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2021-10-09 21:31:23 | 時事
食事摂取基準 DRIs:Dietary Reference Intakes 【最終更新日 2018年12月】
 エネルギー及び栄養素の摂取量の基準を示すもの。
 我が国では、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準として、健康増進法(平成14年法律第103号)に基づき厚生労働大臣が「日本人の食事摂取基準」を定めている。同基準において、栄養素の指標として、摂取不足の回避を目的とする指標(推定平均必要量、推奨量、目安量)、過剰摂取による健康障害の回避を目的とする指標(耐容上限量)等が定められている。
 なお、諸外国、国際機関でも、それぞれ食事摂取基準が定められている。

(参考)
 ・日本人の食事摂取基準(厚生労働省)
  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html外部サイトが開きます
 ・諸外国、国際機関の食事摂取基準(国立健康・栄養研究所)
  https://www.nibiohn.go.jp/eiken/kenkounippon21/foreign/kijun.html外部サイトが開きます



いわゆる「健康食品」 【最終更新日 2016年4月】
 いわゆる「健康食品」に関しては、食品安全委員会において、その報告書(平成27年12月)を取りまとめた。報告書では、いわゆる「健康食品」を医薬品以外で経口的に摂取される「健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売されたり、そのような効果を期待して摂られている食品」と定義した。このため、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品といった制度上の区分や、「体重を減らす」といった目的等も区別することなく、こうした食品もいわゆる「健康食品」に含まれる。



保健機能食品 Food with Health Claims 【最終更新日 2018年12月】
 栄養成分の補給や特定の保健の用途に資するもの(身体の機能や構造に影響を与え、健康の維持増進に役立つものを含む。)であることについての表示が認められている食品であり、「特定保健用食品」、「栄養機能食品」及び「機能性表示食品」の3つがある。



特定保健用食品 Food for Specified Health Uses 【最終更新日 2016年4月】
 体の生理学的機能等に影響を与える保健機能成分を含む食品で、血圧、血中のコレステロール等を正常に保つことを助けたり、おなかの調子を整えたりするのに役立つ等の特定の保健の用途に資する旨を表示するもの。特定保健用食品として販売するためには、製品ごとに食品の有効性や安全性について審査を受け、表示について国の許可を受ける必要がある。食品安全委員会は安全性の審査を担当している。健康増進法第26条に基づく制度。



栄養機能食品 Food with Nutrient Function Claims 【最終更新日 2016年4月】
 栄養成分(ビタミン、ミネラル)の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能を表示するもの。栄養機能食品として販売するためには、一日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分が上・下限値の範囲にある必要があるほか、栄養機能表示だけでなく注意喚起表示等も表示する必要がある。対象とされている栄養成分には、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム等がある。
 個別に許可を受けている食品ではなく、国が定めた栄養成分の規格基準に適合していれば事業者の責任で「栄養機能食品」と表示し、その栄養成分の機能の表示をすることができる。食品表示法(平成25年法律第70号)第4条に基づく制度。



機能性表示食品 Food with Function Claims 【最終更新日 2018年12月】
 事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性(※)を商品パッケージに表示した食品。商品の販売前に、安全性及び機能性の根拠に関する情報等について、事業者から消費者庁長官へ届け出られる。特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を経たものではない。食品表示法第4条に基づく制度。

 ※ 機能性…「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」など、特定の保健の目的が期待できる性質。



サプリメント Supplements 【最終更新日 2016年4月】
 ダイエタリー・サプリメント(Dietary Supplements)の略語で、「健康補助食品」、「栄養補助食品」と訳され、主にビタミンやミネラル、アミノ酸等、日頃不足しがちな栄養成分を補助するものを指すが、我が国において法令上明確な定義はない。特定保健用食品等とは異なり、一般にサプリメントについては、食品安全委員会によるリスク評価等が行われておらず、安全性が確保されていないことに留意が必要である。
 食品安全委員会では、サプリメントを含むいわゆる「健康食品」による健康被害事例等についてウェブサイトに掲載するとともに、健康食品の危害に関する関連サイトを紹介し、情報提供に努めている(※)。

※ 「健康食品に関する危害情報について」
 http://www.fsc.go.jp/kigai_jyoho/index.html



イソフラボン Isoflavone 【最終更新日 2016年4月】
 大豆等のマメ科の植物に多く含まれる物質であり、特定の基本構造を有する化合物の総称である。大豆には、大豆イソフラボン配糖体(※1)(ゲニスチン、ダイジン、グリシチン等)が含まれており、これを食べると腸内で分解され、非配糖体(※2)(ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン等)になる。
 ※1 配糖体…糖と結合した構造
 ※2 非配糖体…糖が結合していない構造。イソフラボンの非配糖体のことをイソフラボンアグリコンともいう。

 大豆イソフラボンは、植物エストロゲンの一つといわれ、その化学構造が女性ホルモンに似ていて、エストロゲン受容体に結合することからエストロゲン作用に対し、促進的あるいは競合的に生体作用を発揮することが、試験管内の試験や動物実験で示されている。
 食品安全委員会は、平成18年に大豆イソフラボンの食品健康影響評価を行っており、安全な一日摂取目安量の上限値を、大豆イソフラボンアグリコンとして70-75 mg/日とし、妊婦、乳幼児及び小児については、日常的な食生活に上乗せしてサプリメントとして摂取することは推奨できないとした。



飽和脂肪酸 Saturated Fatty Acid 【最終更新日 2016年4月】
 脂肪酸(末端にメチル基を、一方の末端にカルボキシル基を持つ)の中で、炭素−炭素二重結合を全く持たないもの。化学的に安定しており溶ける温度(融点)が高く、室温では固体の状態である。飽和脂肪酸から作られるトリグリセリドは消化吸収されやすく、エネルギー源として利用される。代表的なものとしてパルミチン酸、ステアリン酸がある。
 なお、飽和脂肪酸については、「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」の目標値の上限を超えるグループがあることから、留意が必要とされている。飽和脂肪酸摂取量が多いと冠動脈疾患、肥満、糖尿病等が問題となる。



不飽和脂肪酸 Unsaturated Fatty Acid 【最終更新日 2016年4月】
 脂肪酸の中で炭素と炭素−炭素二重結合を一つ以上持つもの。化学的に不安定で、融点が低く、室温では液体の状態である。
 代表的なものに、二重結合が一個の不飽和脂肪酸にオレイン酸、二個以上のものにリノール酸、アラキドン酸、α及びγ-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等がある。炭素に結びつく水素の向きでシス型とトランス型に分類される。

不飽和脂肪酸中の炭素―炭素二重結合



トランス脂肪酸 Trans Fatty Acids 【最終更新日 2016年4月】
 孤立したトランス型の炭素−炭素二重結合を持つ不飽和脂肪酸の総称で、共役二重結合を持つ脂肪酸はトランス脂肪酸に含まれない。マーガリンやショートニング等、水素を添加して硬化した部分硬化油、精製植物油、牛・羊等の反すう動物の肉、乳製品等に含まれている。その作用としては、いわゆる悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増加させ、いわゆる善玉コレステロール(HDLコレステロール)を減少させる働きがあるといわれている。
 平均的な日本人よりトランス脂肪酸の摂取量が多い諸外国では、トランス脂肪酸の摂取により冠動脈疾患の発症が増加する可能性が高いとする研究報告がある(ただし、反すう動物由来のトランス脂肪酸(バクセン酸)は、これら疾患との関係は低いと考えられている)。しかしながら、大多数の日本人の摂取量は、WHOの勧告(目標)基準であるエネルギー比1 %未満であり、これらの疾病罹患リスク等との関連は明らかではなく、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられる。また、事業者の一部には食品中のトランス脂肪酸の低減に取り組んでいるところもある。食品安全委員会では「食品に含まれるトランス脂肪酸」について、平成24年3月に評価結果を取りまとめた。
 なお、食品中のトランス脂肪酸低減に伴って増加傾向が認められる飽和脂肪酸については、「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」の目標値の上限を超える性・年齢階級があることから、留意が必要とされている。

https://www.fsc.go.jp/yougoshu/kensaku_eiyou.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/kenkounippon21/foreign/kijun.html