スポーツエトセトラ

スポーツ(主に野球・ラグビー)に関するさまざまな資料やデータをご紹介していくブログです。ぜひお楽しみください。

千葉県高校出身者・ドラフト指名選手一覧(1994~1996年)

2020-08-31 08:31:09 | 千葉県高校出身者ドラフト指名一覧
千葉県の高校出身プロ野球選手を紹介するシリーズの8回目は、
1994年~1996年です。



球歴の緑色は、高校生の指名選手となります。

まず1994年は3名。
選手が希望する球団と直接交渉し、入団できる“逆指名制度”がスタートしたのが93年。
翌94年には早くも、千葉県の高校出身者の逆指名入団選手が誕生します。その名は北川哲也です。
高校2年夏の千葉大会でエースとしてチームを準優勝に導き、3年時には県内で石井一久(東京学館浦安)と並び称される存在へと成長。
日産では94年の日本選手権で5連投、3勝の活躍でチームの準優勝に貢献するも、プロでは98年の4勝が最高でした。

島田一輝は学生時代は目立った活躍はありませんが、94年の都市対抗南関東予選で3試合で5本塁打を放つと、
都市対抗では4番を任され(3番は新日鉄君津から補強の松中信彦、5番は小笠原道大)、2安打をマーク。
社会人通算17本塁打、打率4割5分3厘のスラッガーとしてプロでも一発長打を武器に、36歳まで現役を続けています。

相川亮二は高校2年時に捕手に転向。2年夏はベスト4、3年夏はベスト8進出を果たしています。
高校通算打率.390と“打てる捕手”として期待され、プロでも07年には打率.302をマーク。
09年には盗塁阻止率リーグトップの.400を記録するなど強肩強打、加えて堅実なリードを評価され、
横浜、ヤクルトの2球団で正捕手を任されたほか、オリンピック(04年)やWBC(06年、13年)の代表にも選出。41歳まで現役を続けています。

1995年は5名。
この年は長谷川昌幸、沢井良輔と、銚子市の高校生2名がドラフト1位指名を受けています。
長谷川は甲子園とは無縁ですが、185センチの長身から投げ下ろす140キロ台中盤の速球で全国屈指の好投手と注目された逸材。
01年に9勝、02年に13勝とエース候補として期待されるも、その後は07年の5勝が最高でした。

沢井は大型の左の強打者として知られ、94年暮れの第1回アジアAAA選手権代表に選出。
95年のセンバツでは主砲として準優勝に貢献しほたか、甲子園では春夏通算で1本塁打を含む8安打を放ち、
“東の沢井、西の福留(孝介、PL学園)”とうたわれたものの、プロでは10年間で通算6本塁打でした。

逆指名(2位)でプロ入りした荒井修光は、高校3年時にエース兼4番として甲子園に出場し3回戦に進出。父の致徳監督と“親子鷹”として話題に。
早大で捕手に転向し、4年秋にベストナインを獲得。即戦力として期待されましたが、プロでは正捕手に届きませんでした。

石井弘寿は左腕の速球派で、高校3年の春に6イニングで16奪三振の快投を披露も最後の夏はベスト16で敗れています。
プロでは最速155キロのストレートを操り、02年に最優秀中継ぎに輝いて五十嵐亮太と“ロケットボーイズ”を結成するなど
球界屈指のリリーバーに成長。06年の肩の故障以降は活躍できなかったことが惜しまれます。

伊与田一範は高校通算45本塁打の強打に加え、50メートル走6秒、遠投110メートルと身体能力の高さが魅力の選手でした。
捕手を含めあらゆるポジションを守れる器用さも売りでしたが、ロッテ移籍後の03年に29試合に出場したのが最高。

1996年は4名。沢崎俊和、大塚晶文の2名が逆指名で入団しています。
沢崎は高校時代から好投手として知られていましたが、大学に進学。青学では4年春に7勝をマークしてMVPに輝き、大学日本一にも貢献。大学通算18勝。
プロでも1年目に12勝を挙げて新人王に輝くなど即戦力の期待に応えましたが、その後は故障との闘いが続き派手な活躍とは無縁でした。

大塚は高校時代は3年春のベスト8が最高。大学を経て社会人で素質が開花し、96年の都市対抗では本田技研に補強されて胴上げ投手に輝いています。
プロでは抑えを任され、2年目には35セーブで最優秀救援投手を獲得。後にメジャーに進出し、パドレスではセットアッパーとして活躍しました。

小笠原道大は高校2年夏に北川哲也とともにチームの県大会準優勝に貢献するも、高校3年間で本塁打はゼロ。
社会人で打撃開眼し、96年の都市対抗では新日鉄君津の補強で11打数5安打を記録して8強に貢献。同年の公式戦では打率.413、7本塁打と社会人屈指の強打者に。
プロでは3年目にレギュラー定着。打率3割、30本塁打が10回、100打点が4回、首位打者2回、2000本安打を達成と堂々たる実績。
日本球界を代表する強打者として君臨しました。

高橋憲幸は高校3年夏の甲子園で1勝をマーク。社会人では95年の都市対抗で4試合に投げ、防御率1.69の好投で日本石油を優勝に導き、MVPに相当する橋戸賞を受賞。
96年もベスト4進出に貢献しています。プロでは左のリリーバーとして積極的に起用され、50登板を2度記録しました。

次回は1997年~99年を予定しています。

プロ野球出身高校ランキング 他県への人材流出・流入度を調査【2020年度】

2020-08-28 08:29:02 | 2020年度 プロ野球出身チームランキング
2020年度のプロ野球現役選手の出身チームを調査するシリーズの第5弾は、
他県の高校への“人材流出(流入)”人数を調査してみました。

以前、アップしたプロ野球・出身都道府県別人数一覧【東日本編】【西日本編】で表した人数と、
前回紹介したプロ野球出身高校ランキング【都道府県別編】の人数を並べて、その数の差を元に表にしています。

出身地の人数よりも出身高校を合わせた人数が多い都道府県は、
「将来的にプロを狙えるそうな有望な」中学生が他県に流出した人数よりも、流入してきた中学生の方が多いことになります。

以下がその表となります。



3名以上の増減があったところには、赤(プラス)と青(マイナス)で色を付けています。
増減の多い都道府県ベスト10も以下にまとめてみました。



これを見ると、大阪が28人マイナスとなっており、他県への人材流出の度合いが大きいことが分かります。

もちろん、大阪桐蔭のように全国から優秀な中学生を集めているところもありますが、それを差し引くと
より多くの大阪に住む野球の上手い中学生が、出場機会やより良い育成環境を求めて府外に活路を見い出していることが伺えますね。
いわゆる“野球留学”というやつです。

なお、私自身は野球留学に理解があり、どちらかと言えば好意的であることを付け加えておきます。

千葉や兵庫、佐賀も他県への流出度が多いですね。
地元よりも、他県の高校の方に魅力を感じる中学生が多いという言い方もできるでしょう。
ただ、上にあげた3地区とも東京や大阪、神奈川、福岡など近隣の県に有力な私学が多い、という事情もあります。
特に隣県だと通学圏内であるケースも多いでしょう。

増加数が多い県は、チームの強化に積極的な私学が多いということになります。
横浜や東海大相模を抱える神奈川はもとより、八戸学院光星を擁する青森県が大幅にプラスとなっています。
山梨は東海大甲府、高知は明徳義塾辺りが熱心に選手を集めていそうですね。

まあ、データを調査していくことでこうした見方もできる、ということで
気楽に数字を眺めていただければ幸いです。

プロ野球出身高校ランキング 都道府県別編【2020年度】

2020-08-25 08:28:00 | 2020年度 プロ野球出身チームランキング
前回の高校ランキングの続編として、今回はプロ野球選手の出身高校の人数を都道府県別にまとめてみました。

以前、出身都道府県別ランキング(参照:【東日本編】【西日本編】)を作成しました。
どの地域の野球熱が盛んなのか(もちろん、人口の数によっても左右されますが)が表れるのでは、という期待からでした。
一方で、出身地ではない地域の高校に入り(いわゆる野球留学も含めて)、プロに進んだ選手が少なくないという現状があります。

そこで、出身高校の人数を都道府県ごとにまとめてみた。
プロに多くの選手を送り込んでいる高校があるということは、その地区の高校野球のレベルが高い。
そういう説も成り立つのではないでしょうか。

以下がその表となります。



各都道府県ごとの人数と学校数、もっとも多くプロ選手を輩出している高校を表しています。

実に438の高校が、現役のプロ野球選手を生み出していることが分かりました。
高野連の加盟校数がおおよそ3900校ですので、割合としては約11%というところですね。
人数の差はあれど、すべての都道府県でプロ選手を輩出した高校が確認されました。

さて、トップは横浜を擁する神奈川、2位は学校数そのものが多い東京、3位は大阪桐蔭のある大阪…という順番となりました。
その後も福岡、兵庫、千葉、広島、愛知と高校野球のレベルが高いイメージのある県が続きます。

学校数では参加校の多い東京がトップとなるのは当然として、2番目に来るのは2019年の参加校数が全都道府県で8番目の福岡。
180校以上が参加する神奈川や愛知よりも多いことがわかりました。

人数の割に学校数の多い兵庫や千葉、静岡、愛知、宮崎などは高校野球のレベルが高いだけでなく、
甲子園を狙える学校が多く、有力校が分散している、ということが言えます。
地方大会では1、2回戦などの序盤から、レベルの高いゲームが展開されていそうですね。

最後にあまり意味はありませんが、参考までに地区別の人数を表にまとめたものを掲載します。



なぜか近畿より九州の方が多いですね。

プロ野球出身高校ランキング【2020年度】

2020-08-22 08:46:01 | 2020年度 プロ野球出身チームランキング
プロ野球に在籍する選手の出身チームをランキングで紹介するシリーズ。
社会人、大学に続いて、今回はいよいよ「高校編」をお送りします。

以前、日本のアマチュア野球を経験してプロに飛び込んだ選手は844名と書きました。
日本の高校を経てプロ入りした選手は848名となりますが、これは「転校」した選手は1名で2校分をカウントしているためです。

さて、まずは6名以上、現役のプロ野球選手を送り出している上位22校をご紹介します。



いずれも甲子園で優勝を含めて何度も上位に食い込んでいる、超のつく名門校ばかりですね。
当然、すべて私立学校となります。

トップに来るのは21名の大阪桐蔭。甲子園での優勝回数8回を誇る現在の高校球界最強のチームですが、
プロ養成機関としても文句なくナンバーワン。多くのOBが、チームの主力選手として活躍しています。
育成力もさることながら、素質あふれる中学生を全国から集めていることも大きいのだと思われます。

2位には東の雄・横浜高。3位には伝統校・広陵が続きます。
4位が日大三と東海大相模で、ここまでが二ケタ人数となります。
全体的に関東や近畿のチームが目立ちますが、仙台育英や青森山田など、意外と東北勢も頑張っていますね。

参考までに、大阪桐蔭、横浜、東海大相模出身の歴代プロ野球選手については以下をご参照いただければと思います。

大阪桐蔭出身プロ野球選手一覧【前編】【後編】
横浜高出身プロ野球選手一覧【Part1】【Part2】【Part3】
東海大相模出身プロ野球選手一覧【前編】【後編】

4人以上、現役選手を輩出している残りの25校も以下に記しておきます。



この中で公立校が2校入っています。山形中央と大分商です。
山形中央は体育科を有しており、ここ10年間で甲子園に4度出場するなど地元きっての強豪でもあります。
大分商は戦前からの古豪で、甲子園出場20回を誇る名門校。
源田壮亮(西)、笠谷俊介(ソ)、森下暢仁(広)などチームの主力となっている選手も多いですね。

また表中の47校で唯一、甲子園出場を経験していないのがつくば秀英です。
夏の茨城大会でもベスト8が最高であるにもかかわらず、これだけプロ選手を送り出しているのは見事というほかありません。
参考までに、こちらの記事もご参照ください。

甲子園未出場ながらプロ野球選手を多く輩出した高校ランキング

今回は学校に焦点を当てたランキングをご紹介しましたが、プロ選手を輩出した高校別の人数を都道府県ごとにまとめることで、
高校野球のレベルの高い地域を探るという企画も考えています。しばらくお待ちください。

地域別プロ野球中継一覧【8月前半】

2020-08-19 09:26:50 | 2020年プロ野球中継
全国各地(首都圏、関西圏、東海圏、札幌、仙台、広島、福岡)における
プロ野球中継の実態について調査するシリーズ。

今回は8月前半(8月1日~16日)についてご紹介します。






表が見づらい感じで申し訳ありません。

全国ネットの中継は2試合。8月6日の阪神-巨人戦は札幌、仙台が除外されていますが、
8月8日の中日-巨人戦はNHKで全国津々浦々、放送されています。

全体的に地上波での中継は少なめになっています。
日本ハム戦や楽天戦のホームゲームも、地元で中継されないケースが目立ってきましたね。
地域によってはこの時期に盛んに行われていた高校野球の独自大会の中継が優先され、
プロ野球中継が後回しにされている場合もありました。

8月16日のソフトバンク-オリックス戦は沖縄を除く九州地区のANN、及び山口ではネットされています。
福岡の隣県である山口は、広島より福岡の方が関係性が深いのでしょう。

BSでプロ野球中継がない日はほとんどありません。
8月13日は全4試合、14日は6試合中実に5試合がBSで放送されています。
衛星放送の分野においては、プロ野球中継に一定のニーズがあることが分かります。

次回は8月後半の中継状況をご紹介します。