片づけられない人

毎週決まった番組を録画予約しているが、番組が休みとなって
差し替え放送された番組が予約されていることがある。
そんな御縁で録画された番組も一応は目を通すようにしており、
有吉ゼミの「片付けレスキュー」を観させて頂いた。

私が観た回は、片づけられない芸人カップルのお宅を片付ける
という企画で、靴が収まり切れず室内まで散乱しているほか
食事をした後の片づけをしないまま放置されており、
８００着以上もある衣類でいっぱいになっている。
二人で寝ている寝具も５年間洗濯されないまま悪臭を放っている。
きれい好きの元フィギュアスケート選手は、
「もったいないとか捨てられないとか、人生の大切な1日を逆に無駄にしている」
と力説して片付けに着手される。

「捨てることが快感。2週間使わなかったら即捨てる」というスケート選手は
番組中で「31歳まで恋人がいない」と告白するシーンがあり、
８月４日に投稿した「人を大切にしていますか？」に書いた通りと確信したが、
まあそれもまたその人なりの人生であり、
そんな生き方を選択された彼女の自由だと受け止めた。

一方片付けられないカップルを問題視している番組だが
片付いていない部屋で納得して住まわれていることが
問題だとは決して感じない。
お二人が得心して暮らされていて近隣住居への迷惑にも
なっていないのであれば、他人からとやかく言われる筋合いはない。
食べたままの食材の殻や洗わず臭い布団も衛生的とは言えないが
世間の目にさらして、さも問題のある家庭と放送する方が問題と感じられる。
世の中には片付けられない人は少なからずあり、
そのことを悩むことで別の病気を悪化させてしまう方もおられることへの
配慮不足と受け止める。
そもそもゴミではなく、すべて住人が購入してきた物なのだから。

私はかつて恐ろしいほどのゴミ屋敷の片付けを手伝ったこちがある。
その家の物は道で拾ってきたものがほとんどで、
人がやっとひとり通れる程度の扉（ゴミが多すぎて開かない）を入ると
天井の蛍光灯が燃え移らないかと心配するくらいに溜まった
ゴミの山が出来ており、その山を越えないと他の部屋にも入れなかった。
そのお宅ではご夫婦でお住まいになっておられたが
奥様が体調を崩されて救急車を呼ばれた際には
救急隊はその山を越えて奥さんを救出されたことから
ゴミ屋敷であることが世に知られることとなり、ごみの片付けを請け負った。
臭いレベルをはるかに超えており、３０秒足りとも咳をしないでおれないレベルで
１分後にはゲロを吐きそうになる。その部屋で息をすることさえもためらった。

拾ってきたゴミで埋め尽くされたゴミ屋敷は問題があるが
今回のように自分で購入したものが散乱しているだけなら
近隣住民に迷惑が及ぶ訳でもなく、住人が得心されておれば
番組で寄ってかかって批判するのはどうかと思う。