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白い死神

2023-11-23 09:21:14 | 事件

 

登録日:2022/02/24 Thu 00:33:00
更新日:2023/11/22 Wed 03:16:44
所要時間:約 10 分で読めます

 






生きものは死ぬときには自然に死ぬもんだ……

それを人間だけが……無理に生きさせようとする

どっちが正しいかねブラック・ジャック




ドクター・キリコとは、漫画ブラック・ジャック』の登場人物である。

 

CV山路和弘(OVA版)、速水奨(TVアニメ版)、鹿賀丈史(劇場版)、若本規夫(劇場版予告)、田中秀幸(インターネットアニメ)、清水紘治(ラジオドラマ)、諏訪部順一(『ヤング ブラック・ジャック』)
演:草刈正雄(ビデオ版)、森本レオ(本木雅弘版)、小澤征悦(『ヤング ブラック・ジャック』)



■概要

本作の準レギュラーキャラクター。
「ドクター・キリコ」は通称で本名は不明。長髪と左目の眼帯、およびこけた頬が特徴的な、不気味な雰囲気を漂わせる男性。年齢は不明だが少なくとも30代以上か。
一人称は原作では「おれ(俺)」だが、媒体や加筆によって異なる場合もある。

 

回復の見込みのない患者の安楽死を請け負う異端の医師で、「死に神の化身」の異名を持つ。
どんな命も救おうとするブラック・ジャック(以下「BJ」)とは対極の存在で、「医師の使命とは何なのか」「患者を延命させることが本当に幸福なのか」という本作品のテーマを、BJとは違う形で体現したキャラクターである。

 

200話以上あるエピソードの中でわずか9回しか登場しない*1が、安楽死に反対するBJとは対になる存在で人気は高く、キリコを主役に据えたスピンオフ作品『Dr.キリコ~白い死神~』も作られている。

 

 

親族には「ユリ」という名の美人のがいる。父もいたが……(後述)
また、山本賢治によるリメイク版ではピノコにあたるような幼女の助手を連れている。
ちなみに『99.9%の水』を原作とするエピソードでは妹も助手もBJによって全裸にされる。



■人物

元々は歴とした軍医として活動していた*2
しかし、満足に医薬品も用意できないような戦場でキリコが見たのは、手足がもがれ胸や喉が潰されるような重傷を負いながら、なお死ぬことができず苦しむ兵士達の姿だった。
もはや助かる見込みは無いからと、兵士達を毒薬で安楽死させたが、彼らは恨むどころか「ありがとう」と心から感謝しながら死んでいき、他の瀕死の兵も次から次へと彼に「救い」を求めてくる……。
この経験から「助かる見込みの無い患者を下手に苦しませ続けるのなら、安らかに息を引き取らせるべき」という信念を持つに至り、法律にふれないように安楽死を請け負うようになった。

 

安楽死に使うのは薬物から特殊な超音波を発する機械など様々で、使える物は何であれ積極的に取り入れる。
これらを調達する資金に充てるためか報酬も取るが、その金額については「いかに気持ちよく死ねるか」で上下するらしく、ある寝たきりの女性に依頼された際は100万円を要求していた。

 

BJからは「殺し屋」と侮蔑され、死神という異名から、一見安楽死させるのを楽しんでいるように思われる。
が、キリコは決して殺人に快楽を抱く殺人鬼や自らの行為を正しく認識できないサイコパスなどではなく、むしろ医師としての責任感・倫理観はしっかり持ち合わせている*3
キリコにとっての安楽死とは「本人が生き続けようとする意志を持たず、かつ、医学的にも手の施しようの無い患者に対する最終手段」で、事実、作中で彼が安楽死させようとしたのは、BJでもなければ手に負えない末期患者のみ。
ただBJにとっては「まだ助かる見込みがある相手」であるため、彼からの批判も間違ってはいない*4

 

では本来のまっとうな医療技術についてはどうなのか、というと腕はむしろ良い方。後述のキリコの父親の件では、BJも
「キリコの腕前であればありとあらゆる方法で治療を試みた筈であり、この患者の治療するのは並大抵のことではない」
と覚悟していたことからしても、彼程の医師もキリコの腕前には一目置いていることが窺える。

 

そもそも、キリコ本人も「治せる患者は治す」としっかり明言している。
『死への一時間』では、誤って安楽死用の薬を服用してしまった患者を助けるために尽力し、救命後にBJから「どうだい大将 殺すのと助けるのと気分はどっちがいい?」と皮肉られた時には、



ふざけるな おれも医者のはしくれだ

 

いのちが助かるにこしたことはないさ……



と答えており、BJとは確かに思想的には相容れないながらも、本質は彼と同じく命を尊ぶ医療人なのだ。
『浦島太郎』では55年間肉体の老化が止まったまま昏睡していた患者を巡って、意地を張り合うような形でBJ→キリコの順で処置をすることになった際も、患者の訃報を聞いて*5驚いた様子を見せている。結果的に二人とも患者のことを考え切れていなかったことを突きつけられ、「おれたちはばかだっ」と叫ぶBJと共に落胆することとなった。

 

なお安易な自殺の幇助は絶対にしない。
「普段やっている事も結局はそうじゃないか」と思いがちだが、キリコにとっての安楽死とは、先述のようにたとえ延命したとしても物理的に苦痛以外に有り得ない絶望的な人間に対する「救済」で、健康な人間の一時の落ち込みなどからの「逃避」とは別物。
実際『小うるさい自殺者』にて、中二病を拗らせた甘ったれた動機で自殺したがる少年をBJが当て付けのように寄越してきた際、キリコは「おれの仕事は神聖なんだ!」と激怒し拒絶した。*6
少なくとも「学校でクラス中からいじめられてもう生きるのが嫌」「これ以上頑張っても極貧生活から抜け出せそうにないから」程度の理由では、どれだけ懇願されようと金を積まれようと引き受けはしない。

 

一方で「安楽死させるかどうか」の線引きはしっかり行うものの、一度そうするべきと判断した場合は「少しでも早く楽に」という考えから、迅速に安楽死を強行しようとする悪癖がある。*7
『弁があった!』にて、自身の父親が縦隔気胸で苦しんでいた際も、5年に渡って最善を尽くすも原因が特定できず安楽死を決意。
実行前に妹のユリの依頼でBJが執刀し、今まで誰にも分からなかった気胸の原因をなんとか見つけ出し、後は治すのみだった。
……が、立ち会っていたキリコは原因を見つける直前に見切りをつけて毒薬を注射してしまうという大失態を犯していた。
異変に気付いたBJによる懸命の処置も虚しく父親は死亡。成功を確信して嬉し涙まで流していたユリは違う涙で泣き崩れ、助けられたはずの患者を殺されたBJは「命をなんだと思ってやがるんだ!!」と激昂してキリコを張り飛ばし、彼もこの時ばかりは自身の行いを後悔し項垂れるしかなかった。
しかし根本的なスタンスは変えず、『99.9%の水』では自分自身が奇病で死の淵に立たされた際も拡散を防ぐために自ら安楽死する気だった*8

 

ちなみに、初登場エピソードである『死に神の化身』初掲載時は「なおして役に立ちそうな病人はかならずなおす そのかわり なおしても役に立たんやつはえんりょなく殺す!」「自殺したがっている奴も殺した」などと、今のキャラクターとは大分かけ離れた発言をしている。
このエピソードは単行本化された際に『恐怖菌』と名前を変え内容も大幅に変わったが、その際に前者のセリフは「俺だって殺してばかりはいやしない なおせる相手ならなおすよ やせてもかれても一応は医者だからな」と改変され、また後者のセリフはカットされた。



■OVA版

出崎統が監督を務めたOVAシリーズでは、カルテⅣ『拒食、ふたりの黒い医者』にて登場した。
原作と違い、常に敬語で話す落ち着いた印象の人物になっている。自分で作曲したり名前を求められたりした時に「モーツァルト」と名乗って「…良いじゃないですか、それで」と捨て台詞を置いて立ち去るなど気障な所も。

 

このエピソードでは、冒頭で登場した際こそ、BJが受け持っていた大富豪を翌日に手術する予定があったにも関わらず安楽死させたものの*9、原因不明の拒食症に苦しむ女優・ミシェール・ロシャスを助けるため、いち早く原因を突き止めその情報をBJに提供し彼の手術の手助けをする、ミシェールから苦しみのあまり(当人と知らず)安楽死を請け負う医者を教えて欲しいと尋ねられた際に「お金がかかるんでしょう?(=BJに手術費を払うので自分に払う分は残らない)」と遠まわしにそれを断るなど、「治せる患者は治す」スタンスが特に強調されている。
中盤でミシェールが単独で外出するも衰弱のあまり事故を起こした際は、彼女を介抱し点滴で応急処置をしたり朝食を勧めたりと世話焼きな面も見せており、その中で彼女の身体に出来ていた特徴的な斑点で彼女の拒食症の原因に勘づいて資料を読み漁り、それが大戦中に開発された生物兵器の生き残りであることを特定。
「毒物のプロ」としてこの情報を提供しなければ、BJ単独ではどう足掻いても彼女を救う事は出来なかった。
その為かBJとも原作ほど険悪な関係ではない。



■TVアニメ版

アニメ本編にはOPに映っていたにもかかわらず未登場だったが、映画『ふたりの黒い医者』ではBJと共に主役を務める。
TVアニメ2期『ブラック・ジャック21』にもユリ(CV:久川綾)と共に登場。父親が永遠の命を求める「ノワール・プロジェクト」の関係者になるなど設定が追加されている。



■実写版

ビデオとしてリリースされた単発ドラマシリーズの3作目『ブラック・ジャック3 ふたりの黒い医者』に登場。
「人間は死には勝てない」と絶望から理想主義を捨てた経緯を語るなど、退廃的な雰囲気を漂わせる。
原作の『浦島太郎』を元にしたエピソードでは、BJと共に絶望した原作とは一転、患者を結果的に死に追いやった彼を嘲る。
しかし、BJが医者としての決して譲らない信念を示すと穏やかな表情で再会を誓うなど、かつての自分と違い理想を追い続ける彼に対する敬意の一面も覗かせた。
BJもキリコに対して、原作での敵意むき出しの態度とは異なり最後まで真摯な態度で応じていることから彼を認めている節が伺え、原作以上に複雑な関係として描かれている。

 

TVドラマの本木雅弘が主役を務めた単発ドラマシリーズでは、カルテⅢ『悲劇の天才料理人』にて登場。
BJの手術に立ち会って煽ったり、手術の成功後にかつての患者が死んだことを伝えたりするなどライバル心をむき出しにしている。
最終的にBJに対して敗北を認めるが、「生きることが辛い患者に対しては俺の方が上だ」と語り最後までブレないライバルキャラを貫いた。

 

岡田将生主演のTVドラマ『ヤング ブラック・ジャック』にも登場。
しかし、こちらはもはや完全に別物となっており、原作の面影はほとんどない。



ところで……この記事はだれが追記・修正してくれるのかな ずーっとたどってみるとどうもおまえさんらしいな

 

ばか せっかくの気分をぶちこわすな!!
 
 
 

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登録日:2022/03/06 Sun 22:01:00
更新日:2023/03/09 Thu 22:26:25
所要時間:約 6 分で読めます

 



 

『Dr.キリコ~白い死神』(原作:手塚治虫 脚本:藤澤勇希 漫画:sanorin)とは、手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』のスピンオフ作品。
同作に登場する安楽死専門医ドクター・キリコを主役にした1話完結型の医療漫画。全5巻。

 

概要

安楽死専門医が主役の医療漫画という事もあり、人の生死を巡る人間ドラマが展開されることが多い。原作のエピソードが回想として語られるシーンはあるが、世界観は現代社会がベースになっているためノートパソコンやスマートフォンも普通に登場する。
また、幽霊や精霊などのオカルトが度々登場するが、実は原作からして心霊手術などそういう存在は登場していたりする。
なお、本作にブラック・ジャックはほとんど登場しない。



登場人物

「よく勘違いをされるんだが…確かに私は金次第で安楽死を請け負う”死神”などと呼ばれていますがね……。俺は死神ではあっても殺し屋じゃない。人に頼まれて他人の命を奪うなんてなぁ、医者のやる事じゃありませんや…」

ドクター・キリコ

主人公。手の施しようのない患者を救済する方法の一つとして安楽死を請け負う元軍医。
日本だけでなく世界中にその名は広まっており、日本の田舎町から海外の戦場まで幅広く活動している。

 

安楽死を請け負ってはいるものの本質的には患者を救いたい医師であり、治せる見込みのある患者であれば治すという原作のキャラクターはしっかりと踏襲されている。
本作ではキリコが依頼を受ける条件として
①助かる見込みがないこと
②生きているのが苦痛であること
③本人自らが死を望んでいること
が設定されていて、特に重い病気というわけではない相手に自分の安楽死を依頼されたり、患者の関係者に本人に無断で安楽死を依頼されても上記台詞のように断るシーンが多い。
一応全く融通が利かないというわけではなく、相手の状況次第では上記の条件に当てはまっていなくても引き受けることはあるが、非常に稀。

 

眼帯の下に義眼代わりに高性能カメラを仕込んでおり、それを使って密かに撮影した映像を武器に窮地を脱することがある。



「父ちゃんを殺したのはキリコだろ?」

白河郁馬

ピノコ枠その1。貧乏な父子家庭に育った小学4年生。
郁馬が幼い頃に母が病に倒れ、その治療費と葬儀代で預金は消滅。父も体を壊してしまい日雇い仕事しかできないという家庭で育ったために家事が得意で勉強が苦手。
初登場時に虫垂炎と腹膜炎を併発していたところをキリコに手術されて回復した。

 

しかしその治療代130万円を払うために頑張っていた父が糖尿病性腎炎に倒れ、保険に入っていなかった彼は大病院に治療代として2520万円を請求されてしまう。
ひとまずキリコが立て替えることになったが、郁馬にこれ以上苦労を掛けたくなかった父は密かにキリコに自分の安楽死を依頼。
キリコは病院側のミスに見せかけて依頼を遂行したため、病院は医療ミスの発覚を恐れて3000万円の口止め料を郁馬に渡すことになる。

 

実はキリコと父の会話を郁馬は聞いていた。
父の遺志を尊重してキリコを憎むことはせず安楽死の料金を払おうとしたが、キリコはバレにくさを重視して安らかに死なせなかったとして料金を請求しなかった。
その後はキリコの家に押しかけて同居を認めさせ、家事を担当することになる。



「死んでない!約束したんだから!あたしが医者になって絶対母さん治すって!!それまで絶対生きてるって!!」

存尾美亜

ピノコ枠その2。郁馬が転入した小学校のクラスメート。
貧乏な母子家庭に育ち、その貧乏さを理由にクラス内で避けられていた。彼女の苗字は「ありお」と読むが、同級生たちには「ゾンビ」と呼ばれている。
本人は気にするそぶりも見せていなかったものの、長期間そうされてきたためか人間不信なところがある。

 

2年前に母親がALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を発症。闘病の甲斐なく3ケ月ほど前に帰らぬ人となってしまう。
しかし美亜は母の死を受け入れることができずにその後も遺体と一緒に住み続け、その死臭が身体に染みついたことでクラス内での扱いがさらに悪化。
父親を失ったばかりで人の死に敏感になっていた郁馬はその臭いによって美亜の母が死んでいることに薄々勘付き、キリコにそれを相談。
キリコが大病院に押しかけてカルテを見た上で美亜を「お母さんは自分のせいで娘に辛い思いをさせている事に苦しんでいる」と説得し、遺体に注射することで『安楽死を施して安らかに死なせてやった』という形にして弔った。
その後は転校したのか、郁馬と共にフリースクールに通う傍らでキリコ宅に入り浸るようになる。

 

実は彼女の母は資産家の娘であり、結婚を反対されたために家を出たという過去があった。
叔父たちが迎えに来たことでそれが発覚するも、自分が祖母の遺産の相続人に指定されていること、叔父たちはその遺産を目当てに近寄ってきたことを知って見切りをつけ、祖母の「お前はお前が一緒にいたい人のそばにいればいい」という遺言に従って遺産を放棄。
キリコ達のもとへ帰ってきた。



「意志薄弱はね。一生治らない不治の病さ」

六道善優

六道ファイナンスのイケメン社長。
表向きは真っ当な経営者を装っているが実は裏社会に通じており、自ら他人を射殺しても顔色一つ変えない。
善人とはとても言えないが、どこか憎めない性格で悪人であるとも言い切れない人物。

 

金融業で貸し付けた客のうち、返済が滞って改善の見込みもない者を殺し保険金で回収するビジネスを考案して実行していたが、自分達よりも確実な実行者としてドクター・キリコに目をつけスカウトしようとする。
しかし安楽死はあくまで患者を救うための医療行為という信念を持つキリコにはにべもなく断られた。上記の台詞はその際に債務者を指して言った言葉。
その後も度々キリコの前に現れてはあの手この手でスカウトしようとするもキリコにはかわされている。

 

物語終盤、いつものように保険金ビジネスで殺害した人物が実は海外マフィアのボスの親戚だったために追われる事態に陥ってしまう。
繋がりのあったヤクザもマフィアとの取引の方をとって六道を見捨ててしまったため、キリコのもとへ逃げてくる。彼の目的はマフィアによる生き地獄を味合わされる前にキリコに安楽死させてもらうことだったがキリコは拒否。
すると自分との繋がりをマフィアに話すと脅し、郁馬たちを人質に取る形でキリコ邸に居つくことになる。

 

その後、つかの間の平穏な日常を楽しんでいた六道だったが、マフィアの手はキリコ邸にも伸びてきた。
郁馬と仲良くなった六道は彼を守るために覚悟を決めてキリコ邸を去ろうとするも、その姿を見たキリコが六道の顔に整形を施したために逃げ切ることができた。
しかし六道本人は安楽死をしてもらうつもりだったのに無断で整形をされた上に、整形された顔が不細工な中年男性だったために感謝しつつも苦言を呈している。



「兄さん!!あなたにこれ以上人を殺させたくないの」

ユリ

原作にも登場したキリコの妹。
キリコの稼業をやめさせたい一心で医学の道へ進み、カナダで心理療法と麻酔を学んで終末医療緩和ケアのエキスパートとなる。
しかし皮肉にも医者となったことでキリコのやっていることの意味とそれを求める人々のことを理解できるようになってしまった。

 

後に海外で医療に従事するようになるが、とある中東の村での活動中に不法投棄された核燃料イエローケーキによって被爆し、全身を癌に侵されてしまう。
昏睡状態になる前に最後の意識で夫にキリコへの依頼を託し、キリコに再び「肉親の安楽死」という試練を突き付ける。
キリコはこれを父を殺した自分への復讐だととらえたが、彼女の真意は……。






「お引き受けするには条件があります。改善の見込みがない事、記事を読むのが苦痛である事、そしてなにより本人の意志である事。その条件を満たすなら安らかな追記・修正を約束しましょう…。記事の幸福と尊厳のために死神キリコが―…ね」