名塩御坊 教行寺

西宮市北部にある蓮如上人創建の寺 名塩御坊教行寺のブログ
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自動撞木(しゅもく)

2017年02月09日 01時10分20秒 | 教行寺・寺務関連

 当寺の梵鐘(ぼんしょう)=(大鐘おおがね)は、第二次大戦中に供出され、2000年に新しく鋳造されました。その時、自動撞木(自動的に鐘を撞いてくれる機械)も導入しました。

 もちろん、役員諸氏の抵抗に遭いました。そこで、週の内、5日は役員が持ち回りで撞き、残る2日は私が撞くことを提案しました。昔は、在家の人が持ち回りで、朝の4時に大鐘を撞いて仕事始めの合図にしていたそうですから、正午と午後5時に撞くなら、それ程無理な話ではありません。しかし、この提案は容れられず、自動撞木の導入は承認されました。まあ、人間というのはそういうものです。

 自動撞木の仕掛けは、下の写真と図をご覧下さい。日本で唯一、上田技研産業という奈良の会社が製造販売しています。先日、とうとう壊れましたので、再び導入しようと考えています。

 死んだ弟は、生前、よく、大鐘を釣りたいと語っていました。その弟が残した貯金に幾ばくかの追加をして、鋳造した大鐘です。

 鐘を釣る前、自動撞木の話を、毎朝お参りに来てくれていた「おさださん」にしたことがあります。その時、おさださんは、

「体の弱い私は、農家へ嫁いでしんどかったから、電気洗濯機を買いましてん。名塩でも一番早かったと思います。買うた当時は、女の敵、怠け者やと、ボロクソに言われましたで。せやけど、御前さん、今、見てみなはれ。電気洗濯機のない家なんかおまへんで。新しいことでも古いことでも、ええと思うたらやったらよろしいねや。」

と言って、笑っていました。

 大鐘の音を聞く度に、今は亡き「おさださん」と弟のことを思い出します。

 

 追記:

 上田技研産業から、同社のパンフレットの画像使用につき快諾を得ました。

 今、ちょっと計算してみたら、17年間、毎日20回撞いていたので、約12,4000回ほどで壊れたことになります。

 

 



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