この度、さまざまなご縁から、浄土真宗、特に歴史・史料研究を専門とされる先生に所蔵品の調査をお願いできることになりました。
そういう意味では、自坊の蔵に関しても精神的にどこか隔絶された感覚があって、寺院として受け継いできた物品(しかも大したことない)を、今度は私が預かっていくのだという義務感でしかありませんでした。
- 捨て子はよく育つ - 親の厄年に生まれた子や体の弱い子が誕生した時、形式的にいったん捨てて、すぐ拾うと丈夫に育つという言い伝えがある[12]。この迷信を信じて、豊臣秀吉は子供達の幼名に「捨」「拾」などの名前を与えた。徳川家康の子松平忠輝も捨てられ家臣に拾われた。徳川吉宗も、この迷信から捨てられ刺田比古神社が拾い育てた。
住職の娘です。
そんな中ですが、今日はご報告です。
境内にあった西宮市指定保護樹木クロマツが枯れた為、先日、根元から伐採しました。
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枝は大なり小なりどこまでも中心部が空洞になっていて、今年の梅雨を過ぎた頃には幹にまでキノコが生えている状態でした。
残念ながら、回復は見込めません。
これほど大きく立派な松に育つまで、人の一生何人分だろうかと思います。
そして、そんな長い時を生きて、たくさんの人に見上げられてきたクロマツですが、先日の伐採により切り株を残すのみとなりました。
樹木にこのように虚ができて、折れて、枯れていくのは自然の摂理ですが、安全のために人間の都合で「終わり」をきめることには、やはり抵抗があり、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
ただ、幸いなことに、低く綺麗に切ってもらったおかげで、保育園のためにはよかったようです。
主任保育士さん(私が30数年前の保育園時代にお世話になった先生)にお話を伺ったところ、「死角が減り、園児の安全に関してリスクが減った」とのこと。
そして、この切り株を、天然の「テーブル」に利用できることです。
クロマツの命の終わりは悲しい。
しかし、その大きな切り株のもとで、これから成長していく子どもさんたちが給食を食べたり、元気に生活してくれている様子を主任保育士の先生と拝見したときには、こうしてたくさんの命の営みが続いていくのだと感じて心からうれしく思いました。
切り株テーブルとして使いやすく、また、より良く保存するため、このクロマツを伐採してくれた職人さんに切り株の追加加工を依頼しています。
おそらく本堂が建った250年以上前に植えられたと思われるクロマツ。
もう少しの間、私たちを見守ってもらいたいと思います。
合掌
追記
以下は、伐採の時の写真です。
ギリギリ雨が降らない天候での作業でした。
高所作業1人、クレーン操縦1人、整理運搬作業1人の3人。
片付けまで含めて、9時-5時で仕事を終えてくださいました。
↑クレーンが見えた!
↑次に折れる危険性が1番高かったと思われる
↑ここだけなら良い材木のように見える
↑クレーンで吊るしながらでないと刃が入らない幹
↑半分以上土みたい…危険!
↑スッキリしました
テーブルになる予定の切り株
今回、投稿に関して、当方が確認を怠り大変なご迷惑をおかけしてしまいました。関係者の方々に心よりお詫び申し上げます。今後、このようなことが無いようチェック体制を確認して、適切なブログ運営に努めてまいります。誠に申し訳ございませんでした。
2022/11/07