獣医師インディ・ヤスの冒険!

家畜伝染病と格闘する獣医師インディ・ヤスさんのブログです。インディ・ヤスさんはロシア・東欧のオタクでもあります。

昨年3月末で定年退職した会社がCOVID-19ワクチンの開発開始を表明。うれしい限り!それにしてもCOVID-19とは何だ。武漢肺炎だろう。

2020-05-30 23:09:36 | 連絡事項
 私は、大学卒業後、ある製薬企業に入り定年まで勤務した。定年の8か月前にその製薬事業が明治グループに譲渡されて新会社としてスタートしたため、ほんの数か月しか新会社の社員ではない(随分と持って回った言い方をするとお思いでしょうが、できれば固有名詞は出したくないのです)。ただし、新会社の施設、設備、従業員は旧会社から引き継いだものであり、一緒に働いてきた仲間はそのまま新会社で勤務しているので、私自身をそのOBと表現させて頂く。
 先日、インターネットのニュースで、その新会社が国立感染症研究所などと共同で新型コロナウイルス感染症ワクチン開発に着手との記事があった。早速、会社のHPを覗いたところ、今月22日のプレスリリース、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発を開始」が出ていた。そのプレスリリースによると、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施する創薬支援推進事業の公募研究開発課題「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発(企業主導型)」に採択されたとのことである。そのワクチン開発は、国立感染症研究所、東京大学医科学研究所、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所との共同で行うとある。また、今年度中に非臨床試験を終えて、2021年度には臨床試験を実施するとあり、通常では考えられない早いスピードである。恐らく、ワワチン開発に必要なCOVID-19ウイルスの基礎的研究が国立感染症研究所や東大医科学研究所の方でかなり進んでいるのではないか。そうでないと、1年後に臨床試験に入ることなど無理である。
 私の定年の数年前、旧会社での不正が発覚し、国や社会から厳しく糾弾された。私自身は自分の担当に専念することができたが、多くの仲間が国からの業務命令やその後の指示への対応で大変な思いをした。その時、我々は企業として一番大切な信用を失ったのである。この苦しかった時期から思うと、今回のAMEDの公募に採択されて国の機関と共同でCOVID-19ワクチンの開発することになったというのはOBとして大きな喜びである。開発するワクチンも細胞培養法により増殖させたウイルスを殺して感染力を無くした(これを不活化という)ワクチンということで、我々が長年積み上げてきた経験が十二分に生かせるタイプのワクチンである。このタイプだと、医薬品の本質である、安全性と有効性、共に優れたワクチンが開発し易いし、国の認可も得られやすいのでなかろうか。
COVID-19ワクチンの開発研究では世界中が開始しており、中には最先端技術を駆使したもののあるが、それらが医薬品としての安全性、有効性を十分に保証できるのか、かなり疑問である。科学論文のためであればそれでもよかろうが、日本だけでも数千万人に注射することになることを考えると、多くの経験と実績がある従来法のワクチンの方がワクチンを注射してもらう側としては安心である。
ところで、COVID-19という病名であるが、以前から私は全く納得していない。武漢肺炎こそ正しい病名だと私は言いたい。例えば、日本脳炎は、明治3年(1871年)の日本での症例が世界最初の報告であったことから日本脳炎という病名だし、エボラ出血熱はその初発地と考えられる、ザイールのエボラ川から名付けられたものである。
COVID-19は、中国の武漢市で発生した肺炎が世界最初の発生報告、そして武漢から世界に拡がった事実を踏まえれば本病を武漢肺炎、その原因ウイルスを武漢肺炎ウイルスと呼ぶのがこれまでの医学のルールではないか。COVID-19は、中国におもねるWHOが提唱した病名であり、その使用に拘束力はない以上、これまでのルールに従って本病を武漢肺炎と呼びませんか。