カジュアル・アミーガ         本ブログの動画、写真及び文章の無断転載と使用を禁じます。

ある日カッパ姉ちゃんとカメラおじさんの家に一匹の子犬がやってきた。
日々のうつろいの発見と冒険を胸に生きていこう!

店内ドッグランで追いっ駆けっこ

2008年04月17日 | めんちゃん日記
ぼくは、子供の時からおじいちゃん家のダックスのムック老師
と遊んでいたから、ダックスくんが大好き。
ついつい追いかけて遊びたくなっちゃう。
駒沢通りのお店で10ヶ月のダックスちゃんに会ったよ。
このダックスちゃんは、食いしん坊で
にんげんの女の子が持っている餌を追い回し、
そのダックスちゃんをぼくが追い回し、
女の子は、チワワ好きでぼくを追い回し
店内ドッグランをぐるぐる追いっ駆けっこ。
たのしいけど、店のひとがあきれるぐらい
回ったんで頭がグラグラしてしまったよ。
このまま回ったらドーナツになったかもね。
と女の子は言ったけど、息がきれて座り込んでいたよ。

もちろんダックスちゃんもぼくもハアハア、肩で息。
あああ。のど乾いた、午後だったよ。
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サーファー・ショップの理髪師

2008年04月16日 | 写真コラム
オフシーズン。
海の町の午後。
パチパチ鋏の音がする。
  * * *
かっこよくお願い。
黙って座って。
耳切っちゃうよ。
* * *
青春の1コマには、仲間がいる。
インディアン・サマーにもってこいの日。


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風に飛ぶ

2008年04月15日 | めんちゃん日記
ふわふわと綿帽子が飛んでいくよ。
ぼくは、タンポポって好きだなあ。
小さな植え込みの草地でも広い草原でも
ちゃっかりと芽を出すよ。
この時期白い綿帽子がコートを脱ぎ捨てるように
すっきりと伸びてあちこちに立っているよ。

ただ生命力のつよいタンポポさんも
行く先は、どこに次は行くのかわからない。
みんな風まかせなんだね。
すべては、風の中。
なんかぼくの散歩と似ている。
すべては、風の中。
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多摩動物園へ

2008年04月14日 | 美術館・イベント
JR立川駅からモノレールで15分。
多摩丘陵にその動物園は、広がっています。
天気が悪くても日曜ともなれば
名物のライオンバスは、長蛇の列。

放し飼いのライオンたちがバスの窓に
ペロペロしにやってくる。



動物園自体が山の中にあり、昆虫館やキリン園から山を
越えないとチータや象の檻にはいけない。

動物園の良さは、何より野生動物に生で出会えることです。
実物を目の前で見るのと写真で見るのとでは大きな違いがあります。
もちろん飼育されているから野生に近い状態でも
野生動物そのものではないのですが
ホンモノの象やオオカミであることには間違いないので
実物を見ることの感動は、どこか心に残るものでした。
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Cardごのみ3~キャンピングとわんにゃんパーティー

2008年04月13日 | 食玩小物
 
 
今日のカードは、フロムハート藤沢店で購入したグロスマン・ステッカー
をコラージュして作りました。
フロムハートはグロスマンのロール状シールを計り売りする店として、
代官山など各所に展開していたのですが、いつの間にか次々と閉店してしまい、
藤沢店が最後の1店となっていました。
それがついに、この3月いっぱいで藤沢店も閉店となってしまったのでした。
閉店前に1回だけでも藤沢店へ行けたのはラッキーでしたが、出来ればお店
に存続して欲しかった…とても残念です。

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菜の花に舞う

2008年04月12日 | めんちゃん日記
ハチさんは、えらいと思う。
せっせと菜の花をまわって
ミツを集めるよ。
ぼくは、菜の花畑にくると
ぼうーとしちゃうんだ。
     
なんでだろう。
たぶんこのミツの原料工場のエネルギーに
クラクラするんだと思うよ。
咲く、飛ぶ、伸びる、生きる、
エネルギーの力にぼくは、春を感じるよ。
ぼくも走りたくなってくるんだ。
春の光の中でー。

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こちら、自由が丘ペット探偵局ー5-

2008年04月11日 | 投稿連載
     こちら、自由が丘ペット探偵局 作者 古海めぐみ
            5
熊とウサギが肩組んだ姿をモチーフにした看板にKids Robe とロゴが書かれて、
一番下に「しあわせを運ぶ子ども服店」の文字。
自由が丘の熊野神社がすぐ裏手にあって、ビザンチン風の白い建物のドーム屋根
の周りが鎮守の森に囲まれているため一見軽井沢のペンションに来たような錯覚
を覚える立地にその上田祐二の子供服店は建っている。
 その大きなガラスの自動ドアが開いて、スタイリストの富島倖(サチ)が困った
顔で表をキョロキョロ見回して、 
「由美ちゃん!店長、知らない?ユウさん。」
ショーウィンドを拭いていた小太りの今年福島の高校を卒業したばかりの
鈴木由美が振り返って、子犬のように首を傾げて返事した。
「店長さん、どこか行ったヨオ。テニスラケット持ってヨ。」
「赤いアディダスのバッグ持ってた?」
「はい。」
「この忙しいときに又多摩川のテニスクラブなんか行って・・のん気な店長っ。」
「今日は、朝お祝いの花届けたら何もないからって・・・」
「何が何もないよ。仕入れの伝票整理だってあるし、信金の更新手続きと監査
の会計士さんも来るのに・・・」
「ケイタイに連絡したら・・・」
「見事に持って行ってないのぉ!置いてちゃって。」
「だってさっきケイタイでうれしそうに話しながら車に乗って行きましたヨ。」
「ふん!それは裏ケイタイ。」
「番号わからないですか。」
「そんなの、抜かりないわよ。ちょっと由美ちゃんのケイタイ貸して。」
「ええ。わたしの。」
とケイタイを渡すとサチは素早い指裁きで番号を打つ。
「私や店の電話番号は、着信拒否になってるから・・・・」
「はい。上田です。」
サチは、手で通話口を押さえて、
「出た。出た。」
「上田ですが・・・」
電話の向こうでは、テニスコートのネット外のベンチで真っ黒に日焼けした
上田祐二が汗を拭きながらケイタイに出ていた。
「店長、もうすぐ会計士さんが来るんですけど・・」
「サチちゃん。どうしてわかったの・・・」
とベンチに座りこんだ。
「そんなことより早く帰ってください。」
「そうか今日監査か。忘れてた。」
とベンチのバスケットに入ったハンバーガーを取ろうとすると一瞬で消えた。
茶褐色の野良犬がものすごい速さで獲物のハンバーガーの入った袋を咥えて、
多摩川の土手へ走って行った。
「あああああー」
「ああ、じゃなくお願いします。帰ってください。」
サチは、そういうと電話を切った。
「帰ってくるわ。」
「ふーん。でも行く前のケイタイだとプライベートでなんか約束していた
みたいだったけど。自由が丘のカントリーで夕食なんて言って・・・」
「スカンジナビア・レストラン「カントリー」!新しいカメラ屋の女の子ね。
きっと!・・よくまあ、懲りずに若い子と・・」
そこへ子供連れのヤンママがやって来る。
「ああ、いらっしゃいませ。」
「あのー、そこにポートレート半額券って書いてますけど、どの服買っ
てもいいんですか。あのウィンドウのセール品も。」
恐る恐るヤンママが聞くと、一瞬ギクっとサチはなったがぐっと抑えて
店内に案内した。
「ええ、三日間の限定ですから。どうぞお入りください。」
と入口に張られた「いま子供服購入者にプロによるポートレート写真撮影
半額券進呈!」の張り紙をサチが無言で睨み付けて入っていく。
雑巾をもった由美、めがねを外してマジマジとその張り紙を見た。
「三日間限定ってどこに書いてあるの?」
と呟いていると、「早くお客さんでしょ」と
サチに怒鳴られた。
「はーいヨ。」
夕暮れの子牛が囲い小屋にトボトボと入るように由美ちゃんは入っていった。

 ポートレート半額券の半券を差し出す春に純少年の肩を抱いていた佐藤
沙織は写真館の入口で受け取り、?って顔になった。
「この半券を次回持ってこられたら焼きまわし現像代が一割引きになります」
「ああ。そうですか、有難うございます。」
「ぼく、元気出してね。」
と春は、純の頭を撫でる。
「ちょっとさっき聞いていたら、買ったばかりのチワワが死んだんだって・」
春のすぐ後ろから首を出して犬飼健太が悲劇の母子に声をかけた。
「はあ・・・」
と驚いている沙織に春がすばやく紹介した。
「ああ。こちら、ペットの探偵さんなんです。犬飼さん。」
「へーえ。そうですか・・」
「どうも。こういう者です。」
と名刺を差し出して
「どこで買ったんですか。」
「ネットで知り合った人の紹介で。ワンニャン天国堂ってブリーダーさんです」
「はぁーん。やっぱり。悪質ブリーダーだ。」
「ええ。そうなんですか。」
「今年に入ってもうこれで3回目だな。その名前聞くの。みんな病気だったり、
欠陥があったり・・・」
「うえーぇぇぇ。どうりで安と思ったぁ。」
「そいつの居場所がわからないんだ。ネットの住所には別の人が住んでいて」
「そうだったんですか・・・」
「モグリの業者の可能性がある。」
「血統書はどうもホンモノでしたけど。」
「法律に引っかからないようにうまくやるんだ。そういう連中って。」
「でもどうしてそんな弱い子ばかりなの?そのブリーダー。」
春は、素朴な疑問を投げかけた。
健太は、目を曇られて吐き捨てるように明快に回答した。
「次から次から無理に交配させるんだよ。」
「ニワトリみたいに・・」
「顎の骨が溶けるまでメスを酷使する。」
沙織と春は、同時に生唾をのんだ。
「もう、行こう!」
と純が母親の手を引っ張った。
「はい。行きます。行きます。」
沙織は、沈んだ声で純に応えると春と健太にペコリと頭を下げて店の
外に出た。
「まあ、元気出して・・」
その健太の声に母子は、頷くとまっすぐ廊下を階段へむかった。
「有難うございました。」
ハリのある声で春が廊下で見送った。
母子は、階段で一礼して降りていった。
「そうだ。メガマックか何かどう?お腹すいてない。」
健太のその誘いに「私、今ほしくない」と春はきっぱり断って受付
カウンターへ移動した。
「そうう?奢りなんだけどなぁ・・」
と健太も受付へ。
「あのー、」
春と健太が振り返ると、ハルお婆ちゃんがスタジオの中から微笑んでいた。
「お婆ちゃんも何かペットのことだったら、何でも相談に乗るよ。」
「いえ。あのー。私、写真撮ってほしいんです。」
「ポートレートですね。」
春はすぐにスタジオの中へ入って行った。
また、静かになってしまうカメラ店。
スタジオのドア窓を覗き込んで健太は、ふんと大きな息を吐いて、
長椅子にどっと腰を下ろした。
「婆さん、遺影撮るのかぁ。」
ひとり言を云った。
ぴょょょろろん。
健太のケイタイが鳴った。
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雪苺娘~シーちゃんのおやつ手帖41

2008年04月11日 | 味わい探訪
リニューアルする東京駅。
丸の内も高層化の波に飲み込まれて、石造りのビルヂングが
消えていきます。日本郵政公社のビルの存続も難しいそうです。
そんなホットな東京駅で売られている「雪苺娘」。
けっこうたっぷりお腹にきます。
駅弁の旅のデザートに、残業前のおやつに、お茶と一緒に。
ただぱっくり食べた後に口の周りが白くなります。
お気をつけて。
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大きな木の上のチワワ鳥

2008年04月10日 | めんちゃん日記
木の上に乗るのが好き。
特に洞のようになっているとこが好き。
ぼくは、昔鳥だったかもしれないよ。
大空を飛ぶチワワ鳥。
自由に太古のユカタン半島を見下ろして風に乗って
ナウシカみたいに飛んでいたかもしれない。
たぶんこの大きな耳がダンボみたいに翼になって
空を舞っていた気がする。

そして木の枝に巣を作り、卵を暖める。
それがいつの間にか地面に降りてきちゃった。
×      ×      ×      ×
めんちゃーん。何妄想してるの。
そんなとこ、乗って危ないでしょ。
落ちたらどうするの。
トンデモナイ! 早く降りてらっしゃい。
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白い奴は、人気もの。

2008年04月09日 | めんちゃん日記
なんだ、なんだ。ひどい雨。
春の嵐で桜の花びらがみんな散ったよ。
ベランダで雨宿りしていたぽっぽ通信のハト爺さんが
参ったね、といいながら今人気者になってる奴の話をしたよ。
ドイツのホーデンハーゲンとかいうとこのサファリパークで
白いワニくんが人気者になっとるんじゃ。
フロリダ生まれの14才だが、ヨーロッパには白いワニは
いないんで連日ショーにでてる。
       
また、日本でも二本松市の東北サファリパークで
1月に生まれたセロとミルの二匹の
ホワイトライオンが公開されてみんなの人気者になっとるよ。
白い奴は、アルビノって現象で珍しい。
ぼくも白かったらジャングル大帝のレオみたいで人気者になったかな?
ってぼくが聞いたら、
まあ、めんちゃんがもし白かったら普通の白いチワワじゃ。
レオになりたいんだったら、品格を磨かんとね。

ヒンカク?
うーん。めんじゃどっちにしても無理じゃな・・ふぅぅぅ。
そんなとこで、ため息つかないでよ。ハト爺さん。


   ホワイトめんちゃん
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雨のサッカー

2008年04月08日 | めんちゃん日記
駒沢公園には、いろんなグランドがあるよ。
野球場に、テニスに、ラグビー&サッカー。
夜も灯りをつけてコウコウとやってる。
雨でも負けずにやってる。
ボールを蹴ると
水しぶきが飛ぶよ。
にんげんって、勝ち負けになると
一生懸命だね。

ボールや縫いぐるみを追いかけて
一生懸命に走るぼくには、その気持ちわかるよ。
たのしいことって、たのしいもん。
雨だろうが、夜だろうが、
たのしいときって、このときしかないんだもん。
気持ちいいことって、一瞬だよ。だって!
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元気な女の子に会った

2008年04月07日 | めんちゃん日記


さくら、散る緑道をえんえんと
下っていって大散歩したよ。
ベンチに4才のシバちゃんがいて
遊んでくれたよ。
元気な子でふんふんぴょんぴょんと
ご挨拶。
でも体の大きさが違うモンね。
ありがとう、また会いましょうって
別れたよ。
ぼくは、ぼくの春を探している。
知らず知らずテクテク歩いているうちに。
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Cardごのみ2~のどかな郊外

2008年04月06日 | 食玩小物
またまたグロスマンのステッカーで作ったカードです。
今回は横浜ららぽーとのパピエリウムで購入したシールを使ってみました。
どちらのカードものどかな郊外をイメージしています。
クマさんの方は「アラスカみたいだね」と友人に言われました。なるほど~。
前回のニューヨークのカードもそうですが、私はカードを作ることで、他の色々な場所への「旅」を楽しんでいるのかもしれません(笑)。
 
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ハラハラと散るチワワ心

2008年04月05日 | めんちゃん日記
今日三人のひとに
パピヨンですかって
また聞かれた。
ぼくは、純粋にチワワです。
ただ予定より大きくなっちゃっただけです。
みんな、どうしてわかってくれないのかな。


ぴょんぴょん跳ねて遊んでいると
ジャックラッセルみたいともいわれたよ。
可愛いチワワの枠からはずれてるってこと?
かなしいなぁぁ・・
でもぼくはチワワの、
明太子のめんちゃんですぅ。

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こちら、自由が丘ペット探偵局ー4-

2008年04月04日 | 投稿連載
  こちら、自由が丘ペット探偵局 作者 古海めぐみ
       4
「記念撮影なんだから、しっかりしなさい。純ちゃん。」
と母親の佐藤沙織は、小学五年生の純の頭を撫でた。
「ライトが眩しいのかしら?」
カメラから離れて春は、少年の前に跪いて、純の目線で声
をかけた。
純は、母親の手を払いのけてしゅくしゅく泣くばかりだった。 
「純ちゃん。もう泣かないの。病気だから仕方なかったのよ」
声は、小さくなって収まったようにみえるが純の肩は、
小波のようにシュクシュク震えて甦る悲しみが絶え間
なく続いていた。
「すいません。そちらのせいではないんです。三日前に
買ったばかりのチワワの子どもが死んじゃって・・・。
ぶり返すんです。悲しみが。この子。」
「そうだったの。やさしいのね。純くん。」
春は、思わず涙に汚れた少年を抱きしめた。
少年の涙のシミがまだ乾かない濡れた頬が春の豊満な胸に
押しつぶされそうになった。
「いつでもその子犬ちゃんは、純くんのことを空の上
から見守っているよ・・・アメリカインディアンは悲し
みは分かち合えば半分になるって言うのよ・・・
私もいるからお母さんと三人で3分の一ね。」
春のその声が、シャーマンの呪文のように響いて落ち着
いてきたのか、純少年は、春の胸に揺すられながらヒク
ついていた悲しみの痙攣が止まった。
「よかったね。お姉ちゃんに抱っこしてもらって・・・」
母親がそう言いながら純の頭を撫でると、少年は春から
離れて、涙を拭いた。
そしてなんだかぽおっと雲に乗ったみたいな気分で顔
を赤くした。
春も外れたブラウスの三つ目のボタンをはめながら
立ち上がって、輝く笑顔を母子に注いだ。
「有難うございます。」
母親が頭をさげて、とんでもないと春は目の前で手の
ひらを振った。
そのとき。スタジオの白いドアのガラス窓からふたつの
バラとふたつの覗いている顔の四つの目とぶつかった。
犬飼健太と水野ハルだった。
ハルは、深々とお辞儀をして、健太は、心持ち少年が
羨ましいといった顔をして口をポカンと開けたまま
大きく手を振った。
「ちょっと待って貰えますか。」
「はい」
春は、母親沙織に一声かけて大股にドアの方へ歩き
出した。
「家族写真?撮るんすかですか?健太さん」
ドアを開けて、健太とハルが並んで同じバラの花束を
もって立っているのを見て春は、ポートレートに健太
がお婆ちゃんを連れてきたとてっきり思った。
「違う。違う。なんでこんな、バァバァと。」
「ごめんなさいね。バァバァで。」
「違うの?」
「今日が春ちゃんのカメラ屋が開店だっつうんでお
祝いの花もってきたんだぜ。」
「ああ。有難う。わざわざー」
健太から花束を受け取った春が今度は、ハル老婆の
方へ顔を向けて、?って表情をした。
「私も開店祝いです。水野ハルといいます。あなたのお
祖父ちゃんの半次郎さんの知り合いです。」
「お祖父ちゃんの?」
「はい。すみません。本当はその花、半次郎さんに
渡そうと思って買ったの。」
「お祖父ちゃん亡くなりました。」
「さっき花屋さんでそれを聞きまして。」
「ツルさん!」
「まあ、立派なアトトリさん。」
「画材店じゃなくフォト・スタジオにしちゃったんです」
「素敵ね・・・」
見回すハルからバラの花束をとって春の持っている自分
のものといっしょに受付の方へ健太が持っていく。
「花瓶ない?オレ、いけてやるよ。」
「花瓶?うーん、あったかな。」
と春も受付の方へ行ってカウンターの下からディスプレー
用の花瓶を取り出す。
「あった。」
「ちょうどいいじゃん。さすがアメリカ帰り趣味がいい」
流しで水を入れてカウンターの上にバラを入れて
健太が飾った。
「有難う・・きれいよ。」
「いやいや・・・・」
しばらくの間華道家のような渋い顔でバラを眺めながら、
得意そうに健太が立っている。
ハルがその落ち着ききった健太とスタジオで仕事途中の
春の気持ちのズレを察して、
「お客さんがお待ちでしょ。」
「ああ。そうそう。ごめん。健太さん。また後で・・・」
助かったと春は、急いでスタジオの中へ駆け込んだ。
「わかったよ。ここで待ってるよ。」
受け付にどっかと腰を下ろした。
閉まったスタジオの白いドアが再び開いて、
「水野さん。ちょっと待っていてください。すぐに終
わりますから・・」
と春が顔を出して告げた。
「はい。どうぞ。お仕事してください。」
「ごめんなさい。」
春は、スタジオのドア再び閉めた。
ハルは、店舗の写真が飾られたショーケースのある
スペースへ歩いて長椅子に座った。
店内が急に静かになった。
受付の怪しい目付きの健太と長椅子の上品な老婆が
目線をカチカチと行き場なく合った。
微笑むハルに健太は、つまらなさそうに言った。
「お婆ちゃん、ネコさんのこれ?」
右手の小指を立てた。
「はい。」
ハルはすずしそうな顔をして言った。
健太は、カウンターの脇にあるキッズローブの祝いの
花束のネームプレートを手荒に裏がした。
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