ベスト３、1位「チョコ」2位「モモ」
3位「マロン」・・「コロ」は51位、「ポチ」は204位」
「昔はもしかして犬は猟犬・番犬で男の飼い主がつけた
から「キバ号」「ハチ公」なんて形態からつけて今は女の
飼い主が多いからお菓子なんかの食べ物の名前をつける
のかなあ・・」
と独り言。
ぼくは、いつもの緑道に散歩に行ってからふと思ったよ。
なんだみんな甘い食べ物ばかりじゃないか。
だからよくカッパ姉ちゃんは
「可愛い。可愛い。食べちゃいたい」
ってぼくを捕まえにくるんだ。
でもぼくは、明太子の「めんちゃん」だもの。
決して甘くないもん。
（因みに誰か緑道でぼくを見かけて『たらこちゃん』
って声かけたおばさんがいたけど「めんちゃん」
ですから。よろしくぅ）