獣医師インディ・ヤスの冒険!

家畜伝染病と格闘する獣医師インディ・ヤスさんのブログです。インディ・ヤスさんはロシア・東欧のオタクでもあります。

毒蛇のハブについて面白い記事を見つけました。

2024-06-22 12:03:32 | 連絡事項
面白い記事を見つけた。
https://t.co/G3RBsJAWc7
私は定年までいた前の企業で、5年間ではあるがハブやマムシに噛まれた時に打つ血清の製造に携わっていた。現在、日本国内の毒蛇は、ハブとマムシとヤマカガシ。ハブ毒の毒性は、50%マウス致死量でみると他の毒蛇の毒に較べて弱いとのこと。これは知らなかった。ただし、噛まれた時はハブが一番重篤。医薬品としての治療用血清があるのはハブとマムシ。ヤマカガシ用は試験研究目的のものが国家備蓄してある。
 江戸時代末期にハブ1匹を玄米1升でお上が買い上げたとする文献が残っているとのこと。対象がハブだから、この“お上”とは薩摩藩のこと。これは当時の薩摩藩が行った、福祉政策と考えて良い。領民への福祉を考えていたとは、やはり薩摩藩は他よりは進んだ藩だった。薩摩藩が明治維新で一番の主役であったのは偶然ではない。


お元気ですか。

2024-03-14 07:19:28 | 連絡事項
高校の同窓会名簿には連絡先不明でもきっと元気でお暮しだと推察します。それが、私のfacebookが貴女の名前に付いてくる意味だと勝手に思っています。お互い元気に生きていきましょう。いつかまたお会いできる希望を持って。

今年も高病原性トリインフルエンザを警戒する時期になった。

2023-10-17 20:09:12 | 連絡事項
 読売新聞によると、今月4日に北海道美唄市のアシブトガラスの死骸から高病原性トリインフルエンザ(HPAI)ウイルスが分離されたとのこと。警戒、警戒。また、高病原性トリインフルエンザを警戒する季節がやってきた。昨シーズンは国内の養鶏場でHPAIが多発したが、その予兆としてカラスのHAPIがあった。今シーズンもほぼ同時期にカラスで発生。これは今シーズンのHAPIウイルスがすでに国内に入った証拠。この件はすでに管轄の家畜保健衛生所から通知を受けているが、大手新聞も掲載するようになった。
 昨シーズンも日本中の養鶏場でHPAIの対策をしていたにも関わらず26道県の82事例の発生があり、鶏の殺処分数は総計約1,771万羽にもなった。そのために鶏肉、鶏卵の市場価格が上昇し、消費者に苦痛を強いることになった。人間が生きていくには動物性たんぱく質は必要不可欠、その適当な供給源である鶏肉、鶏卵は安価でなくてはならない。そのために私も畜産業界の伝染病相手の獣医師をやっているのに、今のところHAPIには根本的な対策がない。これから来年の春、カモがシベリアに帰るまで緊張を強いられる。そして、一番怖いのHAPIウイルスが日本国内に常在するようになること。これだけは防がねば。

これってもの凄いピントはずれだね

2023-10-03 23:21:36 | 連絡事項
 今年のノーベル医学生理学賞は、メッセンジャーRNAワクチンの基礎研究で大きな成果を上げた、ビオンテック社のカタリン・カリコ博士とペンシルベニア大学教授のドリュー・ワイスマン博士に授与されると発表された。このニュースに対して、武漢肺炎(COVID19)に対する新型コロナワクチンは多くの人で副反応が見られ、接種後の死亡例や副反応に苦しんでいるケースが国内外で多数報告されており、こんな危ないワクチンの研究にノーベル賞授与はおかしいという意見もある。これはもの凄い誤解というか、大変なピントはずれの意見である。なぜなら、カリコ博士とワイスマン教授へのノーベル医学生理学賞の授与は、メッセンジャーRNAワクチンの基礎研究に対してであり、新型コロナワクチン開発に対してではない。
 ワクチン開発は基礎研究を基にして行わるが、このステージは応用研究である。そして、開発に成功したら臨床の現場で医師がその安全性と有効性ついて試験する。このステージが臨床研究。そして、臨床の場で問題が明らかになったらその問題を製薬メーカーは改善する。これが改良研究である。ワクチンのみならず、全ての医薬品はこのようにして医療現場で使われるようになる。
 今回、カリコ博士とワイスマン教授に送られるノーベル医学生理学賞は、“全てはここから始まった”、と言うべき基礎研究に対してのものであり、新型コロナワクチン開発に対するのものではない。この点について誤解をしている人たちがおり、その人々が間違った認識をSNSで拡散させている。もっと冷静になってニュースを見てほしい。

今年初の日本脳炎発が熊本県で発生。患者は高齢の男性。蚊への対策は十分に

2023-09-23 20:14:19 | 連絡事項
 長~い間、このブログを休止していました。その間、X(旧twitter)にはまり、今もやっています。でも、本業である畜産分野の感染症とその予防、そして人の感染症については、このブログでもコメントしたくなりました。これは、感染症とその対策が専門の獣医師でワクチンメーカーを定年まで勤めた人間の性(さが)か。それで何となく再開します。
 ところで、今回のテーマは読売新聞の記事から取ったもの。これについて、少々。
 私が子供の頃、日本脳炎の患者は年に1,000名にもなった。しかし、現在は、国立感染研によると年に数名、多い時で10名程度で、平成30年度は患者なし。これだけ日本脳炎患者が減った理由として、人へのワクチン接種、豚や馬へのワクチン接種(豚は日本脳炎ウイルスを増殖させる)もあるが、最大の要因は、完全ではないにしろ、我々の生活環境から蚊を排除したことではないかと思う。しかし、日本脳炎ウイルスは現在も日本国内に存在する。そして、最近の発生では高齢者での発病である。その理由は高齢者の殆どが日本脳炎ワクチンの最後の接種から時間がたち過ぎて免疫が落ちているためだと思う。高齢者の皆さん(私もだけど)、毎年、春に日本脳炎ワクチンを接種して貰いましょう。